離職防止ツールの導入率は14%に留まるも、導入企業の約半数が効果を実感
人材不足が深刻化する現代において、「離職防止」は多くの企業にとって重要な経営課題となっています。しかし、実際にどの程度の企業が対策を講じ、その効果を実感しているのかという実態は、これまで十分に可視化されていませんでした。
SaaS比較メディア「起業LOG SaaS」は、全国の管理職・経営者・自営業者200名を対象に、職場の離職・定着に関する実態調査を実施しました。この調査は、離職防止の取り組み状況やツール導入の実態を明らかにし、企業が直面する課題と今後の対策のヒントを探ることを目的としています。
調査概要
本調査は、以下の内容で実施されました。
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調査名称: 職場の離職・定着に関する実態調査
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調査対象: 全国の管理職・経営者および自営業者(30~50代)
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調査方法: インターネット調査(qiqumoパネル利用)
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調査期間: 2026年4月7日(月)〜 4月13日(日)
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有効回答数: 200名(30代:50名、40代:75名、50代:75名)
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調査機関: 起業LOG SaaS編集部(プロトスター株式会社)
調査結果のポイント
1. 管理職・経営者の29%が「離職・定着に課題あり」と回答
「離職が増加しており深刻な課題(13%)」と「やや気になっている(16%)」を合わせると、29%の管理職・経営者が離職・定着に課題意識を持っていることが分かりました。一方で、「特に問題なし」や「わからない」と感じている層が過半数を占めており、データによる早期把握の仕組みが不足している「見えない危機」の存在が示唆されています。

2. 離職防止ツールの導入率はわずか14%—7割が未導入・未検討
離職防止ツールの導入状況を見ると、「導入済みで現在も活用している」と回答した企業はわずか14%(29名)に留まっています。「導入していないし検討もしていない」が70%(139名)と大多数を占め、多くの企業でツールの導入が進んでいない現状が明らかになりました。

3. 導入経験ありの48%が「改善した」—一方で40%は「変化なし」
ツール導入・活用経験がある85名のうち、48%が離職率・定着状況の「改善を実感した」と回答しました。しかし、「変化はなかった」と回答した企業も40%と多く、ツールを導入するだけでは効果が出にくいケースが相当数あることが示されています。データを具体的なアクションにつなげる運用設計が、効果の成否を分ける鍵となると考えられます。

4. 課題1位は「給与・待遇への不満(23%)」
離職・定着に関する課題として最も多かったのは、「給与・待遇への不満が離職につながっている(23%)」でした。次いで、「コミュニケーション不足・孤立(19%)」、「管理職のマネジメント力のバラつき(19%)」が続いており、経済的な要因に加え、職場環境や人間関係も大きな影響を与えていることが分かります。

5. ツール選定基準1位は「月額費用(44%)」
離職防止ツールを選定する際に最も重視するポイントは、「月額費用・コストパフォーマンス(44%)」でした。続いて、「無料トライアルがあること(28%)」、「操作のしやすさ(25%)」が挙げられており、導入ハードルの低さがツールの普及において重要な要素となっていることが示されています。

6. 導入後の最大の壁は「管理職がツールを使いこなせるか(18%)」
ツール導入・検討時の課題を尋ねたところ、最多は「特に課題・懸念はない(58%)」でした。しかし、懸念がある回答の中では、「管理職がツールを使いこなせるか不安・使いこなせなかった(18%)」が最も多く、「データをアクションに繋げられるか不安(13%)」、「費用対効果が見えにくい(13%)」が続いています。

7. 未導入の理由1位は「費用対効果が見えない(26%)」
離職防止ツールを未導入・未検討の139名にその理由を尋ねたところ、「費用対効果が見えない・予算が取れない(26%)」が最多でした。しかし、実際には月額数百円から導入でき、無料トライアルに対応したツールも存在しており、費用対効果に関する認知が十分に浸透していない実態が浮かび上がっています。

8. 「特に何もしていない(41%)」が最多—事後対応型が大多数
離職防止への取り組みとして最も多かったのは、「特に何もしていない・わからない(41%)」でした。取り組みを行っている企業では、「給与・待遇の見直し(31%)」、「福利厚生の充実(22%)」、「定期的な1on1・面談(22%)」が上位を占めています。「エンゲージメントサーベイの実施」はわずか12%に留まり、事後対応型の対策が大多数を占める現状が浮き彫りになりました。

現場の声
調査では、現場の管理職や経営者から具体的な声も寄せられています。
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「サーベイを実施しているがフィードバックが不十分。データを取るだけで終わってしまっている」(製造業・管理職)
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「辞めないと思っていた優秀な社員が辞めていく。もっと早く本音を聞く仕組みが必要だった」(サービス業・経営者)
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「多面サーベイやエンゲージメント分析をするようになって、部下への接し方が変わった」(管理職)
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「退職代行を使う新入社員が出てきていて対応に迫られている」(管理職・中規模企業)
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「ツールでは見えない奥深いところを見ないといけない。離職者は正直な理由を言わないので本音を理解することが大事」(自営業・経営者)
調査結果からの考察
今回の調査で注目すべきは、離職防止ツールを導入した企業の48%が効果を実感している一方で、「特に課題を感じていない(46%)」や「特に何もしていない(41%)」と回答する企業が最多を占めているというギャップです。
「費用対効果が見えない(26%)」という障壁に対しては、月額数百円から導入でき、無料トライアルに対応したツールも多く存在します。そのため、まずは小さく始めて効果を検証することが可能と考えられます。1名の離職コストが年収の50〜100%相当ともいわれる現在、離職防止への投資は十分に費用対効果が成立すると言えるでしょう。
また、「変化なし(40%)」という結果を防ぐ鍵は、「低スコアが出たら誰が何をするか」という運用フローの事前設計にあります。ツール導入がゴールではなく、得られたデータを具体的なアクションにつなげる仕組みをセットで設計することが、離職防止対策を成功させるための重要な条件であると考察されます。
本調査の詳細記事および資料請求はこちらからご覧いただけます。
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詳細記事・資料請求: https://kigyolog.com/service.php?id=173
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資料一括ダウンロード: https://kigyolog.com/document_request.php?service_id=173
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