日本のパスタ市場、2035年には40万トン超へ拡大予測
株式会社マーケットリサーチセンターが発表した調査資料「パスタの日本市場(2026年-2035年)」によると、日本のパスタ市場は2025年時点で32万560トン(320.56 KMT)規模に達しています。この市場は、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)2.3%で拡大し、2035年には40万2,410トン(402.41 KMT)に達すると予測されています。市場全体の成長は比較的緩やかであるものの、健康志向や利便性を追求した付加価値カテゴリーにおいては、市場平均を上回る成長が見込まれています。
パスタ市場の成長を牽引する多様なトレンド
日本のパスタ市場では、従来の小麦中心の商品構成から、健康や機能性を意識した商品への多様化が進んでいます。
健康志向と機能性パスタの台頭
フィットネス志向のミレニアル世代を中心に、高たんぱくパスタへの関心が高まっています。これに対応するため、メーカーや小売企業はレンズ豆やひよこ豆などの代替原料を使った商品開発に注力しています。
また、グルテンフリーパスタは2026年から2035年にかけてCAGR2.8%で成長すると予測されており、市場平均を上回る勢いです。グルテン不耐症の消費者だけでなく、健康目的でグルテンフリーを選ぶ層にも支持されています。米、トウモロコシ、豆類などを原料とし、通常のパスタに近い食感と味を再現する製品開発が進められています。
さらに、コラーゲンや食物繊維を加えた機能性パスタも注目されています。これらは、美容や消化機能を意識する消費者、特に高齢層を含む健康志向層向けに開発されており、「食べながら美容・健康価値を得る」という機能性食品としての方向性を示しています。抹茶を練り込んだパスタも新たなトレンドとして挙げられており、日本の茶文化を活用し、色や風味の独自性に加え、健康・機能性イメージを訴求しています。
日本独自の「和伊融合」が新たな価値を創出
日本市場では、イタリア料理と日本食材を組み合わせる「和伊融合」が強い差別化要因となっています。味噌、海苔、明太子、ゆず、しそなど、日本人になじみ深い素材をパスタに取り入れることで、従来の洋食としてのパスタとは異なる商品価値が生まれています。例えば、2024年5月に福岡で開催された「Mentai BASE」のポップアップでは、明太子と白味噌を組み合わせたカルボナーラが提供され、日本・イタリア料理の融合事例として紹介されました。
利便性向上とプレミアム化の進展
製品タイプ別では、乾燥パスタが引き続き市場の中心を占める一方で、チルドパスタは2026年から2035年にかけてCAGR2.9%と、製品タイプ別で最も高い成長が見込まれています。都市部を中心に、調理の手間をかけずに出来立てに近い品質を求める消費者が増えていることが背景にあります。コンビニエンスストアでは、明太クリーム、抹茶麺、梅しそソースなど、日本独自の食材を使ったチルドパスタが展開されています。
また、忙しい都市生活者や就業者を中心に、電子レンジ調理や即食型商品の需要も増加しており、調理時間を短縮できる商品の開発が進んでいます。
パスタ市場ではプレミアム化も進行しており、デュラム小麦を使ったクラフトパスタや輸入品、手作り製品、高級ソースなどに対して、消費者は高い価格を支払う傾向があります。コンビニエンスストアでも、レストラン監修のパスタ商品が展開されるなど、手軽なご褒美や簡易的な外食代替としての価値が高まっています。
サステナビリティへの取り組み
環境配慮も市場戦略に組み込まれています。FSC認証紙や植物由来バイオマスインクを使った包装の導入、レンズ豆やひよこ豆などの植物由来パスタの増加など、環境配慮と健康志向を同時に訴求する商品が増加しています。
流通チャネルの変化とオンライン販売の急成長
流通チャネル別では、スーパー・ハイパーマーケットが引き続き最大チャネルである一方、オンライン販売は2026年から2035年のCAGRが6.3%と、市場全体の成長率を大きく上回る最も高い成長が予測されています。楽天やAmazon Japanなどでは、店舗では見つけにくい輸入パスタやグルテンフリー、地域限定品などを入手しやすいため、品揃えの広さが成長要因となっています。また、テーマ別・地域別のパスタを詰め合わせたサブスクリプションボックスも人気を集めているとされます。日本の発達した物流網は、乾燥商品だけでなくチルド商品のEC提供も可能にし、オンラインの役割をさらに拡大させています。
競争環境と主要企業の戦略
日本のパスタ市場における競争戦略は、商品イノベーション、フレーバーのローカライズ、健康対応、サステナビリティが中心となっています。企業はグルテンフリーやチルド商品を拡大し、オンライン販売や環境配慮型包装も強化しています。また、レストランとの共同開発や、地域特有の食材を使った限定商品も差別化の手段となっています。特に、味噌、ゆず、しそ、明太子などを用いて欧米型パスタを日本向けに再設計する「ローカライゼーション」は、飽和市場の中で新奇性を生み出し、ブランドを差別化する上で重要であるとされています。
主要企業としては、Corno Macaroni、Nisshin Seifun Group、Japan Foods Holding、Akagi Foodsなどが挙げられます。これらの企業は、伝統的なパスタ製品の提供に加え、健康志向に対応した低炭水化物パスタの開発、グルテンフリーパスタの研究強化、和伊融合商品の展開、即食型チルドパスタへの注力など、多様な戦略で市場の変化に対応しています。
2035年に向けた市場の展望
日本のパスタ市場は、2035年に向けて量的には成熟市場に近いものの、その内部では健康、利便性、プレミアム化、日本食材との融合によって商品構成が大きく変化していくと見られます。特に、オンライン販売、チルドパスタ、グルテンフリーパスタといった高付加価値・利便性カテゴリーが市場全体の成長を牽引するでしょう。
今後の主要テーマは、「高たんぱく・機能性パスタ」、「グルテンフリー」、「チルド・即食」、「和伊融合」、「抹茶・明太子・味噌などのローカルフレーバー」、「プレミアム化」、「環境配慮包装」、「オンライン販売」、「調理ロボット」に集約されると予測されます。日本のパスタ市場は、成熟した主食・簡便食市場から、健康、地域性、外食品質、デジタル販売を組み合わせた多層的な付加価値食品市場へと移行していくと考えられます。
詳細なレポート内容については、株式会社マーケットリサーチセンターのウェブサイトで確認できます。
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株式会社マーケットリサーチセンターウェブサイト: https://www.marketresearch.co.jp
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マーケティング担当メールアドレス: marketing@marketresearch.co.jp


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