上司の半数以上が「逆パワハラ」を経験、約7割が指導を躊躇する実態が明らかに

ビジネス

調査概要

この調査は、部下や後輩が上司や先輩に対して行う「逆パワハラ」の実態を把握するために実施されました。具体的には、「部下が上司に対して不機嫌な態度を取る」「正当な指導をハラスメントだと主張する」といった行為が逆パワハラの例として挙げられます。

  • 調査対象:職場に部下や後輩がいる人

  • 調査期間:2026年5月20日~6月3日

  • 調査機関:自社調査

  • 調査方法:インターネットによる任意回答

  • 有効回答数:481人(女性304人/男性177人)

  • 回答者の年代:20代 18.3%/30代 38.5%/40代 27.0%/50代以上 16.2%

上司の半数以上が逆パワハラを経験

職場に部下や後輩がいる481人に「部下・後輩からの逆パワハラを感じたことがあるか」を尋ねたところ、「頻繁にある(7.7%)」「たまにある(47.4%)」を合わせると、55.1%に達しました。半数以上の人が逆パワハラを経験していることが明らかになり、上司から部下へのパワハラだけでなく、部下から上司へのハラスメントも多く発生している現状が示されました。

部下からの逆パワハラを感じたことがあるか

上司が最もストレスを感じる逆パワハラランキング

部下・後輩からの逆パワハラで最もストレスを感じる行動について尋ねた結果、以下のランキングが明らかになりました。

上司が最もストレスを感じる部下からの逆パワハラ

1位:感情を露骨に出す(21.5%)

部下や後輩が不機嫌な態度や表情をあからさまに出すことが、上司にとって最も大きなストレス源となっています。ため息をついたり、業務上必要なやり取りでも不機嫌になったりする「フキハラ(不機嫌ハラスメント)」が具体的な行動として挙げられました。

「その後輩にとって嫌な仕事を頼むと、ため息をつかれる」(20代 女性)
「私がパワハラと言われないように気を遣っているのをいいことに、不機嫌な態度や表情をあからさまにする」(30代 女性)

2位:ハラスメントだと言われる(21.1%)

正当な指導やミスへの注意に対し、「パワハラだ」と主張されることが僅差で2位となりました。ハラスメントという言葉を盾に責任や指摘から逃れようとする態度に、強いストレスを感じる上司が多いようです。必要な指導が攻撃と受け取られることで、建設的な話し合いが困難になるケースも指摘されています。

「業務上の正当な指導やミスへの注意をした際、すぐに『それパワハラですよ』と過剰に主張されることです。ハラスメントという言葉を盾に責任や指摘から逃れようとする態度に、強いストレスを感じます」(20代 女性)

3位:注意すると逆ギレする(9.8%)

ミスを指摘したり指導したりした際に、部下や後輩が逆ギレし、感情的に反発する行為もストレスの原因となっています。これにより、上司側も言い方やタイミングに気を使いすぎ、本来伝えるべきことが伝えづらくなるという問題が生じています。建設的な話し合いが難しくなり、業務効率の低下にもつながりかねません。

「ミスを指摘したり注意したりすると、逆ギレされて仕事放棄される」(20代 女性)

4位:指示に従わない(6.8%)

上司や先輩の指示に正当な理由なく従わない行動は、職場の秩序や業務遂行に影響を与えます。何に対しても反論したり、指示を無視・拒否したりする状態は、業務の滞りを引き起こし、最終的に上司がフォローするケースも見られました。

「明確なルール違反を注意しても『私の価値観とは違います』。正当な理由なく指示を拒否され、上司としての尊厳を傷つけられました」(30代 男性)

5位:仕事を断る(6.4%)

「やりたくない」「苦手」といった理由で仕事を断る部下や後輩の行動も、逆パワハラと感じられています。割り当てられた仕事や協力すべき業務を拒否することで役割分担が崩れ、組織としての責任回避と見なされることもあります。

「自分の苦手な仕事(電話対応など)を『お願いしてもいいですか?』と振ってくる」(30代 女性)

約7割の上司が逆パワハラを恐れて指導を躊躇

逆パワハラを恐れて部下への指導を躊躇してしまう上司は、「頻繁にある(17.3%)」「たまにある(51.1%)」を合わせて68.4%に達しました。実際に逆パワハラを経験していない人でも、「指導がハラスメントだと誤解されることへの不安」や「指導をきっかけに逆パワハラを受ける不安」を感じていることが示されています。

逆パワハラを恐れて部下への指導を躊躇することはあるか

この結果から、多くの職場で上司や先輩が部下・後輩に配慮しながら、慎重にコミュニケーションを取っている様子がうかがえます。

まとめ

今回の調査により、半数以上の人が部下や後輩からの逆パワハラを感じた経験があり、さらに約7割の人が逆パワハラを恐れて指導を躊躇している実態が明らかになりました。上司や先輩が過度に遠慮しすぎると、必要な指導や注意ができなくなり、業務の滞りや特定の人への負担集中につながる可能性があります。

佐賀大学ウェルビーイング創造センターリカレント教育部門准教授の小林百雲子氏は、この調査結果について以下のようにコメントしています。

「本調査は、指導する立場の人が部下・後輩との関わりに難しさを感じている実態を示すものとして興味深い結果です。一方で、『逆パワハラ』の定義が回答者の判断に委ねられているため、挙げられた言動すべてを直ちにパワハラと捉えるには慎重さも必要です。パワハラは、上司から部下に限らず、経験や技能等を含む職場における優越的な関係を背景とする言動として定義されています。立場を問わず、相手を尊重しながら、業務上必要なことを誠実に伝え合える職場風土を構築することが重要です。」

小林百雲子氏

お互いが決めつけたり頑固になったりすることなく、安心して意見を伝え合える職場環境の構築が、今後の課題として求められています。

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