取り組みの背景
コンタクトセンターに集まる顧客の声(VoC)は、企業がまだ気づいていない潜在的な課題やニーズを含んでおり、これらを製品・サービスの改善や新たな価値創造に結びつけることが企業の競争力に大きく影響します。
従来、VoCデータはオペレーターの手入力に依存することが多く、記録に時間がかかり、情報の粒度や心情判断にばらつきが生じやすいという課題がありました。顧客接点の多様化や人材確保の難しさも相まって、限られた人員で大量のVoCを分析し、改善アクションにつなげることは多くの企業にとって共通の課題となっています。
ファンケルは創業以来、「正義感を持って世の中の『不』を解消しよう」という理念のもと、お客様の声に耳を傾け、それを製品やサービスに反映してきました。顧客体験(CX)向上に向けて、応対の記録・分析・評価業務をAIで効率化し、その時間を人間にしかできない対話や顧客理解の深化に充てる体制を構築するため、「FANCL COE LINK」を本格始動させました。
「QANT VoC」は、通話内容の全文データに属性情報や購買履歴などの独自データを組み合わせて分析することで、製品やサービスごとの顧客の気持ち(前向きな気持ち、不満、不安など)を可視化します。これにより、単に「声を集める」だけでなく、「本音を読み解き、動かす」仕組みへの進化を支援します。
期待される活用方法と効果
1.カスタマージャーニーマップと連携したVoC分析による体験設計の改善
コンタクトセンターに寄せられる声は、顧客体験のどの段階で生まれたのかが不明確な場合が多く、個別対応にとどまりがちでした。「QANT VoC」は、カスタマージャーニーマップのステータスと連携した自動タグでVoC分析を行うことで、体験のどの段階でどのような声が上がっているかを可視化します。これにより、体験フェーズごとの課題を的確に捉え、局所的な対応ではなく、体験設計そのものの改善につなげることが期待されます。

2.応対開始時と終了時の心理変化分析によるデータに基づく育成・改善
応対品質の評価は担当者の主観や抜き取り確認に頼ることが多く、基準が属人化しやすいという課題がありました。「QANT VoC」は、応対前後のお客様の心理変化を自動タグで抽出し、コミュニケーションの成功・失敗パターンを構造的に分析します。これにより、感覚的に語られてきた応対品質に、データに基づく再現性のある育成・改善の基準をもたらします。
3.複合的な要因とリスクの早期発見
実際の問い合わせには複数の要因が絡むことが多いにもかかわらず、従来の分類では1通話1理由に集約されがちで、背景や予兆が埋もれてしまうことがありました。「QANT VoC」は、会話の話題からAIが多面的にリーズンを自動抽出し、VoC全体の傾向分析やリスク検知に生成AIを活用します。これにより、課題の芽を早期に発見し、製品・サービスの改善や新たな施策の検討につなげることが可能です。
4.VoCデータ取り込みの自動化による分析業務の効率化
音声データをテキスト化しても、分析可能な状態に整える作業を人手で行っているケースが多く、記録作業が現場の負担になりがちです。「QANT VoC」は、音声テキスト化データをAPI連携で自動的に取り込む仕組みを備え、整理・入力の工数を削減します。これにより、本来注力すべき分析や改善検討に時間を充てられるようになります。
5.部門を横断したお客様の声の全社的な活用
コンタクトセンターに集まる声は部署内で完結しがちで、製品開発やマーケティングなど他部門の改善に活かされにくいという課題がありました。「QANT VoC」は、抽出した声をチケット化し関係部署へ展開できる仕組みを備え、コンタクトセンターの改善にとどまらず、品質改善、製品開発、マーケティングなど全社的なサービス改善へと声を還元します。
両社のコメント
株式会社ファンケルの佐野 博一氏は、お客様の声の分析が多くの時間を要する業務であったこと、また要約にとどまり真意を汲み取ることが難しかったことに触れ、「QANT VoC」が「声の奥にある本音」を理解し寄り添う取り組みに最適なソリューションであったと述べています。
株式会社RightTouchの野村 修平氏は、顧客の声が企業にとって最も価値のある経営資産の一つであるとし、ファンケルが「顧客資本経営」の考え方を進化させる「FANCL COE LINK」において、「QANT VoC」が「声を“読み解き、動かす”役割の一翼を担えることを大変光栄に思います」とコメントしています。
今後の展望
RightTouchは、今回の取り組みを起点に、ファンケルが目指す「声を集める」仕組みから「本音を読み解き、動かす」仕組みへの進化を、分析基盤の面から継続的に支援していくとのことです。AIを活用したVoC分析の精度・効率を高めながら、対応できる声の範囲を段階的に広げ、コンタクトセンターの改善にとどまらない全社的な活用の広がりに伴走します。
さらに、ファンケルが目指す「お客様一人ひとりに向き合うCXの実現」に向けて、部門を横断した顧客体験向上に資するデータ活用のあり方を共に模索していくとのことです。
「QANT」について
「QANT」は、カスタマーサポートの各業務・顧客接点でのAI実装を多面的に支援し、AIコンタクトセンターを実現するプロダクトです。業務全体をつなぎ、最適化することで、課題分析や企画案の作成、ナレッジ作成など工数のかかる業務をAIで自動化し、人が対話や意思決定に集中できるよう支援します。

主なプロダクト群
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QANT Web: 顧客の困りごとを問い合わせ前に検知し、Web上での自己解決を支援するサポートプラットフォーム。
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QANT スピーク: 企業のナレッジ・VoCと生成AIを組み合わせ、対話形式で課題を深掘りする自律型AIボイスボット。
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QANT VoC: 生成AIで顧客の声の加工・分析・改善提案までをワンストップで自動化するVoC活用プロダクト。
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QANT ナレッジハブ: 社内に分散するFAQ・マニュアル・応対履歴などのナレッジを統合し、人とAIの双方が活用できる形へ再構築するAI-Readyなナレッジ統合基盤。
「QANT」シリーズは、金融、通信、保険、流通など幅広い業界のエンタープライズ企業に導入されており、用件ベースの振分精度99.3%を記録した検証事例など、確かな成果を上げています。
「QANT」プロダクトサイト: https://qant.jp/
株式会社RightTouchについて
株式会社RightTouchは、「あらゆる人を負の体験から解放し、可能性を引き出す」をミッションに掲げ、AIと人の協働により、運用するほど精度が向上する自己進化型の「AIコンタクトセンター」基盤「QANT(クアント)」を開発・提供しています。金融、インフラ、小売など様々な業界のエンタープライズ企業のカスタマーサポート(CS)変革を支援しています。株式会社プレイドからカーブアウトしたスタートアップです。
企業URL: https://righttouch.co.jp/


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