MPower Partners、エッジAI半導体のパイオニアEdgeCortixへ出資 日本の技術革新とグローバル展開を加速

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MPower Partners、エッジAI半導体企業EdgeCortixに出資

グローバルベンチャーキャピタルファンドのMPower Partners Fund II(以下、MPower)は、エッジ向けの省電力AI半導体を開発するファブレス半導体企業EdgeCortix株式会社(以下、EdgeCortix)への出資を発表しました。この戦略的な投資は、日本の技術革新を加速し、グローバル市場での競争力を高めることを目指しています。

MPower PartnersとEdgeCortixのロゴ

エッジAI半導体の重要性とEdgeCortixの革新技術

現代社会では、防衛システム、ロボティクス、産業用オートメーションといった重要なインフラにAIが組み込まれるケースが増加しています。これらの分野では、超低消費電力で高性能な推論処理が可能なプロセッサへの需要が急速に高まっています。特に、サイズ、レイテンシ、消費電力、セキュリティといった制約がある環境では、クラウドに依存せずデバイス上で直接データを処理する「エッジAI」技術が不可欠です。

EdgeCortixは、このようなエッジAIのニーズに応えるため、デバイス上でAIを高速かつ省電力で動作させる独自のチップとソフトウェアを開発しています。同社の主力製品である「SAKURA-II」AIチップは、約8ワットという低消費電力でありながら、数十億のパラメータを持つ大規模AIモデルをリアルタイムで処理する性能を備えています。これは、従来のエッジ向けGPUと比較して最大5倍のエネルギー効率を実現しています。

さらに、ロボット、通信機器、産業用サーバーなど、さまざまな機器へのAIモデル導入を容易にする独自のソフトウェア基盤「MERA」や、大規模な処理に対応する次世代チップ「SAKURA-X」の開発も進められています。EdgeCortixの技術は、既存のソリューションに比べてわずかな電力とコストで高性能なAI推論を実現するため、エッジにおけるAI活用のあり方をグローバルに変革する可能性を秘めていると言えるでしょう。

EdgeCortixの独自性と日本の半導体産業への貢献

EdgeCortixは、マックス・プランク研究所、理化学研究所、Microsoft、IBM Researchなどでの20年以上の研究開発経験を持つサキャシンガ・ダスグプタ博士によって設立されました。現在、同社にはAI、半導体設計、ソフトウェアエンジニアリングの各分野における世界水準の専門家が集結しています。ハードウェアとソフトウェアを一体で設計する独自の手法で特許を取得しており、日本を本拠地とするグローバルなディープテック半導体企業として独自の地位を確立しています。

EdgeCortixの省電力AI半導体技術は、MPower Partners Fund IIの主要な投資テーマの一つである「Japan Dynamism」に深く関連しています。日本の半導体産業は製造(ファブリケーション)領域での復興が進む一方で、最先端のAIチップ設計分野では依然として課題がある状況です。EdgeCortixは、日本にR&D拠点とコアエンジニアリングチームを置き、独自のAIプロセッサ・アーキテクチャをゼロから構築することで、この課題解決に貢献しています。

同社は、日本の半導体バリューチェーンの強化、日本独自のAIハードウェア開発力の強化、民間・防衛両分野にまたがるデュアルユース技術の推進、そしてグローバルなエッジAIインフラ競争における日本の地位向上に寄与することが期待されています。

国内外からの評価とMPowerによる支援

EdgeCortixの戦略的重要性は国内外で高く評価されており、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の政府支援プロジェクトとして2024年より累計70億円規模の支援を受け、次世代の省電力AI推論・学習向けチップ基盤の開発を進めています。また、米国国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit)に採択された唯一の日本企業であり、唯一の半導体企業でもあります。

MPowerは、これまで築いてきた国内の通信事業者、大手製造業、防衛関連企業との強固な関係を活用し、「SAKURA」AIチップの新たな販路開拓を支援することで、日本市場におけるEdgeCortixの事業成長を加速させる予定です。加えて、日本のデュアルユース技術を取り巻く政策環境への対応を支援し、AIおよび半導体インフラの強化に向けた政府主導の取り組みにおいて、同社の技術が活用されるよう後押ししていく方針です。

関係者のコメント

EdgeCortix CEO サキャシンガ・ダスグプタ博士のコメント

「日本は、高度な半導体製造能力を備えているだけでなく、ファブレス設計エコシステムの全領域にわたってイノベーションを経験しており、次世代AIインフラをリードする極めて重要なポジションにあります。MPowerが持つ日本の産業界・政策領域における深いネットワークとグローバルな視座は、日本国内はもとより世界に展開できる省電力AIプラットフォームを構築するという私たちのミッションと強く合致しており、ご一緒できることを楽しみにしております。」

MPower Partners ゼネラル・パートナー キャシー松井のコメント

「EdgeCortixは、防衛・航空宇宙・ロボティクスといった、MPowerの掲げる投資テーマである『Japan Dynamism』の中核をなすセクターにおいて、革新的な省電力エッジAI推論プロセッサを開発する企業です。同社のDynamic Neural Acceleratorは、最小限の電力で最大240 TOPSの性能を実現することで、限られたリソース環境で高い推論能力を発揮するだけでなく、ソフトウェアファーストのアーキテクチャによって導入および実装の障壁を下げ、さまざまな環境下での製品寿命の延長を可能にします。MPowerは、EdgeCortixチームのパートナーとして、日本国内での成長およびグローバル市場への展開を支援できることを楽しみにしています。」

EdgeCortix株式会社 概要

  • 代表者:CEO サキャシンガ・ダスグプタ

  • 設立:2019年

  • 所在地:神奈川県川崎市中原区新丸子東3丁目1200. KDX武蔵小杉ビル10階

  • URL:https://www.edgecortix.com

MPower Partners Fund II 概要

MPower Partnersは、次世代を切り拓く起業家の支援をミッションとする日本発のグローバル・ベンチャー・キャピタル・ファンドです。多様なバックグラウンドを有する投資チームが、グローバルなネットワークを生かして国内外のスタートアップを発掘し、独自のESGフレームワークを通じて長期的かつ持続可能な成長を後押ししています。

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