JSFスピードスケート科学事業、世界基準の「Performance Nutrition」体制をドイツ合宿で実践

スポーツ

科学スタッフ帯同による「内製型強化モデル」を初導入

今回の合宿で特筆すべきは、科学事業スタッフが調理提供要員として帯同し、食材の仕入れから調理、提供までを一貫して担う「内製型体制」が初めて構築された点です。従来の栄養設計のみを外部に委託する形ではなく、以下の要素を現場で完結させることで、より選手のコンディションに密着したサポートが実現しました。

  • 現地での食材調達

  • 衛生管理の徹底

  • 調理工程の管理

  • 提供温度・火入れ・色合いの最終設計

精肉店

トレーニング強度や選手のコンディション変化を日々把握し、その日の身体状態に合わせてメニューを即座に調整する「可変型運用」が実施されました。大会期間中の補食対応も含め、監督を中心としたスタッフ間の密な連携のもと、「食」が単なる補助ではなく、競技戦略の一部として機能する体制が実装されたのです。

仕入れから始まる綿密なコンディショニング

Mlemon LLCは、コンディショニングは食材の「仕入れ」から始まると考えています。ドイツ現地での品質を見極めた食材選定に加え、日本から持ち込んだ乾物で化学調味料不使用の出汁を作るなど、細部にわたるこだわりが見られました。血液栄養学的な視点を含む身体理解を基盤とした栄養設計、提供温度や火入れ、色彩まで含めた総合的な設計により、選手が安心して自然に食べられる食事を提供しました。

和食の煮込み料理

煮込み料理

選手の身体は日々変化するものであり、その変化と対話しながらメニューを組み立てることで、固定された処方ではなく、身体との「対話」を軸にした動的なPerformance Nutritionが現場で実践されました。

監督からのコメント

合宿に参加した監督は、「高強度トレーニングと試合環境の中でコンディションを安定させることが重要でした。現場で即時に対応できる食の体制は、選手にとって大きな安心材料でした。特に、日本から持ち込んだ乾物で丁寧に引いた出汁を現地で味わい、“一番を知ってしまった”と感じました。食事がここまで競技力に直結する要素であることを改めて実感しました」と語っています。

Performance Nutritionという思想

Mlemon LLCが実践するPerformance Nutritionは、単なる固定的な栄養管理ではありません。アスリートの身体状態、心理状態、トレーニング負荷、環境変化に応じて、食事を動的に適応させ続ける栄養管理と定義されています。血液栄養学を含むアスリートの身体理解をベースに、コンディションの微細な変化を読み取り、食材選定、調理工程、提供温度、味覚設計までを統合的に構築しています。

世界で戦うアスリートに必要なのは、単なる栄養補給だけでなく、環境変化の中でも「いつものパフォーマンス」を発揮できる状態を維持することです。Mlemon LLCは、「食事とともに世界を戦う」体制の実装に挑戦しています。

今後の展望

Mlemon LLCは、この取り組みを一過性のものとせず、協会の関係者と連携しながら、再現性と持続性を兼ね備えた世界基準の強化体制へと発展させていくことを目指しています。世界のスポーツ現場において「食事とともに世界と戦う」体制の実装を進め、競技団体と共に新たな強化基盤を構築していく方針です。

Mlemon LLCについて

Mlemon LLCは、国内外のトップアスリートおよび競技団体に対し、Performance Nutrition(競技力向上のための栄養戦略)の設計・実装を行う高パフォーマンス環境設計企業です。競技特性や遠征環境、トレーニング負荷、身体状態の変化を踏まえ、栄養設計から調理提供までを一体化した現場作りを行っています。

代表プロフィール:三戸真理子(みとまり)

フードトレーナー、Performance Nutrition Directorとして、国内外で活動するアスリートおよび競技団体に対し、競技力向上とコンディショニングを目的としたフードトレーニング(栄養サポート)を実施しています。オリンピック出場選手、日本代表選手、海外リーグおよびJリーグ所属選手などの個別サポートに加え、チーム帯同や海外遠征での調理提供も行っています。近年は競技現場における「食事とともに世界を戦う」Performance Nutrition体制の構築に取り組んでいます。

三戸真理子氏

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