日本初の「Japan DMC Network」が本格始動 – 1兆円規模の富裕層インバウンド市場を地方へ

旅行

Japan DMC Network(JDN)が本格始動

Japan DMC Network

2026年7月1日、欧米豪・中東などのロングホール市場や富裕層・高付加価値旅行者を専門とするDMC(Destination Management Company)を中核とした日本初のコンソーシアム「Japan DMC Network(JDN)」が事業を開始しました。

JDNは、海外市場に精通したDMCと日本各地が連携し、質の高い観光コンテンツの共創と販路開拓を通じて、地方への誘客促進と持続可能な観光地域づくりを目指します。

用語解説

  • ロングホール:出発地からの飛行距離・時間が長い遠方(長距離圏)市場を指します。欧米豪、中南米、中東などが該当し、滞在期間が長く、消費額が大きい傾向が特徴です。

  • DMC(Destination Management Company):地域の観光資源を深く理解し、宿泊・交通・体験などの手配にとどまらず、観光コンテンツの企画・造成や現地運営、地域へのアドバイザリーまで担う旅行事業者を指します。

富裕層市場の現状と課題:1兆円規模の消費が地方に届かない理由

観光庁の定義によると、訪日旅行1回あたりの総消費額が100万円以上の旅行者は「高付加価値旅行者」とされ、2023年時点で訪日旅行者全体の約2%(約59万人)を占めながら、消費額の約19%(約1兆円)を創出しています。

しかし、この消費の大半は大都市圏に集中し、地方への波及が十分に進んでいない点が課題として挙げられています。

その背景には「サプライチェーンの分断」という構造的な課題が存在します。地域の自治体・DMO・観光事業者などの受入側と、海外顧客・取引先向けに訪日旅行を企画・手配する国内DMCとの連携不足、旅行者の実態やニーズに対する理解不足、そして提供される観光コンテンツやサービスのミスマッチが、ロングホール市場や富裕層・高付加価値旅行者の地方誘客・受入を阻害しています。

サプライチェーンの分断

出典:

JDNの役割:観光資源の発掘から販路開拓までを一気通貫で支援

Japan DMC Network(JDN)は、日本各地とDMCをつなぎ、これらの課題解決と持続可能な観光地域づくりを実現します。各市場に精通し、旅行者の特性やニーズを把握しているDMCが集うネットワークだからこそ、以下のサービスを一貫して提供することが可能です。

JDNが担う役割

主なサービス内容

  • 海外市場情報提供:海外各市場の最新動向を、会員専用メルマガやマーケットニュースセミナー等で共有します。

  • 商談会・交流会:年1回の会員向け商談会・交流会に加え、JDNへの企画運営依頼も可能です。(次回実施予定時期:2026年12月〜2027年1月)

  • ファムトリップ(視察旅行)の実施:地域の受入環境チェックや事業者との交流を目的としたファムトリップ(視察旅行)の実施を支援します。

  • 受入環境整備・人材育成:各市場の旅行者ニーズを踏まえた受入環境の整備や、地域のインバウンド対応人材の育成を、セミナー・研修を通じて支援します。

  • 海外プロモーション支援:海外各市場に合わせて、旅行博、現地商談会出展やセールスコールなどのプロモーションを支援します。

  • 会員間のマッチング:会員情報を基に、会員間の連携・協業を促進します。

  • 講師・アドバイザー派遣:ご依頼内容に適した講師・アドバイザーを派遣します。

会員区分と年会費

JDNでは、DMC(正会員、準会員)と日本国内の事業者・行政・団体・個人(賛助会員A, B, C)の会員登録を受け付けています。入会金は不要で、年会費のみでご参加いただけます。

会員区分・年会費

今後の展望とJDNについて

JDNは事業開始後、会員向けの海外市場セミナーや商談会、ファムトリップを順次展開し、地域の観光資源を各市場に適したコンテンツへと磨き上げていく予定です。日本政府が掲げる「2030年 訪日外国人旅行消費額15兆円」の実現に向け、ロングホール市場、富裕層・高付加価値旅行者の地方誘客を担う実務ネットワークとして、参画DMC・自治体・事業者の拡大を進めていきます。

