Spelldata、仙台計測センターを開設し東北地方からのWeb・API通信監視を開始、全国7都市体制へ

テクノロジー

地方拠点の通信課題と新たな監視体制

多くの企業において、自社サービスの障害を、社内の監視システムよりも先に顧客のSNS投稿で知るケースが少なくありません。これは、首都圏中心の監視体制では、地方拠点からの通信経路上で発生する遅延や障害を検知しにくいことが一因とされています。

地方の通信品質の低下は、ECサイトの表示速度や自治体DXサービスの到達性に直接影響を及ぼす可能性があります。また、災害時における通信の可用性確保も、地方拠点特有の重要な課題です。これまでの国内の通信計測・監視拠点は主要都市圏に集中しており、地方の通信品質を代表する定点データは限られていました。

仙台計測センターは、NTTおよびKDDIの光回線、そして4キャリアの5G回線を利用し、これらの課題に対応します。これにより、東北地方の通信状況を代表する定点として、WebサイトやAPI通信の監視を最短1分間隔で実施することが可能です。

全国7都市体制の確立

今回の開設により、Spelldataの計測拠点は札幌、仙台、新潟、東京、名古屋、大阪、福岡の全国7都市体制となりました。

国内7都市の計測拠点

仙台は東北地方最大の都市であり、その人口は109万6,951人(令和7年国勢調査速報値、2025年10月1日時点)に達します。また、JPNAPをはじめとする主要インターネットエクスチェンジ(IX)事業者が広域拠点網を構える東北地方の中心都市であり、通信の結節点としての役割を担っています。ソフトバンク子会社のBBIX株式会社も、東北インテリジェント通信の仙台中央データセンター内にBBIX仙台センターを開設し、IXサービスを提供しています。

首都圏に通信インフラが集中する現状は、大規模災害時の危機管理上の課題としても指摘されており、首都圏を経由しない経路での東北地方の通信品質計測は、事業継続性の観点からも重要な意義を持つとされています。

通信の全経路を見える化するSpelldataの計測技術

Spelldataの計測は、単にWebページの表示速度に留まりません。米国Catchpoint社の計測システムを基盤とし、Webページ、スマートフォンアプリ(API通信による対応)、API通信、DNS、BGP経路、Tracerouteによる経路追跡まで、通信のあらゆる階層を計測できます。

計測・監視レイヤー構造

これにより、「遅い」「つながらない」といった結果だけでなく、その原因が自社サーバー、DNS、または通信経路上のどこにあるのかまで特定することが可能です。仙台計測センターの稼働により、東北地方からのアクセスについても、この全階層での計測が実現しました。

導入効果と今後の展開

仙台計測センターの稼働により、東北地方を含む全国7都市でリアルタイムの通信品質データが利用可能になります。Spelldataの計測データでは、大手グローバルクラウドサービスの障害発生時、公式発表より約30分早く通信異常を検知した事例もあります。

企業は、自社サービスの到達性や表示速度を地域別に詳細に把握し、顧客のSNSでの指摘を待つことなく、障害の予兆や発生を自ら検知し、品質改善に活用できるでしょう。

Spelldataは今後、山陽(広島市)、山陰(松江市)、沖縄(那覇市)への計測センター開設を予定しており、四国エリアについても検討を進めています。デジタルサービスの品質の見える化を推進し、これまで計測の目が届いていなかった国内の「暗黒地帯」を減らしていく方針です。

株式会社Spelldataについて

株式会社Spelldataは、パフォーマンスエンジニアリングの専門企業です。デジタル体験の計測・分析・改善をリードし、Webサイトが国内外で快適に、エラーなく表示され、価値の高い情報を配信できるよう支援しています。デバイスと場所を問わず、コンシューマ体験、エンタープライズ体験、エンターテイメント体験を快適にするため、24時間365日デジタル体験を計測・分析する統計的品質管理を日本のWebサイトに普及させることを目指しています。

コメント