ユニバーサルロボット、フィジカルAI対応の「Gen 7」を発表
協働ロボットのパイオニアであるユニバーサルロボットは、米国シカゴで開催された国際見本市「IMTS 2026」において、第7世代協働ロボットプラットフォーム「Gen 7」を発表しました。この新しいプラットフォームは、AI Ready(フィジカルAI対応)を前提に開発され、製造や物流など幅広い産業分野でAIを検証段階から実際の稼働現場へ移行させることを目指しています。

「Gen 7」は、新型ロボットアーム「g-Series」をはじめ、コントローラ、ティーチペンダント、ツールフランジに至るまで、システム全体が一体的にアップグレードされています。ロボットOS「PolyScope X」を基盤に再設計されており、要求が厳しく複雑な用途にも対応しながら、これまでの操作性を継承し、扱いやすさを高めている点が特徴です。
ユニバーサルロボットを傘下に持つTeradyne Roboticsのグループプレジデント、Jean-Pierre Hathout氏は、「AI時代のロボットには、高度でありながら複雑ではないことが求められます。『Gen 7』は、システム構築の手間を減らし、対応できる用途を大きく広げ、AIを活用したアプリケーションを実際の生産現場で運用するための土台となるでしょう」と述べています。
Gen 7の主な機能と特徴
「Gen 7」では、以下のハードウェアと機能が一体で提供されます。
新型g-Seriesロボットアーム
既存のe-SeriesおよびUR Seriesに続く新しいg-Seriesとして、「UR10g-1750」「UR17g-1300」「UR18g-950」の3機種が追加されました。型名はそれぞれ可搬質量(kg)とリーチ(mm)を示しています。
新型g-Seriesのツールフランジは、データ、電源、安全信号を直接供給できるため、外部機器の配線が簡素化され、カメラや高帯域センサの接続が容易になります。これにより、AIモデルをロボットと同時にリアルタイムで動作させる構成が取りやすくなり、高度な自動化やフィジカルAIの実装において重要な役割を果たします。
また、フォーストルクセンサ、インピーダンス制御、RTDE(Real-Time Data Exchange)が標準で備わっており、ロボットが「触覚」の情報を活用できます。これは、柔軟なハンドリングや、押し付け力の管理が必要な組立作業など、フィジカルAIの用途を想定したものです。
CB7 Core コントローラ
CB7 Core コントローラは、従来世代と比較して演算性能が40%向上し、設置面積が30%削減されました。複数ネットワークとの同時通信に対応し、PLC、HMI、MES、IPC(産業用PC)、画像処理システムなどとの接続が可能です。これにより、外部スイッチの追加を抑えながら、最新の自動化構成やフィジカルAIを前提としたシステム構成に対応できる拡張性を備えています。
PolyScope X
ロボットOSであるPolyScope Xは、「Gen 7」のプログラミング環境、ISO 10218-1に対応した安全機能、サイバーセキュリティ要件への適合を提供します。オープンAPIとROS 2通信に対応しているため、IPCや外部のAI処理を組み合わせたエッジAIアプリケーションの構築・運用が可能です。
さらに、追加のソフトウェアパッケージによりProfiSafe、OPC UA、ロジックプログラムといった機能を利用できるほか、Rocketfarm PallyやInbolt 3D Vision Guidanceなど、サードパーティ製アプリケーションも利用しやすくなっています。
TP7 Core ティーチペンダント
TP7 Core ティーチペンダントは、従来世代よりも20%以上軽量化され、形状も見直されました。複数の持ち方に対応し、機能を割り当てられるスマートボタン、フルHDディスプレイ、バーチャルジョイスティックを備えることで、長時間の作業でも扱いやすく、操作の習得よりも本来の作業に時間を充てられることを目指した設計です。
SP7 スマートパネル(ツールフランジ部インターフェース)
SP7 スマートパネルは、アーム先端側で直接ティーチングやプログラミングができるインターフェースです。安全規格に適合したフリードライブ機能、LED表示、PolyScope Xのスマートスキルを呼び出せる設定可能な入力ボタン3個を備えており、ティーチペンダントを使わずにロボット近傍でより多くの操作を行うことが可能です。これにより、多品種少量生産など作業者の関与が必要な場面での利便性が向上し、段取りとプログラミングの時間短縮が期待できます。
安全性とサイバーセキュリティ
「Gen 7」の安全機能は、ISO 13849-1に基づくPL d/カテゴリ3の認証に対応しています。g-Seriesの全アームはISO 10218-1およびUL 1740についてTÜV認証を取得済みです。また、Teradyne Roboticsはサイバーセキュリティに関するIEC 62443-4-1 ML3の認証を取得しており、ソフトウェア開発の各工程にセキュアな開発プロセスが組み込まれていることが確認されています。
国内での初公開とフィジカルAIエコシステム
「Gen 7」は、IMTS 2026の会場で20社を超えるエコシステムパートナーの新しい取り組みとともに展示されています。フィジカルAI、マシンビジョン、把持技術の各分野の製品が、ユニバーサルロボットのハードウェアとソフトウェア上でアプリケーションとして構成できることが示されました。
国内では、2026年10月8日(木)・9日(金)に東京・秋葉原で開催される「UR協働ロボットフェア2026」で初公開されます。会場では、g-Seriesの「UR10g-1750」および「UR17g-1300」の実機に加え、CB7 Core コントローラ、TP7 Core ティーチペンダント、SP7 スマートパネルが展示され、来場者は実際に操作を体験できます。
ユニバーサルロボットは2026年7月、国内パートナー企業を対象とする「URフィジカルAI開発支援プログラム」を発表しており、「Gen 7」が備える高度な機能は、このプログラムで想定する開発環境の基盤となるものです。ユニバーサルロボットは、製品プラットフォームとパートナー支援の両面から、日本国内におけるフィジカルAIの社会実装を支援していくとのことです。
ユニバーサルロボットについて
ユニバーサルロボットは、2008年に世界初の商用協働ロボットを発表して以来、協働ロボットの可能性を広げてきました。直感的な操作性を備えた独自ソフトウェアPolyScopeの進化や、製品ポートフォリオの拡充を通じて、世界50カ国以上で累計10万台を超える協働ロボットを販売しています。周辺機器を取りそろえたUR+エコシステムをはじめ、グローバルネットワークを通じて、ユーザーが自動化導入時に直面する課題解決を支援し、誰もが簡単に自動化を実現できる環境を提供しています。


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