デル・テクノロジーズが「中堅中小企業IT投資動向調査2026」の結果を発表
デル・テクノロジーズは、日本の中堅中小企業におけるIT投資の現状と将来の動向を明らかにする「中堅中小企業IT投資動向調査2026」の結果を発表しました。この調査は2017年から毎年実施されており、今回で10年目を迎えます。メモリやSSD価格の高騰、Windows 11以降への移行、仮想化基盤から次世代アーキテクチャへの移行、そして生成AIの急速な普及といったIT市場の大きな変化が、中堅中小企業のIT投資判断にどのような影響を与えているかに焦点を当てています。
調査結果のハイライト
事業環境とIT予算の変化
調査によると、業績が好調な企業は41%と前年より4%増加し、IT予算を増額した企業も35.6%とコロナ後最大レベルに回復しました。特に業績好調な企業では、IT投資額が他の企業の約1.5~2倍に達し、IT予算とIT人材の両方に先行投資を行う傾向が見られました。

IT担当者の勤務時間については、PC運用などの従来業務は「変わらない」が中心である一方、生成AI開発や情報戦略策定、IT人材管理といった「攻めのIT」領域で勤務時間が増加していることが示されました。

IT組織とIT予算の構造変化
年間IT投資額は全体的に微減しましたが、サーバ、ストレージ、バックアップなどのインフラ投資は軒並み2桁増加しています。

また、既存環境の運用業務にかかる時間は前年度比で5.1%減少している一方で、AI活用を含めた情報戦略策定やシステム開発・導入の割合が増加しています。IT基盤の保守運用を外部委託している企業は46%に上り、純粋にサーバ・ネットワーク基盤の運用・管理を外部委託する企業は23%を占めます。

インフラ投資の動向:メモリ・SSD高騰、Post-Win11、脱VM/HCI
PC刷新については、約66%の企業が「予定通り」または「前倒し」で継続・加速する意向を示しています。一方で、高額なサーバ刷新については3割以上の企業が「保留」と慎重な姿勢を見せています。

Windows 11への移行は7割弱の企業で完了しているものの、約3割の企業では「一部のみ/これから」という状況であり、旧OSを長期利用している層が残存していることが明らかになりました。PCの更新サイクルは「5年以上」が過半数を占めており、性能不足やセキュリティリスクが長期化する懸念があります。

インフラ基盤としては、「オンプレミス中心」が51.8%、「ハイブリッド」が23.6%と依然として多数派です。Broadcomショックなどの影響を受け、HCIから3Tierへの移行など「脱VM」の動きが加速している様子がうかがえます。

サイバーセキュリティとデータ保護
直近半年間で約6社に1社(16.2%)が何らかのセキュリティ事故を経験しており、フィッシング詐欺、ランサムウェア、不正ログインが主な被害内容として挙げられています。


ランサムウェア被害の復旧期間は1か月以内が中心で、調査・復旧費用は100万円未満が過半数を占めています。メール・Web・VPNを入り口とした侵入が大きなリスクとなっています。

ランサムウェア対策として最も重視されているのは「バックアップ」(61.2%)ですが、データ復旧に自信がある企業は約4割にとどまっており、「備え」と「確実な復旧」の間にギャップが存在します。


特に中小企業では、多層防御や具体的な導入計画が大きく不足しています。

セキュリティ運用の課題は、昨年と比較して「ポリシー未整備」や「パスワードルールなし」といった「ゼロからの整備」型課題は減少傾向にあります。一方で、「どこまで実施できているか分からない」「最新の脅威情報の収集先がない」「パッチ適用・脆弱性対応が追いつかない」といった、運用・可視化・継続改善に関する課題が目立つようになっています。

SASE/ZTNAやIAMといったゼロトラスト関連技術を導入している企業でも被害は必ずしも減っておらず、ツール導入だけでなく、運用プロセスの構築や従業員教育の有無が成否を分けていることが指摘されています。

クラウド・SaaS活用とITアウトソーシングの現在地
IaaSの普及率は約39%で頭打ちの傾向が見られます。一方、オンラインストレージは半数超の企業が本格利用段階に達しています。

IaaSの利用用途としては、グループウェアやファイル管理、バックオフィス業務を中心にクラウド利用が進んでいます。しかし、受発注・生産・在庫などの基幹系システムのクラウド移行は限定的です。利用サービスでは、AWSとMicrosoft Azureが突出しており、事実上2大選択肢となっています。

オンラインストレージは「半数超が本格利用」段階に到達しており、導入済み企業と未導入企業の二極化が垣間見えます。

クラウドバックアップの利用はまだ3割強にとどまり、未利用が4割超となっています。バックアップ自体は広く実施されているものの、クラウドを活用した「オフサイト・バックアップ」や「災害対策」まで踏み込んでいる企業は一定数を超えていない状況です。

グループウェアと同一ベンダーのAI(CopilotやGeminiなど)が第一候補になる傾向がある一方で、複数のAIサービスを併用するユーザーも多数派となっています。

デジタル化・生成AIの投資と実装状況
DX推進体制については、約9割の企業でIT部門が中心を担っており、人材確保の軸は「自社育成+外部連携」のハイブリッド型が主流です。

DXの取り組みはワークフロー電子化など「電子化・見える化」が主戦場であり、約半数の企業がDXの進捗状況を「進んでいない・遅れている」と自己評価しています。

AI/生成AIへの投資は本格化しており、100万円以上投資を予定する企業が68.1%に達し、投資項目のトップとなりました。

AI PCの活用はまだ限定的ですが、2026年は「AI PCの実験フェーズ」から「用途が明確な業種での本格活用」へ移行する過渡期であり、AI投資自体の増加に伴いAI PCのニーズも拡大傾向にあると見られます。

モダンインフラの胎動
ワークロード構成は、全体では「物理中心」が約6割を占めます。しかし、従業員500名以上の企業では、仮想・コンテナなどの「非物理中心」が約6割に達しており、企業規模による違いが顕著です。

データセンター利用企業の約6割が何らかの課題を抱えており、特に従業員規模が大きい企業ほど「運用コスト」と「人材・スキル不足」が顕在化しています。

GPUサーバの導入は全体で1割未満と少数派ですが、導入企業では推論・学習・VDI/可視化など用途が分化しており、AI PCやモジュラーDCと組み合わせたハイブリッド構成を志向する動きが見られました。

調査結果の総括
今回の調査結果からは、中堅中小企業のIT投資において以下の点が明らかになりました。
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AI投資の標準化: AI/生成AIが初めて投資項目のトップとなり、未利用企業は少数派に。全社的にAI活用が前提となる時代へと移行していると言えるでしょう。
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脱VMからモダンインフラへのIT投資回帰: オンプレミスとハイブリッドが中心となり、HCIや3Tier環境の再構築など、ハイパーバイザーの複線化検討が加速しています。
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Win11移行後に始まった価格高騰: メモリ・SSD高騰下でもPC刷新は選別して加速させる一方、旧環境を抱える企業は投資を先送りする傾向が見られます。
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セキュリティ・BCPの高度化: 事故経験企業が多く、バックアップへの依存が増加しています。イミュータブル保管などゼロトラスト整備の格差が拡大している現状があります。
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経営主導ITへのシフト: IT人材、インフラ、セキュリティ、AIが成長のボトルネックとなる中で、経営主導によるITロードマップ策定が求められています。
この調査は、中堅中小企業が直面するITの課題と、それに対する投資動向を明確に示しています。今後のIT戦略を検討する上で、貴重な情報源となるでしょう。
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記載内容は、2026年8月21日時点のものです。予告なく変更される可能性がございます。


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