ソリューション提供の背景
電力、産業設備、公共インフラといった分野では、設備の高度化や複雑化が進む一方で、人手不足が深刻化しています。これにより、省人化や効率化へのニーズが高まっており、災害や設備障害時にも常時データを取得・活用できる環境の重要性が増しています。
特に発電所のバルブ点検では、従来の人手による定期点検が主流であり、分解作業には多くの時間と工数がかかっていました。そのため、バルブを分解することなく状態診断ができる技術が求められています。
また、発電所では外部からの不正アクセスリスクを懸念し、設備の点検やトラブル対応は現地で行うことが基本でした。しかし、近年は人手不足や保安要員の移動負担の増加を背景に、遠隔での監視や設定変更といった遠隔保安のニーズが高まっています。このような遠隔対応を安全に実現するためには、外部からの侵入や設備データの漏洩を防ぐ強固なセキュリティ環境が不可欠とされていました。
これらの課題を解決するため、岡野バルブ製造の「VQ-ORCL」と明電舎の「REMOTIER」を組み合わせたバルブ遠隔診断システムと、NTTドコモビジネスの「docomo business SIGN™」を活用した実証実験が2026年3月に発電所で行われ、成功を収めました。今回のソリューションは、この実証実験の成果を基に実現したものです。
ソリューションの概要
本ソリューションは、岡野バルブ製造のバルブ遠隔診断技術「VQ-ORCL」、明電舎のAIによる回転機遠隔監視・診断サービス「REMOTIER」、NTTドコモビジネスのIoT向けNaaS「docomo business SIGN™」という3つの技術を組み合わせたものです。
具体的には、「VQ-ORCL」技術が搭載された「REMOTIER」がバルブ駆動時の電流・電圧データを取得・診断します。その診断データは、「docomo business SIGN™」を介してクラウド上にセキュアに送信されます。利用者はクラウドに送信された診断データを閲覧することで、バルブに異常がないかを確認できます。さらに、「docomo business SIGN™」のネットワーク内にある脅威検知システムが通信を監視し、悪性通信を検知することで、セキュリティを強化しています。
この仕組みにより、高度なセキュリティが求められる発電所内の複雑な環境においても、安定した通信環境のもとでバルブの遠隔診断を安全かつ円滑に行うことが可能となります。
各社の役割
本ソリューションにおいて、各社は以下の役割を担います。
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岡野バルブ製造: ソリューションの販売、「REMOTIER」への「VQ-ORCL」技術の搭載
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NTTドコモビジネス: 「docomo business SIGN™」の提供
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明電舎: 「REMOTIER」の提供
「docomo business SIGN™」の詳細
「docomo business SIGN™」は、NTTドコモビジネスが提供する、セキュリティ機能を標準搭載したIoT向けのNaaS(Network as a Service)です。AI時代に最適な次世代ICTプラットフォーム「AI-Centric ICTプラットフォーム®」構想に基づいています。
サービスの特長
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特許取得のセキュリティ機能を標準搭載
「docomo business SIGN™」の通信網内で通信を監視し、脅威検知システムに転送することで、悪性通信の脅威を検知します。必要に応じて、管理画面からSIM単位で通信を遮断することが可能です。

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SIMを起点にセキュリティと運用性を向上するアプレットSIMを提供
通信状況や位置情報を遠隔から把握できる「Telemetry」機能、IoTデバイスの端末認証を大幅に効率化できる「IoT SAFE」に対応したアプレットSIMの利用が可能です。


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映像・AI時代のIoTに耐えうる通信基盤をラインアップ
インターネットを通らない閉域通信と、MEC(Multi-access Edge Computing)を組み合わせることで、映像・AI活用やロボティクス制御など、機密データや個人情報を扱う用途でも安心して利用できる通信基盤を構築できます。閉域通信や大容量でも低廉なコストで利用可能なプランも提供されています。

提供開始日と今後の展開
本ソリューションは2026年7月8日より提供が開始されています。
今後、このソリューションは国内外の発電所をはじめ、製造設備など、高度なセキュリティと効率的な設備管理が求められる幅広い産業分野に展開される予定です。これにより、大規模プラントのスマート保安やDXの加速に貢献することが期待されます。
岡野バルブ製造は、国内の火力・水力発電所を中心にサービス提供を開始し、ソリューションのさらなる高度化を進めます。将来的には、国内の原子力発電所や産業プラント、海外市場へも提供範囲を拡大していく計画です。
NTTドコモビジネスは、「AI-Centric ICTプラットフォーム®」構想に基づき、今後のサービス拡張や高度化を見据えた基盤整備を進めています。また、本ソリューションで確立した「重要インフラにおけるセキュアなIoT通信網の構築ノウハウ」などを活かし、同様の現場課題を抱える幅広い産業分野の顧客へ「docomo business SIGN™」をはじめとする総合的な提案を展開していくとのことです。
関連リンク
- docomo business SIGN™: https://www.ntt.com/business/lp/iot/sign.html


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