エクサポリシー、AIガバナンスアプリ「Covenant Personal Edition」Mac版の提供を開始 — 主要デスクトップ環境でAI利用の安全性を強化

テクノロジー

生成AI利用における機密情報管理の課題

生成AIの業務利用が広がる一方で、守秘義務やNDA(秘密保持契約)のもとで活動する個人事業主、フリーランス、士業などの実務者にとって、「どの情報をクラウドAIに送ってよいのか」という線引きは、依然として個人の記憶や注意力に委ねられているのが現状です。国内外では、AIの利用にあたって人間の判断を介在させることや、記録を残して説明できるようにすることの重要性が指摘されていますが、利用者自身が自分のルールで線を引き、その記録を手元に残すための具体的なツールは限られていました。

「Covenant Personal Edition」の製品概要

「Covenant Personal Edition」は、このような課題に対応するために開発されたデスクトップアプリです。このアプリは、クラウドAIに情報を送信する前に、入力内容の機密度をユーザーのPC内にあるローカルAIで評価します。そして、ユーザーがあらかじめ定めたポリシーに従って、送信先(ローカルAIかクラウドAIか)を仕分けることができます。

この設計では、「評価はAIが行い、判定はポリシーに基づいて行われ、最終的な判断は人間が行う」という役割分担が明確にされています。これにより、機密度の高い情報はPCの外へ出さずにローカルAIで処理し、それ以外の情報は最新のクラウドAIへと振り分けることが可能になります。

主な特徴

  • 送信前の評価と仕分け: 入力された情報をローカルAIが評価し、ユーザーのポリシーが送信先(ローカルAIまたはクラウドAI)を判定します。これにより、機密情報を含むやり取りがPCの外部へ漏れることを防ぎます。

  • ポリシーの育成: ユーザー自身が、何を機密情報とするか、何をどこへ送るかといったルール(YAML形式)を設定し、利用しながら育てていくことができます。

  • 手元に残る証跡: 送信の記録は利用者のPC内に保存され、「いつ、何を、どこへ送ったか」を後から自分で確認できます。エクサポリシー合同会社のサーバーにデータが預けられることはありません。

  • 複数のAIを1本のポリシーで: 複数のクラウドAIやローカルAIを横断して、同じルールで扱うことが可能です。

Mac版の提供による利用環境の拡大

今回新たに提供が開始されたMac版は、Appleシリコン搭載Macのメモリ構成を活かすことができます。AppleシリコンのMacはCPUとGPUがメモリを共有するユニファイドメモリ構成であるため、専用のグラフィックスカードを増設することなく、搭載メモリの範囲内でローカルAIを動作させることが可能です。エクサポリシー合同会社が公開している推奨環境では、標準的な16GBのメモリから動作し、24〜32GBでより快適に利用できるとされています(詳細はサポートページで確認できます)。

このMac版の提供により、「機密情報は手元で処理する」という選択肢を、現在手元にあるMacで試せるようになりました。

実際の画面と動作 (デモ動画)

アプリの起動から、通常の入力が処理される様子、個人情報を含む入力が送信前に停止する様子、そして監査レポートで送信記録を確認するまでの流れを約3分半の動画で確認できます。

デモ動画は以下のリンクからご覧いただけます。
https://exapolicy.com/#demo-video

提供形態・価格

  • 配布: Mac App Storeにて提供されています。
    https://apps.apple.com/jp/app/covenant-personal-edition/id6798558944?mt=12

  • 対応環境: macOS 13 (Ventura) 以降、Appleシリコン搭載Mac。ローカルAI基盤(Ollama / LM Studioなど)と対応モデルのインストールが必要です。推奨環境はサポートページで確認できます。

  • 価格: アプリは無料でインストールできますが、機能の利用にはアプリ内の「月額プラン」(月額5,000円・税込)の購入が必要です。

  • Windows版: Microsoft Storeにて提供中です。
    https://apps.microsoft.com/detail/9PNTP73302XL

透明性への取り組みと技術解説

本製品では、使用するAIモデルと判定の仕組みを開示する「AIモデルカード」、配布物の検証情報、サポート方針をサポートページで公開しています。判定結果を保証するのではなく、利用者が自分で確かめられる材料を開示する方針です。

サポートページ: https://exapolicy.com/support/

また、製品の設計思想やローカルAIを業務で使う際の考え方については、技術情報共有サービスZennのPublicationで以下の記事が公開されています。

エクサポリシー合同会社のウェブサイト: https://exapolicy.com/

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