JMDC、Zene、マルホが皮膚病態の根本解明に向けた共同プロジェクトを開始

テクノロジー

皮膚病態の根本的要因解明へ、JMDC・Zene・マルホが連携

株式会社JMDC、株式会社Zene、マルホ株式会社の3社は、新たな医薬品開発を目指し、皮膚生理の根本的な特性に関わる遺伝的要因を探索するプロジェクトを開始しました。

このプロジェクトは、マルホが長年培ってきた皮膚科学領域の専門知識と、JMDCおよびZeneが保有する「遺伝子検査データ×レセプトデータ」が統合されたデータベース、そして高度なデータ解析技術を組み合わせることで実現します。これにより、これまで解析が困難であった「日本における肌質への遺伝的な影響」の解明と、新たな研究成果の創出を目指します。

皮膚科学研究における課題とプロジェクトの特長

従来の皮膚領域の研究では、病態の要因を特定する際に、臨床現場での「炎症反応」や「合併症」といった後天的な要因が解析の障壁となることが多くありました。従来のゲノム解析やアンケート調査では、これらの臨床的な交絡因子を完全に排除し、「体質そのもの」を厳密に定義することが困難でした。

本プロジェクトでは、これらの課題を克服するため、各社の強みを融合させた高度な解析を実施します。

「遺伝子検査データ×レセプトデータ」統合DBの活用

JMDCのPHR(Personal Health Record)サービス「Pep Up」を通じて、一意のIDで連結された大規模な遺伝子検査データと医療レセプトデータを活用します。これにより、個人の遺伝的背景(ジェノタイプ)と、長期にわたる治療歴や処方内容(フェノタイプ)を紐づけた多角的な分析が可能となります。

「ノイズ排除」による精密な表現型定義

単なる診断名による分類だけでなく、レセプト上の詳細な処方薬剤情報(ステロイド外用薬のランクや使用期間など)を駆使し、炎症を伴わない集団をより実態に近い定義で設計します。これにより、皮膚病態の根本に関わる遺伝的素因を明確に抽出することを試みます。

仮説創出の加速

数年を要する一般的な共同研究の枠組みとは異なり、より迅速かつ高頻度なオペレーションを実現することで、創薬の極めて早期段階における仮説創出を加速させます。

プロジェクト概要イメージ
プロジェクト概要イメージ

今後の展開

JMDCとZeneによる当該データベースは、リアルワールドデータで検証可能なゲノミクスデータを蓄積することで、アジア人集団における高度な解析サービスを実現し、層別化された疾患研究やバイオマーカー探索を促進します。

また、本プロジェクト自体については、得られた知見に基づいて以下のような発展的なオプションの実施も検討されています。

  • 前向きアンケートによるデータ補完:解析で特定された遺伝子型を持つ層に対し、プラットフォームを介した直接的な調査を実施し、幼少期の発症状況や主観的なQOL(生活の質)など、レセプトでは捕捉できない情報の収集を行います。

  • JMDCユニバースデータとの双方向的な連携:JMDCが保有する大規模な保険者データベースから得られる疫学的知見を本プロジェクトの枠組みで遺伝学的見地から検証・深化させるとともに、前述の一意型データベースから示された知見を大規模データベースへ適用することで、市場規模の精緻な推定や合併症リスクの予見分析へと展開します。

  • ウェット研究への接続:得られた標的候補に対し、グループ会社が保有する技術を用いた化合物アッセイへと繋げるなど、創薬プロセスのさらなる加速を図ります。

JMDCは、今後も多様なデータを活用した様々なプロジェクトを通じて、「社会課題に対しデータとICTの力で解決に取り組むことで、持続可能なヘルスケアシステムの実現」という未来の実現に資する取り組みを推進していくとしています。

各社の概要

マルホ株式会社

大阪市北区に本社を置く、医療用医薬品等の研究・開発・製造・販売を行う製薬企業です。創業は1915年で、ミッションに「あなたといういのちに、もっと笑顔を。」を掲げています。新薬創出の高度化および高速化を目指し、RWD(リアルワールドデータ)やビッグデータを活用したデータ駆動型の研究開発活動の強化に取り組んでいます。

詳細については、https://www.maruho.co.jp をご覧ください。

株式会社Zene

2020年2月設立のヘルスケアスタートアップで、高精度遺伝子検査(ゲノム解析サービス)「Zene360」を、健康保険組合等の保険者、健康経営に注力する企業、医療機関向けに提供しています。Zene360は、だ液によるゲノム解析を通じて、生活習慣病・がん・認知症などの将来的な疾患リスクを可視化し、一人ひとりに応じた予防行動や生活習慣改善を支援するサービスです。ゲノム情報を活用した個別化予防を社会実装し、医療費適正化や健康寿命の延伸に貢献することを目指しています。

詳細については、https://www.zene.co.jp/ をご覧ください。

株式会社JMDC

医療ビッグデータ業界のパイオニアとして2002年に設立されました。独自の匿名化処理技術とデータ分析集計技術を有し、26億件以上のレセプトデータと9,400万件以上の健診データ(2026年3月時点)の分析に基づき、保険者向け保健事業支援、医薬品の安全性評価や医療経済分析などの情報サービスを展開しています。また、健康度の単一指標(健康年齢)や健康増進を目的としたWebサービス(Pep Up)など、医療データと解析力で健康社会の実現に取り組んでいます。

詳細については、https://www.jmdc.co.jp/ をご覧ください。

Pep Upについて

JMDCが開発・提供し、保険者を中心に利用されているPHRサービスです。Pep Upユーザーは、スマートフォンアプリ等で自身の健康診断の結果や医療費のデータから健康状態に関する気づきを得ることができ、活動量計や様々な健康増進メニューによる意識変容や行動変容が促進されます。また、保険者においては、紙や対面で実施してきた業務の負荷軽減に貢献しています。

詳細については、https://stories.jmdc.co.jp/pepup をご覧ください。

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