【アジア訪日生活者調査】次の日本旅行に求めるものは?東アジア4市場の異なる旅行欲求が明らかに

旅行

調査結果サマリー

本調査から得られた主な結果は以下の通りです。

  • 旅マエ・旅ナカの情報源: 中国ではローカル口コミ・コミュニティサービスが、韓国ではローカル検索ポータルが主要な情報源となっています。旅中も旅マエに使い慣れた情報環境を継続的に参照する傾向が見られます。

  • 旅ナカの不満: 「ごみ箱が少なく、ごみの処分に困った」が全体で最も高い不満として挙げられました。また、中部・関東では宿泊費の高騰、関東・関西では観光地の混雑への不満が目立ちます。一方で、沖縄や中四国では「不満はない」と回答する割合が相対的に高く、訪問エリアによって感じられる不満の内容や程度に違いがあることが分かりました。

  • 今後の日本旅行への意識: 全体では「簡便欲」「安全欲」「容認欲」といった、安心して楽しめる「ハズさない旅行」を志向する傾向が強いです。しかし、市場別に見ると、台湾では「娯楽欲」「発見欲」が高く、中国では「達成欲」「競争欲」が目立つなど、多様な旅行欲求が存在することが確認されました。

  • 今後の訪日で重視する目的: 「日本食」や「買い物」といった定番のニーズは依然として強いものの、韓国では「祭り・イベントへの参加」、中国では「ポップカルチャー・エンタメの満喫」への関心が高く、単なる観光地巡りだけでなく、現地ならではの体験やコンテンツへの期待が見られます。

旅マエ・旅ナカの情報源:使い慣れたローカルプラットフォームから離れない旅行者たち

訪日旅行者は、旅行前も旅行中も、使い慣れたローカルプラットフォームを情報源として活用していることが明らかになりました。

中国では、旅マエ(75%)も旅ナカ(69%)もローカル口コミ・コミュニティサービスが一貫して高く、口コミ情報を参照しながら行動する実態が確認できました。韓国では、ローカル検索ポータル(旅マエ55%、旅ナカ44%)が主要な情報源であり、旅マエと旅ナカで情報源の構成が大きく変わらないことから、事前に収集した情報をもとに行動する計画型の傾向があると推測されます。

一方、台湾では、旅マエの家族や友人のリアルな口コミや動画コンテンツから、旅ナカでは地図アプリ(37%)や検索サービス(26%)へと利用がシフトしており、現地で情報を確認しながら柔軟に行動を調整する「臨機応変型」の旅行スタイルが見られました。このように、旅ナカで利用される情報接点は東アジア4市場ごとに異なり、それぞれの情報行動に応じたコミュニケーション設計が求められます。

旅マエの情報源

旅ナカの情報源

今回の旅行で、期待より満足できなかったこと:訪問エリアで異なる旅ナカのストレス

旅行中に期待を下回った点として、全体では「ごみ箱が少なく、ごみの処分に困った」が22%と最も高く挙げられました。地域別に見ると、「宿泊費が高かった」は中部・関東(各16%)で、「観光地の混雑」は関西(17%)・関東(15%)で特に高い不満が見られます。

一方で、「不満に感じたことはなかった」と回答した割合は、沖縄(25%)、中四国(20%)、九州(19%)、東北(18%)で相対的に高くなっています。特に東北では「ごみ箱が少ない」(29%)という不満が最も高かったにもかかわらず、「不満はなかった」という回答も高水準であり、個別の不便さが旅行全体の満足度を必ずしも決定するわけではないことが示唆されます。

旅ナカ不満

今後の旅行意識:ハズさない旅行を求めつつ、その先の欲求は異なる

本調査では、博報堂行動デザイン研究所が定義する次世代型行動デザインモデル「PIXループ™」を活用し、今後の訪日旅行で満たしたい欲求についても調査が行われました。全体では「簡便欲(72%)」「容認欲(71%)」「安全欲(67%)」が上位を占め、効率性や安心感、周囲から支持される「失敗しない選択」を重視する傾向が強いことが見受けられます。

しかし、市場別に見ると、台湾では「愉楽欲(82%)」「発見欲(75%)」が高く、次回の訪日をより楽しみたい、未知と出会いたい機会として捉える傾向が際立っています。中国では「達成欲(70%)」や「競争欲(50%)」が相対的に高く、価値ある経験や自分なりの目標達成を重視する姿勢がうかがえます。

PIXループ™では、人間の欲求を以下の4つの群に分けて定義しています。

  • 安心系欲求: 簡便欲、安全欲、損失回避欲

  • 同調系欲求: 一体欲、追従欲、容認欲

  • 優越系欲求: 独占欲、競争欲、顕示欲

  • 充実系欲求: 発見欲、達成欲、愉楽欲

今後の旅行意識

PIX ループ™の概念図

PIXループ™の詳細については、博報堂行動デザイン研究所をご参照ください。

今後の旅行で重視する体験:定番ニーズの先に、市場ごとの「日本でやりたいこと」

今後の日本旅行で重視する目的として、全体では「日本食やご当地グルメを堪能(40%)」、「買い物/ショッピングを楽しむこと(34%)」が最も高く、日本ならではの食やショッピングが引き続き重要な魅力であることが示されました。

この定番ニーズの先に、市場ごとの特徴的な期待も見られます。韓国では「日本の祭りやイベントに参加(23%)」が全体を上回り、単なる観光地巡りだけでなく、現地ならではの体験に参加したいという意向が示されています。中国では「日本のポップカルチャーやエンタメを満喫(26%)」や「アウトドアスポーツ・体験を楽しむ(22%)」が比較的高く、日本ならではのコンテンツや体験に対する深い期待がうかがえます。

今後の訪日で重視する目的

まとめ

MTCとTCJ社は、今後も海外マーケティング研究の知見や生活者データ、そして訪日アジア生活者との接点・データを活用し、変化するインバウンド市場の実態把握と、その知見を活かしたマーケティングソリューションの開発を推進していくとのことです。

調査概要

  • 調査期間: 2025年11月~2026年2月末

  • 調査手法: HDY独自リアルタイムリサーチ手法。訪日旅行者接点と位置情報を活用し、日本滞在中の旅行者へリアルタイムに接触する独自の1by1リサーチを実施。

  • 来訪エリア: 北海道、東北、中部、関西、関東、九州(沖縄を除く)、沖縄

  • 調査対象者: 期間中、韓国・中国・台湾・香港の4市場から訪れた訪日アジア生活者

  • サンプル数: 合計4,604サンプル(韓国:1,743、中国:1,137、台湾:1,506、香港:218)

  • 調査機関: 博報堂DYホールディングス/トリリオン・コネクト・ジャパン株式会社

参考リリース:

コメント