「一生の買い物」がリスクになる時代

親世代にとって、家選びの「正解」は「家族が増えたら郊外にマイホームを買い、一生そこに住み続けること」でした。しかし、現代の働き方や暮らし方は大きく変化しています。
転職で勤務地が変わったり、リモートワークの頻度が増減したり、あるいは結婚、出産、離婚といったライフイベントも、5年先を予測することは難しい時代です。このような「変化が当たり前の時代」に、大きなローンを背負って「一生同じ場所に住むこと」を前提にしてしまうと、将来のキャリアや人生の選択肢を狭めてしまうリスクがあるかもしれません。売却も賃貸もできない家を抱えてしまう可能性も考えられます。
家を買うなら「いつでも手放せるか」を基準に

では、今の時代に家を買うのは避けるべきなのでしょうか?決してそうではありません。考え方を少し変えてみることが重要です。現代に合った一番の防御策は、「いざとなれば、いつでも手放せる(売却・賃貸に出せる)家」を選ぶことです。
「一生住む覚悟を決めて買う」のではなく、「ライフステージが変わったら、売却して身軽になれば良い」という前提で物件を見てみましょう。最近はNISAなどで資産運用をする人も増えていますが、家も「手放しやすい資産」として持てるのであれば、家賃を掛け捨てにするよりも合理的な選択肢となります。
後悔しないための、3つのチェックポイント
「いざという時に手放しやすい家」を見極めるためには、以下の3つのポイントを必ずチェックしておきましょう。
1. 立地は「自分のタイパ」=「次の人の需要」で考える
家を手放す際、最も重要な要素の一つが「立地」です。例えば、「駅から近い」「都心へのアクセスが良い」といった条件は、日々の通勤や家事・育児の時間を効率的に使うことにつながります(いわゆるタイムパフォーマンスが良い状態です)。自分が「便利で暮らしやすい」と感じる立地は、将来その家を売却したり賃貸に出したりする際にも、他の誰かに「住みたい」と思ってもらえる大きな強みとなるでしょう。
2. 家賃とローンを「同じ金額」で比べない

「今の家賃が12万円だから、月12万円のローンなら支払える」と考えがちですが、これは注意が必要です。持ち家になると、住宅ローンの返済以外にも毎月確実にお金がかかります。
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住宅ローンの返済
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管理費・修繕積立金(マンションの場合、将来値上がりする可能性もあります)
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固定資産税
これらを合計すると、ローンが12万円でも、実際の月々の支払いは16万円近くになることも珍しくありません。「見えない維持費」まで含めても、今の家計で無理なく払い続けられるか、厳しく見ておくことが日々の生活の余裕につながります。
3. 「ペアローンの罠」に気をつける
物件価格が高騰している現在、希望の条件を叶えるために夫婦の収入を合算する「ペアローン」を選ぶ人が増えています。確かに理想の家には手が届きやすくなりますが、もしどちらかの収入が転職や育児などで減少してしまったらどうなるでしょうか。
最も懸念されるのは、家を売却しようとした際に「売れる金額よりも、住宅ローンの残高の方が多い(残債割れ)」という状態になってしまうことです。この状態になると、手元から何百万円もの現金を支払わないと引っ越しができなくなる可能性があります。「もしもの時でも、手出しゼロで売却して清算できるか」という視点は、決して忘れてはならない重要なポイントです。
まとめ:家賃が上がっている今だからこそ、冷静に
家賃が上がっていると、「早く家を買わなければ」と焦ってしまうかもしれません。しかし、家は「一生縛られる重いもの」ではなく、「その時々の自分たちに合わせて乗り換えていくもの」と考えてみてください。そうやって「いつでも手放せる身軽な家」を冷静に選ぶことができれば、変化の多いこれからの時代でも、もっと自由に、自分らしい選択をし続けていけるはずです。
まずは、「次に引っ越すならどの街が良いか」という部屋探しの延長で、スマートフォンで物件の相場を眺めてみることから始めてみましょう。その際、「毎月の見えない維持費はいくらになりそうか」「将来、自分以外の人も住みたいと思う立地か」という、今までとは少し違う視点でチェックすることが、後悔しない自由な暮らしへの第一歩となるでしょう。
(編集・執筆/property technologies 永江 直人)
監修者情報

大谷 修太(おおたに しゅうた)
齋藤久誠公認会計士・税理士事務所
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
宅地建物取引士
2012年にみずほ銀行に入社後、2014年にはみずほ信託銀行に出向。2024年まで相続・事業承継・不動産を専門とするコンサルタントとして、毎年100家族以上の相談に対応してきました。現在は独立し、「相続や事業承継で経済的に不幸になるご家族を一人でも減らしたい」という理念のもと、幅広い層の方々に最適なソリューションを提供しています。
株式会社property technologiesについて
株式会社property technologiesは、「UNLOCK YOUR POSSIBILITIES. ~テクノロジーで人生の可能性を解き放つ~」をミッションに掲げています。年間36,000件超の不動産価格査定実績やグループ累計約15,000戸の不動産販売で培ったリアルな取引データ・ノウハウを背景に、「リアル(住まい)×テクノロジー」で実現する「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることができる未来に向け、手軽でお客様にとって利便性の高い不動産取引を提供しています。
会社名:株式会社property technologies
代表者:代表取締役社長 濱中 雄大
URL:https://pptc.co.jp/
本社:東京都渋谷区本町3-12-1 住友不動産西新宿ビル6号館12階
設立:2020年11月16日
上場:東京証券取引所グロース市場(5527)


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