EMSとODMの定義
まず、EMSとODMの基本的な定義を理解することは重要です。
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EMS(Electronics Manufacturing Service):OEM(Original Equipment Manufacturer)向けに、電子部品および電子アセンブリの調達、製造、組立、検査、物流、返品・修理までを一貫して受託するサービスです。ECM(Electronics Contract Manufacturing)とも呼ばれます。
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ODM(Original Design Manufacturing):顧客の仕様に基づき、製品の設計から製造までを担い、顧客ブランドで販売される完成品を供給する事業形態です。
この調査では、設計、試作、部材調達、量産、組立、検査、物流、アフターサービスといった広範な範囲が含まれており、ブランド企業が自社工場のみで完結する内製活動は原則として含まれていません。
市場規模と今後の予測:AIインフラ需要が成長を牽引
EMSとODM市場は、これまでも成熟した受託製造基盤を持っていましたが、近年ではAI関連設備の増設を契機に、新たな拡大局面へと移行しています。

LP Informationの最新レポートでは、2025年に7894億米ドルであった市場が、2032年には1兆4427億米ドルに達すると予測されています。年平均成長率8.3%という数字は、一時的な需要回復だけでなく、外部委託範囲の拡張を伴う構造的な成長を示していると言えるでしょう。
地域別の成長予測
地域別に見ると、特に注目すべき成長が見込まれています。
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北米市場:2025年の2236億9600万米ドルから、2032年には3923億9900万米ドルへ拡大する見通しで、CAGRは7.64%です。
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アジア太平洋市場:3419億9200万米ドルから6692億5000万米ドルへ伸びると予測されており、主要地域で最も高い9.43%の成長が期待されます。
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欧州市場:1927億8300万米ドルから3311億9100万米ドルへ拡大し、CAGRは7.29%となる見込みです。
このような成長の中心には、AI、クラウド、高性能計算(HPC)向けサーバーおよびデータセンター機器の需要があります。また、自動車の電動化・知能化は車載電子機器の受託需要を押し上げ、蓄電システムとパワーエレクトロニクスも新たな量産領域となるでしょう。OEMがブランド、ソフトウェア、顧客接点といった領域に経営資源を集中するほど、設計から保守までを統合するEMSとODMの役割は今後さらに広がるものと予想されます。
主要企業ランキングと市場シェア:上位群主導の二層型競争構造
EMSとODM市場は、一部の大手企業が市場を牽引する構造を持っています。

主要企業は、HONHAI、Quanta、Wistron、Luxshare Precision、Pegatron、Jabil、BYD Electronic、Flex Ltd、Huaqin Technology、Compalの順で構成されています。2025年の上位5社の市場シェアは約53.0%、上位10社では約66.0%に達しており、市場は一定の集中傾向を示していることがわかります。
競争構造は、大規模な調達力と量産能力を持つ頭部企業と、特定顧客や製品群で存在感を持つ中間層、さらに地域・用途特化型企業に分かれています。上位数社と後続企業群には規模の差があるものの、上位10社以外にも約3分の1の市場が残っており、極端な寡占には至っていません。今後は、規模だけでなく、設計能力、地域分散型の供給網、高付加価値工程への対応力が競争順位を左右するでしょう。
主要企業の動向
競争の焦点は、単純な量産受託からAIインフラ全体を支える統合能力へと移行しています。具体的な企業の動きとしては、以下のような事例が挙げられます。
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2026年1月、JabilはHanley Energy Groupを約7億2500万米ドルで買収し、データセンター向け電力・エネルギー管理能力を強化しました。
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2026年3月、FlexとAMDは米国内のAIインフラ製造協業を拡大し、Flex工場でAMD Instinct MI355Xプラットフォームの生産を開始しました。次世代製品への展開も予定されており、地域内供給と高性能計算機器の量産対応が重要な競争テーマとなっています。
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2026年3月、HONHAIはNVIDIA GTC 2026において、NVIDIA Vera Rubin NVL72対応AIサーバーラック、産業用ヒューマノイドロボット、モジュール型データセンターを公開しました。これは、部品、冷却、電力供給、システム統合を束ねる垂直統合力の強化を示す動きと言えるでしょう。
今後の展望
今後の展望として、地域別ではアジア太平洋の重要性がさらに高まり、北米ではAIデータセンター向けの国内・域内生産能力が重視されるでしょう。用途面ではAI・高性能計算サーバー、車載電子機器、蓄電・電力変換機器が優先領域となり、汎用品量産と高付加価値設計サービスの差が広がるものと見られます。大規模案件では集中が進む一方、医療、産業、車載など品質・規制要件の高い分野では専門企業の分化が続くと予測されます。
競争力を決める要素は、共同設計、重要部材の確保、電力・冷却技術、短期間での量産立上げ、複数地域での同一品質生産、修理を含むライフサイクル対応となります。地政学、関税、輸出規制、生産地分散要求を踏まえ、低コストだけでなく供給継続性を確保する運営能力が今後ますます必要となるでしょう。
日本企業への示唆
日本企業がEMSとODM市場への新規参入や事業拡張を検討する際は、地域別成長率だけでなく、AI、車載、蓄電分野で自社技術を組み込める工程を特定することが重要です。提携先の選定では、企業規模に加え、設計関与度、顧客集中度、地域生産網、品質認証、修理体制を比較検討すべきです。調達判断においては、単一国依存のリスクや重要部材の代替可能性を含む供給網評価が有効となるでしょう。競合企業については、工場新設、買収、顧客協業、AIサーバー関連能力の増強といった動向を継続的に確認することが、海外市場参入、技術提携、投資評価、社内稟議における前提条件の明確化に資すると考えられます。
レポートの詳細について
この市場調査レポートは、全14章で構成されており、EMSとODM市場の多角的な分析が提供されています。
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第1章:レポートの範囲、製品定義、調査目的と方法、データソース、経済指標、政策要因の影響
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第2章:世界市場規模、製品分類と用途の規模、販売量、収益、価格、市場シェア
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第3章:主要な競争動向、主要企業の売上高、収益、市場シェア、価格戦略、製品タイプと地域分布、産業の集中度、新規参入、M&A、生産能力拡大
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第4章:世界市場規模の地域別分析(数量、収益、成長率)
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第5章:アメリカ地域における業界規模と各用途分野の詳細情報
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第6章:アジア太平洋地域における市場規模と各種用途の分析
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第7章:ヨーロッパ地域における産業規模と特定の用途の詳細分析
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第8章:中東・アフリカ地域における産業規模と様々な用途の考察
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第9章:業界動向、ドライバー、課題、リスクの分析
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第10章:原材料、サプライヤー、生産コスト、製造プロセス、関連サプライチェーンの調査
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第11章:販売チャネル、流通業者、川下顧客の研究
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第12章:世界市場規模の地域と製品タイプ別の予測
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第13章:主要メーカーに関する詳細情報(基本情報、製品仕様と用途、販売量、収益、価格設定、粗利益率、主力事業、最近の動向など)
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第14章:調査結果と結論
レポートの詳細を確認する、または無料サンプルを申し込むには、以下のリンクをご参照ください。
https://www.lpinformation.jp/reports/585698/ems-and-odm
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