売買では73.2%が成約期間短縮。「見せる費用」から「販売への投資」へ
「ホームステージング白書2025」によると、売買物件においてホームステージングを導入した場合、未実施の類似物件と比較して73.2%の物件で成約までの期間が短縮されました。具体的には、「1カ月以上短縮」が19.0%、「1カ月未満短縮」が54.2%です。

不動産事業者がホームステージングを導入した主な理由は、「内覧時の印象を良くしたかった」が43.5%と最も多く、次いで「競合他社との差別化」が38.1%、「売値・賃料を高く(維持)したかった」が27.0%、「成約までの期間を短縮したかった」が24.8%となっています。

これらの結果は、ホームステージングが単なる「見せるための費用」ではなく、販売期間の長期化によるコストや価格改定のリスクを回避し、競合物件との差別化を図るための「販売への投資」として捉えられていることを示唆しています。導入費用だけでなく、販売成果まで含めた費用対効果を考慮することが重要です。
賃料アップでも78.0%が成約。賃貸市場での戦略的活用
賃貸物件では、ホームステージング導入によって賃料を「5%以上値上げできた」が18.8%、「1~4%値上げできた」が59.2%となり、合計78.0%の物件が賃料を上げても成約に至りました。これは2024年調査の60.6%から17.4ポイントの上昇です。

賃貸物件におけるホームステージング費用は、「家賃1カ月分」が35.4%、「家賃1.5カ月分」が42.6%と、この2つで78.0%を占めています。

賃貸では、入居者の入れ替わりごとにホームステージングが必要となるケースもあるため、1回の募集費用だけでなく、継続的な運用コストも考慮する必要があります。空室が続くことによる機会損失や賃料値下げによる収益減と比較し、どの物件にどの程度のホームステージングを実施するかを見極めることが重要です。家賃上昇局面では、賃料に見合う価値を借り手にどう伝えるかが、より戦略的に求められます。
「家賃を下げる前」に実施するケースが増加
賃貸物件でホームステージングを導入するタイミングとして最も多かったのは、「家賃を下げる前の最後の手段」で47.1%でした。これは2024年の35.6%から11.5ポイント増加しています。一方、「募集開始前」は8.1%に留まっています。

この結果から、賃貸物件におけるホームステージングは、空室が続いた際に家賃を下げる前に、物件の魅力を高めて成約を目指すための選択肢として活用されていることがうかがえます。賃料が上昇する市場において、値下げによる収益減と価値向上にかけるコストを比較して判断する視点が、今後さらに重要になると考えられます。
バーチャルステージングの利用拡大と手法の多様化
2025年の調査では、バーチャルステージングの利用が大きく増加しました。賃貸で「バーチャルステージングを実施」と回答した割合は40.8%で、2024年の24.0%から16.8ポイント上昇しています。これは「自社で家具・小物を用意して実施」の48.4%に次ぐ実施方法です。

バーチャルホームステージングを導入する理由としては、「閲覧数アップ」が43.5%、「業務負荷が下がる」が34.5%、「イメージの自由度が高い」が26.9%などが挙げられています。コストや手間を抑えながらスピーディーに導入できる手軽さが、選ばれる理由の一つとなっているようです。

ホームステージングには、リアルステージング、簡易ステージング、自社実施、専門業者への依頼など、様々な選択肢があります。今後は、「どの方法が優れているか」ではなく、物件価格や賃料、ターゲット、空室期間、期待する効果などを踏まえ、限られたコストの中で、より成約につながる可能性の高い手法を選択する「投資対効果」の視点が重要になると考えられます。
2026・2027年のキーワードは「投資対効果」
2025年は不動産を取り巻く価格上昇が目立った一年でした。マンションの平均募集家賃は上昇を続け、不動産投資額も過去最高を記録しています。このような価格上昇市場で問われるのは、単に「高く売る・貸す」ことだけではありません。その価格に見合う価値を創造し、買い手・借り手に伝え、実際の成約につなげることが重要です。
日本ホームステージング協会は、2026年・2027年にはホームステージングが「実施するかどうか」を検討する段階から、「どの物件に、どの手法で、どこまでコストをかけるか」を判断する段階へ進んでいくと見解を示しています。販売期間や値下げリスク、空室期間や収益への影響を含め、ホームステージングの費用対効果を検討することが、今後の不動産市場で成功するための鍵となるでしょう。
「ホームステージング白書2025」調査概要
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調査名: 第9回ホームステージング実態調査
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調査対象期間: 2025年1月1日~2025年12月31日
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調査実施期間: 2026年4月14日~2026年6月15日
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回答方法: インターネット調査(法人会員、個人会員他)
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回答数: 357(不動産業315、ホームステージング業他42)
詳細はこちらからご覧いただけます。
ホームステージング白書2025
過去の白書については以下のリンクより確認可能です。
日本ホームステージング協会について

日本ホームステージング協会は、日本独自のホームステージング®を体系化し、その普及とホームステージャー®の育成を通じて、不動産流通に貢献することを目的に2013年に設立されました。社会に求められるホームステージングを広め、増え続ける空き家問題の解決にも取り組んでいます。


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