2025年の宿泊予約先、関東が24.7%でエリア別首位に
2025年の年間を通じて、宿泊を伴う旅行予約者の宿泊先エリアを調査したところ、「関東地方」が24.7%と最も高い割合を占めました。これは、東京都や神奈川県といった人気の観光地や都市部が集中していることが主な要因と考えられます。
次いで、「中部地方」(20.5%)、「九州地方(沖縄県含む)」(18.8%)が上位にランクインしています。これらの上位エリアには、グルメやレジャーなど、豊富な観光資源があるという共通点が見られます。

宿泊旅行は「地元エリア内」が主流、東北は特に顕著な地元志向
2025年の宿泊旅行予約者を対象に、居住エリア別の宿泊先エリアを分析した結果、多くの人々が自分の居住エリア内を旅行先として選ぶ傾向が高いことが明らかになりました。例えば、北海道居住者の44.2%が北海道内を、中部地方居住者の42.2%が中部地方内を旅行先に選んでいます。これは、移動の手軽さや、短期間でも旅行を楽しめる点が評価されていると推測されます。

その一方で、中国・四国エリアの居住者は、九州地方や関東地方などの「他エリア」へ旅行する割合が高いことが示されました。これは、飛行機や鉄道といった交通手段を利用して、都市部を訪れる傾向があることを示唆しています。
特に注目すべきは東北エリアで、エリア内旅行の割合が最も高かったことです。この結果から、東北地方の居住者は比較的近隣での旅行を好み、地元への愛着が深いことがうかがえます。
本州中心部は旅行先が全国に分散、その他エリアは“近場志向”の傾向
2025年のデータから、各エリア居住者が特徴的に旅行予約するエリアをさらに詳しく分析しました。
本州の中心部に位置する関東・中部・近畿の各地方の居住者は、旅行先が全国に分散する傾向が見られました。これは、これらの地域が交通の便に優れ、日本各地へのアクセスが容易であるためと考えられます。一方、その他のエリアでは、居住地に近い周辺エリアへの旅行が中心となる傾向が確認されました。

また、地理的に近接しているにもかかわらず、相互の予約割合が低い組み合わせも存在します。具体的には、北海道居住者による東北地方の予約特徴値(-0.028)と東北地方居住者による北海道の予約特徴値(-0.060)、九州地方居住者による四国地方の予約特徴値(-0.047)と四国地方居住者による九州地方の予約特徴値(-0.003)が低い結果でした。このことから、近距離エリア間の往来よりも、「居住エリア内」または「やや遠方」への旅行が選ばれやすい可能性が示唆されます。

予約タイミングに2つの山:「直前」と「約1カ月前」の旅行予約が多い傾向
予約日から旅行当日までの日数差別にユーザー数の分布を確認したところ、「直前~1週間前」と「約1カ月前」の2つの時期にピークが見られました。

この結果は、旅行者が主に2つのタイミングで予約する傾向があることを示しています。具体的には、「事前に準備して臨む計画的な旅行」と「気軽に企画する直前の旅行」という、異なるタイプの旅行ニーズが存在する可能性が考えられます。
旅行予約は「前月〜当月」が中心。2月出発は“前々月予約”が目立つ
旅行の出発月別に予約した月を分析したところ、予約はおおむね旅行の前月〜当月に集中していることが分かりました。

一方で、2月出発の旅行では、「前々月」に予約した人の割合が相対的に高い傾向が見られました。2月には「建国記念の日」と「天皇誕生日」という2つの祝日があるため、早めに旅行計画を立てた可能性が考えられます。また、12月から1月にかけて各旅行サイトで展開される「年末セール」や「初売りセール」といった早期割引キャンペーンが、通常よりも早期の予約を促進した可能性も指摘されています。
まとめ
2026年の大型連休を控え、旅行・観光市場では中長期的な旅行需要のさらなる高まりが予想されます。今回の調査では、2025年の旅行予約データをもとに、これまで不透明だった旅行先のトレンドや予約タイミングの実態が明らかになりました。
旅行先のトレンドでは、人気の宿泊先として観光資源や都市部が集中する関東地方が最多となりました。全体的には、移動の気軽さから「自身が居住するエリア内」への旅行が主流であり、特に東北地方の居住者でその地元志向が顕著に表れています。一方で、本州の中心部である関東・中部・近畿エリアの居住者は旅行先が全国に分散し、中国・四国エリアの居住者も他エリアへ積極的に足を運んでいることが分かりました。また、北海道と東北、あるいは九州と四国のように、地理的に近接していても相互の往来が少ない組み合わせがあることは、各地域の誘客施策を考える上で重要な示唆を与えています。
予約タイミングに関しては、「直前から1週間前」と「約1カ月前」という明確な2つのピークが確認されました。これは、直前に思い立って気軽に出発するニーズと、事前に計画を練って臨むニーズが混在していることを示しています。
これらの結果から、今後の旅行・観光市場においては、全国一律のアプローチではなく、ターゲットとする居住エリアごとの移動特性や、予約時期の波を正確に捉えたきめ細やかな戦略が不可欠であると言えるでしょう。近隣エリアからの手軽な旅行ニーズを取り込む直前のアプローチや、本州中心部からの遠方客を狙った早期のプロモーションなど、ターゲットのライフスタイルと予約傾向に合致した形で旅行を訴求していくことが重要です。より詳細な情報は、前述の調査レポートにてご確認いただけます。


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