開発の背景
近年、生成AIの普及により、AIチャットエージェントへの期待が高まっています。しかし、コンタクトセンターの現場では、「AIを導入しても活用されない」「解決率が上がらない」といった課題や、「機能が多くて選びにくい」「料金体系が複雑で予算計画が立てづらい」といった声が聞かれることがありました。問い合わせ内容が定型的なものから複雑な相談まで多岐にわたるため、単一のAI方式だけでは最適な対応が難しいのが実情です。
また、AIチャットエージェントは導入後の設計、運用、改善が成功の鍵を握りますが、人材不足が深刻なコンタクトセンター業界では、専任の人材やノウハウが不足し、活用が定着しないケースも少なくありませんでした。
このような現場の課題に対応するため、モビルスは必要な機能を統合し、導入から運用までを支援する新パッケージ「MOBI BOT GenAI」を開発しました。
「MOBI BOT GenAI」の主な特徴
「MOBI BOT GenAI」は、コンタクトセンターの顧客対応に必要な全ての機能を備えたAIチャットエージェント基盤です。
1. 複数のAIチャット機能を統合
定型的な案内から複雑な問い合わせまで、業務特性に応じて5種類のAIチャット機能を組み合わせて利用できます。段階的な導入も可能で、企業のニーズに合わせて柔軟に拡張できます。

2. 専任チームによる導入・運用支援を標準提供
導入前のアセスメントから要件定義、初期構築、そして稼働後の運用改善まで、専任チームが一貫してサポートします。データ分析やAIチューニングを通じて継続的な改善を支援し、コンタクトセンターが自力で運用できる状態を目指します。
3. 有人チャット・セキュリティまで1社で完結
AIだけでは解決できない問い合わせは、有人チャット「MOBI AGENT(モビエージェント®)」へスムーズに引き継がれます。さらに、PCI DSS準拠※1のセキュリティ機能群「Security Suite®(セキュリティスイート)」と連携することで、金融機関や公共機関など機密情報を扱う業種でも安心して利用できます。AI対応、有人対応、セキュリティまでをモビルスがワンストップで提供できる点が大きな強みです。また、LINE公式アカウントでのチャットボット運用により、利用者の利便性向上とエンゲージメント強化を図ります。
※1 「PCI DSS」認証:加盟店やサービスプロバイダにおいて、クレジットカード会員データの安全な取扱いを目的として策定された、クレジットカード業界のセキュリティ基準のこと。PCI DSS遵守では、他の個人情報保護制度と比べ、具体的なセキュリティポリシーの策定が求められる。クラッカー等による不正アクセスからサイトを保護し、サイトの改ざんや悪用、情報盗用などのリスクを低減する。
各AIチャット機能の詳細
「MOBI BOT GenAI」に統合された5つのAIチャット機能は、それぞれ異なる得意分野を持ち、業務内容に応じて使い分けが可能です。

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シナリオ: 確実性を最優先する定型対応の自動化に特化しています。直感的なGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)※2でシナリオを作成・編集でき、住所変更や各種申請といった定型手続きを確実に自動化します。基幹システムとのAPI※3連携により、本人認証を伴う手続きや情報照会も24時間365日対応可能です。
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Vector Search(ベクターサーチ): 問い合わせの「意味」を理解し、検索精度を向上させます。「解約」と「やめたい」のように、言い方や表記が異なっても質問の意味から最適なFAQを探し出します。既存のFAQから回答を提示するため、生成AI特有の誤回答(ハルシネーション)のリスクを避け、安定した精度で自己解決を支援します。
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RAG(ラグ): ナレッジをもとに生成AIが回答を自動生成する機能です。マニュアルや約款など複数の資料を横断的に参照し、質問に適した回答を生成AIがまとめて提示します。従来のチャットボットでは難しかった複雑な質問に対しても、根拠となる箇所(出典)を示しながら回答するため、専門的な問い合わせにおける利用者の自己解決率向上に貢献します。
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生成AIアクション: 回答提示だけでなく、手続きそのものを最後まで自動化します。氏名や連絡先の聞き取り、修理・出張予約の受付、状況に合わせた案内などを対話の中で完了させることができます。これにより、これまで人が対応していた申し込みや予約といった業務をチャットだけで完結させることが可能です。
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WebSearch(ウェブサーチ): WebサイトのURLを指定するだけで、AIがそのページを自動で巡回・学習し、Web上の情報に基づいて回答を生成します。更新が頻繁な店舗一覧や製品FAQなども、Webサイトを更新するだけで回答に反映されるため、コンテンツの二重管理を防ぎ、管理者の負担を軽減しながら常に最新情報で利用者の自己解決を促進します。
「MOBI BOT GenAI」のサービス詳細については、以下のサイトで確認できます。
※2 GUI:アイコンやボタンなどの視覚的な要素を使って、コンピュータを直感的に操作できる仕組みのこと。
※3 API連携:異なるソフトウェアやシステム同士をインターネット経由で接続し、データや機能を共有・自動化する仕組みのこと。
今後の展望
モビルスは、有人チャット「MOBI AGENT」やオペレーション支援AI「MooA®(ムーア)」など、コンタクトセンターの生産性向上と顧客体験(CX)向上を支えるソリューションを展開してきました。「MOBI BOT GenAI」の提供を通じて、これらのソリューションとの連携をさらに強化し、AIと有人対応、セキュリティを統合した「解決できる問い合わせ窓口」の実現を支援していく方針です。今後も生成AIを中心としたソリューションの進化により、企業のCX品質と収益性の向上に貢献していくでしょう。
モビルス株式会社について
モビルス株式会社は、顧客の課題に先回りしたCXブランディング設計を行い、企業価値と経営収益向上に貢献する企業です。新しいテクノロジーを取り入れたオペレーション支援生成AIサービス「MooA®」や、顧客コミュニケーションのノンボイス化・デジタル化を推進するSaaSソリューション「モビシリーズ」の開発・提供を行っています。「モビシリーズ」はこれまでに500社以上の企業に導入されています。同社は「すべてのビジネスに、一歩先行くCXを。」をミッションに掲げ、「CX-Branding Tech. Lab」を運営し、調査レポートやセミナー開催、研究開発などを通じて企業のCX向上に取り組んでいます。


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