東京の住宅価格の現状
不動産経済研究所の調査によると、2025年の東京23区における新築分譲マンションの平均価格は1億3,613万円に達し、中央値でも1億1,380万円となっています。これは一部の超高額物件が平均値を押し上げているだけでなく、マンション価格そのものが1億円台へと移行しつつあることを示しています。
中古マンション市場も同様で、東京カンテイのデータによれば、2026年6月時点での東京23区における70㎡換算価格は1億2,741万円です。新築が高いから中古を選ぶという単純な解決策が通用しにくい状況となっています。
仮に世帯年収が600万円の場合、新築マンション平均価格は年収の約22.7倍、650万円でも約20.9倍に相当します。この数字は、平均的な所得の家庭にとって、東京23区での住宅購入が非常に困難な状況であることを明確に示しています。

世界の大都市圏との比較に見る東京の住宅市場
東京の住宅価格高騰は、世界の大都市で共通して見られる現象です。Numbeoの「Property Prices Index 2026」におけるPrice-to-Income Ratio(住宅年収倍率)を見ると、各都市の住宅取得難易度を相対的に把握できます。
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上海:34.2倍
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香港:30.9倍
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ソウル:27.2倍
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ロンドン:15.4倍
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東京:15.2倍
この指標は、住宅価格がその都市で働く人々の所得に対してどの程度かを相対的に示すものです。上海や香港では、住宅価格と所得の間に大きな乖離が生じており、「経済的に豊かな都市」と「そこで働く人が家を買える都市」は必ずしも一致しないという現実が浮き彫りになっています。
ロンドンの例では、都心部の住宅が高すぎる場合、郊外から通勤するというライフスタイルが一般的です。これは、通勤時間や都心への距離を受け入れる代わりに、住宅価格、広さ、住環境を得るという「トレードオフ」の選択を示唆しています。東京においても、23区だけでなく、多摩エリアなど周辺地域まで視野を広げることが、同様の解決策となり得るでしょう。
「ニューヨークやロンドンに比べれば東京はまだ安い」という声もありますが、これは主に海外の富裕層や投資家から見た見方です。そこで働き生活する人が購入するものとして考えた場合、東京で得られる所得に対して、住宅価格がどの程度かという視点が重要になります。東京のPrice-to-Income Ratioは15.2倍であり、「所得に対して住宅が安い都市」とは言いにくい水準にあります。
世界の都市住宅問題から見えてくる共通点は、都市の価値が上がり続ける一方で、そこで働く人々の住宅取得能力が追いつかなくなっていることです。この状況下では、人々は「より小さな家を選ぶ」「より古い家を選ぶ」「都心から離れる」「住宅購入そのものを諦める」あるいは「住宅により多くの所得を投入する」といった、何らかの選択を迫られます。つまり、すべてを満たすことが難しくなり、何かを選び、何かを手放す必要が生じているのです。
選択肢がないのではなく、「何を選べばいいのか分からない」
住宅価格の高騰が引き起こす問題は、単に「家が高くなった」ことだけではありません。より深刻なのは、「何を選べばいいのか分からない」という状況に陥ることです。23区内では予算オーバー、郊外では不安、新築は高価、中古は築年数や性能が気になる。賃貸を続けても家賃は高止まりし、東京を離れれば仕事や生活環境が大きく変わります。このような状況で、多くの人が住宅購入を「フリーズ」させ、棚上げしてしまう傾向にあります。
しかし、本当に選択肢がないわけではありません。ただし、すべてを満たす選択肢は極めて難しいという現実を受け入れる必要があります。立地、広さ、築年数、新築か中古か、通勤時間、資産性、住環境、そして価格。現在の東京でこれらすべてを平均的な所得で満たすことは困難です。
そこで重要になるのが、「何を取り、何を捨てるのか」という明確な選択です。例えば、23区という「立地」や新築という「スペック」を絶対条件から外し、都心から少し距離を置いた多摩エリアや中古マンションに目を向けることで、広さ、暮らしやすさ、自分たちらしい住空間、そして住宅購入後の生活の余白を得るという選択肢が生まれます。これは単なる妥協ではなく、自分たちにとって本当に必要なものを主体的に選び直すことと言えるでしょう。
MADRE株式会社は、住宅取得後の生活余力、金利上昇、教育費、老後資金といった将来のリスクも考慮し、物件取得費とリノベーション費を含めた総額5,000万円以下を現実的な目安の一つとしています。もちろん、適切な住宅予算は個々の収入や家族構成によって異なりますが、住宅のために人生全体を過度に圧迫しないための優先順位付けが不可欠です。


中間層のための住宅ソリューションブランド「Anabar!」
MADRE株式会社は、このような東京の構造的な住宅問題に対し、単なる物件紹介やリノベーション提案に留まらず、「選択の軸」そのものを提示する住宅ソリューションブランド「Anabar!(アナバー)」を立ち上げました。

Anabar!は、「都心」や「新築」という前提を手放すことで、無理のない返済と生活の余白を取り戻すことを目指しています。対象とするのは、立川以西や多摩モノレール沿線をはじめとする、都心から適度な距離にあり、まだ過度に評価されていない「穴場エリア」です。人気エリアであることだけを基準にするのではなく、自分たちの予算で、きちんと暮らせる場所かという視点から東京の住宅市場を見直します。
このブランドでは、ポテンシャルのある中古マンションを選び、現実的な予算の中で暮らしの質を最大化するリノベーションを行います。Anabar!は、「夢を叶える住宅」を提供するものではありませんが、現実の中で後悔しないための選択肢と、その判断材料を提示することで、中間層の住宅購入をサポートします。

Anabar!のブランドサイトはこちらです。
https://anabar.tokyo/
現在の東京で住宅購入を検討している平均的な所得の家庭にとって、すべてを手に入れることは困難かもしれません。しかし、「Anabar!」は、「何を取り、何を捨てるか」というトレードオフを前向きにデザインすることで、「穴場」を希望の場所へと変える、現実的な選択肢を提供しています。


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