夏場に高まるモバイルバッテリーのリスクに注意!安全な使い方と製品選びのポイント

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モバイルバッテリー火災、増加傾向に

近年、モバイルバッテリーを含むリチウムイオン電池搭載製品による火災が増加しています。東京消防庁のデータによると、令和5年にはリチウムイオン電池関連火災が過去最多を記録し、令和6年上半期もその件数は前年同期を上回っています。消防庁の調査でも、モバイルバッテリーの出火原因として外部からの衝撃や高温下での使用・保管が挙げられています。

日常環境でも想定以上の高温に

モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)が実施した調査では、外気温29.4℃の環境下でも、直射日光や密閉状態といった条件が重なることで、モバイルバッテリーが短時間で大幅な温度上昇をすることが確認されました。

  • 直射日光が当たる窓際では、30分で最大約56℃まで上昇。

  • 直射日光下のバッグ内では、内部の端末が最大約52.3℃まで上昇し、バッグ外側も約60℃に達しました。

モバイルバッテリーの危険な使用例

このように、日常的な環境であっても、直射日光が当たる場所や密閉された空間、充電中といった条件が重なると、短時間で高温状態になる可能性があります。特に、バッグやポーチの中など熱がこもりやすい場所では、外からは見えにくいまま温度が上昇するため、注意が必要です。

高温状態が続くと、電池内部の反応が進みやすくなり、電池の劣化や膨張、異常な発熱、さらには発煙・発火といったリスクにつながる可能性があります。「普段通りの使い方」だと思っていても、使用環境によって危険性が高まることを理解しておくことが重要です。

見た目では分からない「安全性・品質の違い」

モバイルバッテリーは、外観、容量、価格帯が似ていても、高温環境下での挙動には差が生じることがあります。これは、製品内部の設計、製造工程、品質管理の考え方が異なるためです。

具体的には、温度上昇時の制御設計、過充電や過電流に対する保護機能、製造工程での品質管理、検査体制、そしてアフターサービス体制などが安全性と品質を左右します。これらは外見やスペックからは判断しにくいですが、製品の安全性や事故リスクに大きく影響する重要な要素です。MCPCは、こうした「見えない違い」を理解することが、安全な製品選びにつながると指摘しています。

夏場に特に注意したい使い方

夏場は、モバイルバッテリーの取り扱いに特に注意が必要です。

  • 車内や窓際など、直射日光が当たる場所への放置は避けてください。

  • バッグやポーチの中など、熱がこもりやすい状態での充電は避けてください。

  • 膨張、異常な発熱、充電できない、異臭がするといった異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し、製造事業者や販売店に相談しましょう。

製品を選ぶ際は、価格や容量、見た目だけでなく、製造・品質管理・サポート体制など、製品の背景にある安全性への取り組みにも目を向けることが大切です。

MCPCガイドラインと安全啓発の取り組み

MCPCは、モバイルバッテリーの安全性・品質に関するガイドライン(GL-015)を策定しています。このガイドラインは、製造工程、品質管理体制、アフターサービス体制、製品ライフサイクル全体の観点から、製品選びの判断材料となる情報の整理と可視化を進めることを目的としています。

このガイドラインは、特定の製品の性能や安全性を保証するものではありませんが、利用者が外観や価格だけでは分かりにくい安全性・品質に関する取り組みを確認するための参考情報として役立つことを目指しています。

MCPCは今後も、業界向けのガイドライン運用に加え、利用者への安全啓発を継続的に実施していく予定です。関係機関や会員企業と連携し、市場動向や事故情報を踏まえながら、モバイルバッテリーの安全利用と、外観や価格だけに依存しない製品選択の理解促進を図っていくとしています。

高温・衝撃への注意喚起ロゴ

このたび、高温環境への放置や電池への衝撃といった日常の利用シーンで起こり得るリスクについて、気づきを促すことを目的とした新しいロゴとキャッチフレーズが公募作品の中から決定されました。このロゴデータは、準備ができ次第、MCPC公式Webサイトにて一般に公開される予定です。

モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)について

MCPCは、モバイルコンピューティングの普及促進を目的として1997年に発足した任意業界団体です。スマートフォン等のUSB充電インタフェース安全設計ガイドラインなど、多数の標準化活動を推進しています。また、「IoTシステム技術検定」などの検定や研修講座を通じて、モバイル、IoT/AIの普及拡大にも貢献しています。

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