考えて動く体育の実践
この授業では、「ウォームアップ」「めあて確認」「ゲームと振り返り」という一連の流れが重視されました。

まず、ウォームアップゲームを通じてHADOの基本的な動きを理解し、その後に本時の目標が共有されました。子どもたちは、ただ体を動かすのではなく、作戦や動きを考えることを意識してゲームに臨みました。
ゲームは複数回行われ、それぞれのゲームの後には必ず短時間の振り返りが実施されました。この振り返りを通じて、子どもたちは「どんな動きが良かったのか」「どんな作戦が効果的だったのか」といった「気づき」を言語化し、チームやクラス全体で共有しました。
わずか45分の授業でしたが、子どもたちの動きは大きく変化しました。授業開始当初はHADOの動きに慣れない様子も見られましたが、ゲームを重ねるごとに、コート全体を使って動く、味方との連携を意識する、攻撃と回避のタイミングを考えるなど、ゲームへの理解が深まり、より戦略的なプレーを見せるようになりました。
先生の問いかけが子どもの気づきを促す
授業の中で特に印象的だったのは、先生による声かけです。先生はゲーム中の子どもたちの動きを細かく観察し、良い動きをしている児童を取り上げて問いかけを行いました。その回答に対して補足を加えながら全体に共有することで、子どもたちの「気づき」を引き出し、それがクラス全体の学びへと広がっていきました。

子どもたち自身が発見し、それを共有し、協力し合うという自然なプロセスが生まれ、まさに「考えて動く学びの時間」が実現されていました。
全員が主役になれるARスポーツ「HADO」
HADOの大きな特徴は、全員がプレーの中心になれる点にあります。多くの球技ではボールが一つであるため、プレーに関われる人数が限られる場面がありますが、HADOでは全員がエナジーボールを出したり、シールドで避けたり、作戦に参加したりすることができます。

ゲームのような戦略的な要素も含まれており、体育の授業の中で思考と試行錯誤が生まれるスポーツと言えるでしょう。このような体験は、子どもたちの自己有用感や自己肯定感の向上にもつながる可能性を秘めています。
国際的な教育交流のきっかけに
2026年3月5日には、アメリカ・ニューヨーク市の教育関係者による学校訪問・授業視察も実施されました。視察団は、授業中のプレーの様子だけでなく、児童のチームワーク、作戦の立て方、先生の指導方法、アシスタントによるサポート体制など、授業全体の学習環境に強い関心を示しました。

視察後には、児童がゲームルールをよく理解していること、指導に基づいて戦略や技術を活用していること、チームで協力しながらプレーしていることが印象的であったとの感想が共有されました。今回の授業は、ニューヨーク市内の学校で進められているHADOプログラムの運用を検討する上でも参考になる内容であったとコメントがあり、今後は映像共有やオンライン交流などを通じた学校間での学び合いが行われる可能性についても話し合われています。HADOを活用した授業が、日本の小学校体育における実践を海外に紹介し、国際的な教育交流のきっかけとなることが期待されます。
ARスポーツ「HADO」とは
「HADO」は、頭にヘッドセット、腕にセンサーを装着し、エナジーボールやシールドを駆使して戦うテクノスポーツです。既存のフィジカルスポーツとデジタル技術を融合させた新しいスポーツの形であり、シンプルなルールでありながら戦略性が高く、チームで作戦を立てる中で思考力・協働力・判断力が自然に育まれます。運動能力に関わらず誰もが同じフィールドで挑戦できる次世代のスポーツとして、現在世界39カ国で展開されています。
HADOについて、より詳しい情報は公式サイトをご覧ください。
HADO公式サイト
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