青森県庁に生成AIチャットボット「AIデジタルスタッフ」が導入され、運用コスト7割強削減と業務工数を大幅改善

テクノロジー

青森県庁が生成AIチャットボット「AIデジタルスタッフ」を導入

青森県庁は、生成AIチャットボット「AIデジタルスタッフ」を2025年12月1日より公式ウェブサイトに導入しました。これにより、従来のシナリオ型チャットボットで課題となっていたQ&Aメンテナンスの業務工数を大幅に削減し、運用コストを7割強削減しながら、24時間365日の対応で県民の利便性向上を実現しました。導入後、チャットボットの月間利用件数が倍増するなど、業務効率化と効果改善が大きく進んでいます。

青森県庁ウェブサイトにAIデジタルスタッフ導入

導入の背景と「AIデジタルスタッフ」選定理由

青森県庁では、行政改革およびDX推進の一環として、職員の業務負担軽減と県民向けサービスの向上を目指し、令和5年頃からシナリオ型のAIチャットボットを導入していました。しかし、ユーザー満足度が約20%にとどまるなど、回答精度の向上が大きな課題となっていました。

従来のシナリオ型ボットでは、精度維持のために約500件ものQ&Aデータを追加登録する検証も行われましたが、一時的な効果にとどまり、システム的な限界が感じられていました。また、各担当部署への確認やデータメンテナンスに膨大な工数がかかっていました。他社システムも検討されましたが、やはり事前登録の手間がネックとなっていました。

このような状況の中、ウェブサイトの情報を自動で読み込み回答を作成する「AIデジタルスタッフ」に関心が寄せられました。このシステムは事前のシナリオ登録が不要で、職員の負担を大幅に軽減できる点が評価され、導入が決定されました。デモ環境が依頼翌日に構築されるなど導入の迅速さも評価され、当初の計画よりも前倒しでの導入となりました。

「AIデジタルスタッフ」による具体的な改善点

幅広い問い合わせへの自動対応と複数サイトの横断検索

「AIデジタルスタッフ」は、大雪に伴う除雪、熊の出没や被害状況、スキーなどのウィンタースポーツ、観光や伝統工芸品といった多岐にわたる質問に自動で対応しています。AIの回答をきっかけに、県のホームページ内に掲載されている伝統工芸品などの詳細ページへ遷移するユーザーも増加しており、ウェブサイト全体の回遊性向上にもつながっています。

青森県AIチャットでの除雪と熊の出没に関する質問・自動回答

質問例文を活用した県重点事業への誘導と災害時の情報発信

2026年開催の「国スポ・障スポ」については、競技会場やグッズに関する質問が多いことから、チャット画面に「質問例文」としてあらかじめ設置されています。これにより、利用者の自然な興味を喚起し、県がPRしたい重点事業の関連情報へスムーズに案内する「見えない誘導」の導線としても機能しています。

青森県AIチャットでの国スポ・障スポに関する質問例文表示と自動回答

さらに、昨年12月に発生した突発的な地震などの災害時においても、ウェブサイトに情報を掲載するだけでAIが即座に回答へ反映できる機動力が、迅速な情報発信手段として高く評価されています。将来的には、災害時の質問例文設置による情報提供の一本化も検討されています。

利用件数の倍増と運用コストの7割強削減

「AIデジタルスタッフ」への切り替えにより、チャットボットの月間利用件数は従来の約1,600件から約3,700件へと倍以上に増加し、県民にとってより使いやすい窓口へと進化しました。

運用コスト面では、従来のシステムで月額約22万円かかっていた費用が月額5万円となり、7割強のコスト削減に成功しています(2025年度実績)。「AIデジタルスタッフ」は、文字数や読み込みページ数の上限超過による従量課金が発生しない定額制(使い放題)であるため、予算管理が厳格な自治体でも費用を気にせず運用できる点が大きなメリットです。また、従来は月次レポートでしか把握できなかった利用状況が、管理画面からリアルタイムで可視化できるようになったことも運用改善につながっています。

Q&A作成工数のゼロ化と庁内業務効率化ツールとしての活用

従来発生していた「ホームページの更新」と「AI用のシナリオ(Q&A)作成」という二重管理の運用が解消されました。これにより、他部署へQ&A作成を依頼する調整コストや担当者の精神的負担が大幅に軽減され、「ホームページさえ最新化すれば良い」というシンプルな運用フローが確立されました。

さらに、県庁内の職員自身が業務に活用するケースも増加しています。キーワードの完全一致が必要な通常の検索とは異なり、曖昧な質問でもAIがニュアンスを汲み取って適切な情報を提案するため、他部署の情報を探したり、公式発表の整合性を確認したりするための「庁内検索ツール」としても機能し、行政運営全体の業務効率化に大きく貢献しています。

今後の展開

青森県庁では、今後さらに「AIデジタルスタッフ」を活用し、災害時の緊急情報の発信強化などを検討しています。将来的には、提供されている「オフラインデータ連携」機能を活用し、マニュアルやPDFなどのオフラインデータをAIに読み込ませることも視野に入れ、より一層の県民サービスの向上と満足度向上を目指していく方針です。

青森県庁からのコメント

青森県庁からは、以前のチャットボットではQ&Aデータの加工や各部署への回答作成依頼など、職員の手間が大きくかかっていたが、「AIデジタルスタッフ」の導入により、元々あるホームページの情報をもとに自動で回答を導き出してくれるため、職員の手間をかけることなく運用できる点が業務効率化につながっているとのコメントが寄せられています。また、従量課金制や読み込みページ数の上限などを気にすることなく利用でき、実際に運用コストを7割強削減できたことから、導入のメリットを実感しているとのことです。今後も県民の利便性向上に向けて、効果的に活用していきたい考えです。

「AIデジタルスタッフ」について

「AIデジタルスタッフ」は、指定したウェブサイトの情報を収集し、自動的に回答を生成するAIエージェント型チャットボットです。最新の生成AI(ChatGPT等)を活用し、人間のように自然な対話で24時間365日の対応を実現します。導入はタグを設置するだけで完了し、ウェブサイトの情報が更新されるとAIが最新情報を自動取得するため、事前のシナリオ設定やFAQ登録などのメンテナンス作業が不要です。

月額5万円から利用できる手軽さに加え、文字数や読み込みページ数、問い合わせ件数による従量課金が発生しない定額制を採用しています。そのため、自治体の人口規模やサイトへのアクセス数に依存せず、小規模な自治体や企業でも運用コストを気にすることなく安心して導入できます。

詳細については以下をご覧ください。
AIデジタルスタッフについて

関連情報

コメント