背景:AR光学デバイス市場のニーズと課題
近年、ARグラスをはじめとする次世代光学デバイス市場では、デバイスの軽量化と高画質化が強く求められています。これらの要求に応えるためには、光を精密に制御するサブミクロンオーダーの回折格子やメタ光学素子を効率的に量産する技術が不可欠です。
この量産技術を実現するには、高い光学性能を維持しつつコストを抑えて製造できる高精度なナノインプリント装置と、それに適合する高屈折率材料の確保が重要な課題となっていました。
評価の概要と結果
今回の共同評価では、NTT-ATが開発した高屈折率樹脂「NH700シリーズ」のうち、「NH762」が用いられました。EVGの「SmartNIL」プロセスおよび「EVG® NIL UV/AS5」装置との適合性が検証され、AR向け光導波路に必要な高いパターン忠実性と量産適性が確認されています。
具体的には、350nmライン&スペース構造の高精度な転写に加え、45°傾斜型回折格子や最小65nmのメタ光学素子についても、欠陥や変形のない良好な転写性が確認されました。さらに、「EVG NIL UV/AS5」を用いた25回連続転写試験では、転写回数が増えても転写パターンの高さ変化が約2.2%に抑えられ、量産適用に不可欠な寸法安定性と離型性が実証されました。

また、高温高湿試験および光照射試験後も転写パターンの構造変化は極めて小さく、AR光学デバイスに求められる高い耐環境性も確認されています。これらの結果から、「NH762」は高屈折率、高透明性、そして耐環境性を兼ね備えたAR向け光導波路材料として、高い実用性を持つことが示されました。

高屈折率樹脂「NH700シリーズ」の仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 硬化膜の屈折率 | 1.8, 1.9 |
| 硬化膜の膜厚 | 200nm~1μm (Typ. 300nm) |
お客さまのメリット
AR光学デバイスの開発においては、材料評価、信頼性試験、量産適合性の検証に長い期間を要することが少なくありません。今回の成果により、ナノインプリント用の材料と量産プロセスがあらかじめ検証された状態で提供されることになります。
これにより、AR光学デバイスメーカーは、材料選定や初期プロセス開発にかかる期間を大幅に短縮し、量産プロセスへの移行をより円滑に進めることができると期待されます。
ホワイトペーパーの提供
今回の評価結果をまとめたホワイトペーパーが公開されています。詳細な情報に関心のある方は、以下のWebサイトでご確認ください。
https://keytech.ntt-at.com/adhesive/high-n.html
今後の展開
NTT-ATとEVGは、今回評価された高屈折率樹脂「NH762」に加え、「NH700シリーズ」の他の材料についても、同ナノインプリント装置を用いた転写性の評価を進める予定です。AR光学デバイスだけでなく、次世代メタ光学素子、LiDAR、センシングデバイスなどへの応用も視野に入れ、開発および評価を進めていく方針です。
展示会概要
本成果は、「第27回中国国際オプトエレクトロニクス博覧会」(CIOE 2026)にて展示されます。
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展示会名: 第27回中国国際オプトエレクトロニクス博覧会(CIOE 2026)
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開催期間: 2026年9月9日(水)~11日(金)
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開催場所: 深圳国際コンベンションセンター
NTTアドバンステクノロジ株式会社について
NTT-ATは1976年の創立以来、NTTグループの技術的中核企業として、NTT研究所の技術をはじめとする世界の先端技術を取り入れ、それらを融合することで顧客の課題解決と価値提供を続けています。「アプリケーション」、「マテリアル&ナノテクノロジ」、「ソーシャルプラットフォーム」、「トータルソリューション」の4つの事業領域を柱にビジネスを展開しています。詳しい情報はhttps://www.ntt-at.co.jp/をご参照ください。
EV Group (EVG)について
EV Group(EVG)は、最先端かつ将来の半導体設計と半導体集積化スキームに役立つ革新的なプロセスソリューションと専門知識を提供しています。「革新技術の探求、そして、マイクロ・ナノ加工技術の次世代アプリケーションを提供する先駆者であり続ける」というビジョンのもと、独自の技術を駆使して、顧客の新規製品開発と商品化をサポートしています。ウェーハ接合、リソグラフィ、薄ウェーハ処理、計測機器などのEVGの量産対応製品は、半導体製造前工程におけるスケーリング、3D集積、先端パッケージング、その他のエレクトロニクスやフォトニクス・アプリケーションの進歩を可能にします。EVGに関する詳しい情報はhttps://www.evgroup.com/ja/をご参照ください。


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