M&Aの売り手、6割超が買い手に直接オファー 「逆オファー型M&A」の拡大がTRANBI調査で判明

ビジネス

事業承継問題の深刻化と売り手の意識変化

この背景には、中小企業の事業承継問題の深刻化と、M&Aに対する売り手の意識の変化があります。中小企業庁の2019年の推計では、2025年には70歳を超える中小企業経営者が約245万人に達し、その半数以上が後継者未定とされていました。実際にその時期を迎えた現在、事業承継は喫緊の経営課題となっています。

これまでのプラットフォームを活用したM&Aでは、買い手が案件を探して売り手に打診する「買い手主導型」が主流でした。売り手は案件を登録した後、買い手からの連絡を待つ受動的な立場に置かれがちでしたが、TRANBIの「交渉オファー機能」は、この状況を転換させるものとして注目されています。

売り手が買い手のプロフィールを閲覧し、自ら交渉を打診できるこの機能は、2025年1月には案件登録時に自動でオファーを送信できる機能も搭載され、その利用が急速に拡大しています。

データで見る「逆オファー型M&A」の広がり

オファー利用率の推移

売却案件のうち、買い手候補にオファーを送信した案件の割合は、以下の通り推移しています。

オファー利用率の推移

FY2025には登録案件の6割以上でオファー機能が活用されており、売り手がこの機能を積極的に利用する行動が定着していることがうかがえます。

1案件あたり平均72名にアプローチ

直近90日間(2026年4月16日時点)に登録された売却案件の分析によると、1案件あたり平均72名の買い手候補にアプローチが行われています。これは、売り手が単に案件を登録するだけでなく、買い手候補のプロフィールを自ら確認し、事業との相性を見極めた上で積極的に動いていることを示しており、「待つM&A」から「選ぶM&A」へと、売り手の行動が明確に変化していることが読み取れます。

オファーメッセージに見る売り手の「本音」

売り手が買い手候補に送るオファーメッセージの内容を分析すると、売り手の動機は「高く売りたい」というよりも「信頼できる相手に託したい」という「本音」が浮かび上がります。

オファーメッセージ頻出キーワード

直近1ヶ月間のオファーメッセージで最も多く出現したキーワードは「成長」(月間15,000回超)であり、売り手が事業の将来的な発展を重視していることがわかります。また、「引き継ぎ」「地域」「後継」「大切に」といったキーワードが上位に並ぶことから、金額や条件面だけでなく、事業への愛着や後継者への期待が、オファーの重要な動機となっていることが読み取れます。

実際のオファーメッセージの事例からも、「長年大切に育てたサロンをお客様との関係を引き継いでくれる方に任せたい」「地元の方々との関係を大事にしながら、地域の活動にも積極的に関わっていただける方にお譲りしたい」「社員が安心して働き続けられる環境を維持していただける企業様と一緒に、事業の安定的な継続と社員のさらなる成長を実現したい」といった、売り手が「誰に託すか」を重視する姿勢が共通して見られます。

株式会社トランビ代表取締役のコメントと今後の展望

株式会社トランビの代表取締役である高橋 聡氏は、「従来のプラットフォームを活用したM&Aでは、売り手は案件を登録した後、買い手からの連絡を待つことがほとんどでした。しかし今、TRANBIでは売り手の6割以上が自ら買い手候補を選び、直接オファーを送っています。しかも1案件あたり平均72名に。これは“待つM&A”から“選ぶM&A”への大きな転換です。」とコメントしています。

さらに、「オファーメッセージの分析からも明らかなように、売り手は“高く売りたい”のではなく“信頼できる人に託したい”という想いでアプローチしています。これは買い手にとっても重要な示唆です。売り手が自ら相手を選ぶ時代には、買い手もプロフィールを充実させ、自社のビジョンや事業への想いを発信することが、良い案件との出会いにつながります。」と、買い手側の対応の重要性も指摘しました。

TRANBIは今後も、売り手と買い手が対等な立場で出会い、想いを共有しながら最適なマッチングを実現できるよう、機能強化を進めていく方針です。この「逆オファー型M&A」の広がりは、M&Aが売り手・買い手の双方が主体的に行動し、互いに選び合う時代へと移行しつつあることを示しており、TRANBIはこの流れを後押しすることで、誰もがM&Aに挑戦できる社会の実現を目指していくとしています。

事業承継・M&Aマッチングプラットフォーム「TRANBI」について

TRANBIサービス概要

TRANBIは、2011年にサービスを開始した日本初の事業承継・M&Aマッチングプラットフォームです。法人・個人、業種・事業規模を問わず、全国どこからでも事業を「譲りたい人」と「引き継ぎたい人」が出会えるオンラインの場を提供しています。

売り手には匿名での案件公開や伴走支援サービスを、買い手には多様な条件から希望に合った事業を検索・交渉できる機能を提供しています。また、全国の金融機関、自治体、事業承継・引継ぎ支援センター等と連携し、地域に根ざしたスモールM&Aや後継者不在企業の支援にも注力しています。

2021年には料金体系を月額定額制へと刷新し、中小企業や個人も利用しやすい仕組みを整備しました。2025年には登録ユーザー数が20万者を超え、幅広い層に利用されています。

詳細については、TRANBIの公式ウェブサイトをご覧ください。

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