日本の消化器健康サプリメント市場、2035年には23.9億米ドル規模への成長を予測

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市場成長の背景にある要因

市場が拡大する背景には、いくつかの重要な要因があります。消化器疾患の増加、腸内環境への関心の高まり、そして病気になってから対処するのではなく、未然に防ぐ「予防医療」への意識が強まっていることが挙げられます。また、日常的に手軽に健康を維持したいというウェルネス製品への需要も高まっています。

これまで便通改善や胃腸の不調への対処が中心だった消化器健康サプリメントは、現在では「腸内環境を整えて長期的な健康を維持する」という、より積極的な予防・習慣型の需要へと広がっています。

高齢化が進む日本では、消化機能の低下や便通異常、栄養吸収の問題が増える傾向にあります。そのため、高齢者向けの消化サポート製品は今後も重要な需要領域となるでしょう。一方で、働く世代においても、不規則な食生活やストレス、睡眠不足による胃腸の不調を感じる人が多く、日常的に摂取しやすい製品への需要があります。この市場は、「疾患対策」と「日常的なコンディション管理」という二つの側面から支えられていると言えます。

主要な製品カテゴリーとその進化

消化器健康サプリメント市場において、プロバイオティクスは歴史的に80%以上の市場シェアを占める圧倒的な中心カテゴリーです。腸内細菌叢のバランスを整え、消化機能をサポートするというイメージが広く浸透していることが、その背景にあります。日本では発酵食品や乳酸菌飲料を日常的に摂取する文化が長く存在するため、プロバイオティクスという概念が受け入れられやすい土壌があります。

プロバイオティクス市場では、単に「乳酸菌入り」と表示するだけでなく、特定の菌株が持つ機能性を明確化する方向へと進化しています。例えば、2025年5月にはProbiがNomura Dairyと提携し、臨床的に検証されたプロバイオティクス菌株LP299Vを配合した日本初の発酵人参ジュースを発売しました。これは、プロバイオティクスがカプセルやヨーグルトだけでなく、野菜飲料のような日常食品へ広がっていることを示す事例です。

プレバイオティクスも重要なカテゴリーです。これは腸内の有用菌の増殖や活動を支える成分であり、食物繊維やオリゴ糖が代表的です。今後は、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせた製品が増える可能性があり、腸内環境をより包括的にサポートする設計が期待されます。

消化酵素も、タンパク質、脂質、炭水化物などの消化を補助する目的で利用され、食後の重さや栄養吸収を重視する層に訴求しています。AmwayのNutriliteブランドなどが消化酵素製品に注力している事例が挙げられます。

新たなトレンド:腸脳相関とポストバイオティクス

市場の重要なトレンドとして、「腸と精神状態を結び付ける」という考え方が強まっています。2025年2月にはADMがAsahi Group Foodsと独占契約を結び、ストレス軽減、気分改善、睡眠サポートを訴求するポストバイオティクス「Lactobacillus gasseri CP2305」を日本で展開すると発表しました。これは、消化器健康サプリメント市場が、胃腸だけでなくストレス、気分、睡眠を含む総合的なウェルネス市場へと広がっていることを示しています。いわゆる腸脳相関への関心が高まることで、消化器製品にメンタルウェルネス機能を組み合わせる動きが増えているのです。

製品の形状と流通チャネルの多様化

製品の形状別では、カプセルが予測期間中も市場を主導すると見込まれています。これは、持ち運びやすく、一定量を正確に摂取でき、日々の摂取習慣を作りやすいという利点があるためです。しかし、飲み込みにくさを感じる高齢者などには、粉末や液体の方が適する場合もあります。そのため、高齢化市場では複数のフォーマットを用意することが重要になるでしょう。粉末型は飲料や食事に混ぜて摂取でき、液体型は即時摂取の利便性が高く、発酵飲料など食品との境界が曖昧な商品にも適しています。

流通チャネルでは、OTC(一般用医薬品)が市場を主導すると予測されています。消化器健康サプリメントが「日常的に自分で選んで摂取する健康商品」として認識されているためです。特にドラッグストアや薬局は、安全性や品質を重視する消費者にとって重要な販売場所です。スーパーや食品店では、日常食品として認識されやすく、コンビニエンスストアは利便性の高いチャネルとなります。

オンライン販売は今後さらに重要になるとされています。消費者はオンラインで菌株、含有量、成分、レビュー、価格などを比較検討できるため、専門性の高い商品ほどECとの相性が良いと見られます。定期購入モデルも有効であり、ブランド側は安定した収益を確保しやすくなります。

競争環境と今後の展望

主要企業としては、Abbott Nutrition、Glanbia、Amway、Bayerなどが挙げられます。市場競争では、「何種類の菌を入れているか」だけでなく、「どの菌株がどの機能を持つか」を明確にすることが重要です。プロバイオティクス市場が成熟するにつれて、菌株レベルの研究データが競争力を左右する要因となるでしょう。また、生菌を使用する製品では、製造・保管中の菌の生存率や、胃酸を通過して腸まで届く製剤技術も品質に影響を与えます。

日本の消化器健康サプリメント市場は、2035年に向けて、「胃腸の不調が起きた時に利用する製品市場」から、「腸内環境を毎日管理し、長期的な健康や心身のコンディションを維持するウェルネス市場」へと発展していくと考えられます。今後の競争力を左右するのは、単にプロバイオティクスを配合しているかどうかではなく、どの菌株・成分を使い、どの機能について科学的根拠を示せるか、そして消費者が毎日無理なく継続できる製品形態を提供できるかという点になるでしょう。

この調査レポートの詳細については、株式会社マーケットリサーチセンターのウェブサイトで確認できます。

(本記事は、株式会社マーケットリサーチセンターのプレスリリースに基づき作成されています。)

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