JDN集合写真

Japan DMC Network(JDN)概要

  • MISSION:地域と世界をつなぎ、新たな送客機会を創出する。観光需要を分散し、持続可能な観光を促進する。

  • VISION:訪日旅行の流れを地域へ広げ、日本各地が持続的に選ばれる未来をつくる。

  • 名称:Japan DMC Network(略称:JDN)

  • 組織形態/運営主体:任意団体(運営事務局:KEN株式会社内)

  • 会長:野口 貴裕(BOJ株式会社 代表取締役 兼 LUXE OKINAWA CEO)

  • 設立:2026年4月1日

  • 事業開始:2026年7月1日

  • 発足時の参画企業:役員企業5社(BOJ株式会社、KEIDO JAPAN合同会社、株式会社フーディニ、KEN株式会社、株式会社ジェイ・リンクス)

  • 所在地:〒111-0034 東京都台東区雷門2-3-12 メッツ宮嶋7階(KEN株式会社内)

  • 公式ウェブサイトhttps://japandmcnetwork.com/

役員紹介

会長:野口 貴裕

BOJ株式会社 代表取締役 兼 LUXE OKINAWA CEO

対応市場:欧州・北米・豪州

カナダの高校・大学を卒業し、アメリカ赴任も合わせて計12年北米に在住。2014年にBOJ株式会社を設立。「まだまだ知られぬ本当の日本の美しさ」の伝道をミッションに欧米豪×富裕層旅行者に対してテーラーメイドで旅行提案を行っています。環境省やスポーツ庁、せとうち観光推進機構等の事業をはじめ各地で観光コンテンツ開発や販売支援、アドバイザリー業務を行い、ワークショップや国内外での講演活動の実績も豊富です。

LUXE OKINAWA CEOとして、沖縄を専門とする富裕層に特化したDMCも運営しています。

専門家としての活動:

著書:『なぜあの地域にはラグジュアリー旅行者が訪れるのか 事例で紐解く高付加価値旅行者誘客のためのマーケティング戦略』(ダイヤモンド社)

野口貴裕氏

野口貴裕氏の著書

副会長:ルポリ ダリオ

KEIDO JAPAN 合同会社 社長兼コンサルティング事業部部長

対応市場:イタリアを中心とする欧州圏全般

訪日旅行に特化した企画・手配・運営を行うツーリズム専門のDMCです。イタリアを中核としつつ欧州全体からの訪日旅行に対応しており、イタリアの大手旅行会社「Mistral Tour Internazionale」の日本における公式DMCパートナーを務めています。

ルポリ ダリオ氏

理事:河合 章雄

株式会社フーディニ 代表取締役

対応市場:ドイツ・その他欧州・北米

ドイツ・マインツ、アメリカ・フィラデルフィアへの留学、ニューヨーク・北京駐在など10年以上の海外経験を経て、英語、ドイツ語、中国語の全国通訳案内士資格を取得。NTTデータ(株)、外資系コンサルティング会社、老舗仏教専門書出版社の代表を経て、2017年にインバウンド旅行会社を創業。経営・財務コンサルティングの知見を生かし、観光振興コンサルティングやインバウンド事業支援に従事するとともに、富士の国やまなし通訳案内士会を運営しています。

河合 章雄氏

理事:木下 優

KEN株式会社 代表取締役

対応市場:フランス・フランス語圏・欧州各国

フランス及びフランス語圏からの団体及び富裕層の手配を中心に年間100組以上を取り扱っています。地方への誘客も積極的に行なっており、自治体や観光協会、DMOと協業した地方誘客プロジェクトなどにも取り組んでいます。

木下 優氏

理事:金馬 あゆみ

株式会社ジェイ・リンクス 代表取締役

対応市場:中東(湾岸諸国)

アルゼンチンでの日本語教師や貿易商社での海外営業を経て、「日本を通じて、日本と世界の人が幸せになる未来をつくる」をミッションとし、2008年に株式会社ジェイ・リンクスを設立。湾岸諸国を中心とした中東地域を主な対象とし、修学旅行からロイヤルファミリーまで様々なジャンルの旅行を取り扱っています。観光コンテンツタリフの作成・管理・活用を支援する「デジタリフ」の運営や、日本のブランドや産品の輸出・海外展開事業にも従事しています。

コメント