株式会社セトラス、ドラレコ映像活用支援事業へ方針転換
株式会社セトラスは、これまで自社で構築・運営してきたドライブレコーダー(ドラレコ)映像の流通プラットフォーム事業から撤退し、ドラレコ映像の活用を目指す他の企業への支援事業へと方針を転換しました。この決定は、ドラレコ映像の社会におけるさらなる活用を促進することを目的としています。
これまでの取り組みと事業方針転換の背景
セトラスはこれまで「見守りの目を集めて犯罪の無い社会の実現へ」というミッションを掲げ、「市民参加型記録活用システム:CETRAS」を運営してきました。これは、ドラレコを「動く防犯カメラ」と位置付け、官民一体で地域防犯を目指すシステムです。
しかし、近年におけるAI技術の急速な発展や、ドラレコ映像の新たな活用方法の可能性が広がったことを受け、同社は自社プラットフォーム化を断念し、この分野への参入を希望する企業への支援に重点を置くことになりました。
ドラレコ映像活用の現状と課題
ドラレコ映像の活用形態には、「映像撮影者起点」と「映像需要者起点」の2通りがあります。日々撮影される膨大な映像の中から、運転者以外にとっても価値ある映像を抽出し、需要者に届けることで事業が成立します。

この事業形態は、撮影側と需要側を繋ぐマッチングビジネスに分類されます。一般的なマッチングビジネスが3層モデルであるのに対し、ドラレコ映像のマッチングビジネスは、間に映像供給層が加わる4層モデルとなるため、各利害関係者をまとめる難易度が高いという課題がありました。

一般的なマッチングビジネスの3層モデル

ドラレコ映像の流通における4層モデル
ドラレコ映像の取引には、損害保険会社、タクシー配車サービスや運送管理システムを提供するシステム会社、自動車会社など、多岐にわたる企業がアクセス権を持っています。プラットフォーマーは、これらの映像供給者から映像を集約し、警察や自治体などの需要者に届ける必要があります。しかし、中間マージンが2つの層で分け合う形になるため、十分な映像活用のユースケースが見込めないと採算が取りにくく、一部の映像供給者しか活用に乗り出さない状況が続いていました。
新たな支援事業の具体的な内容
セトラスは、ドラレコ映像の活用を検討する企業に対し、以下の3つのカテゴリーで支援を提供します。

- ドラレコアプリ開発支援: 顧客向けの映像共有型ドラレコアプリ(Android、iOS)の開発を支援します。
- システム開発支援: CETRASの設計やソースコード共有を含め、各企業に沿ったプラットフォームのアーキテクチャ設計からシステム実装までトータルでサポートします。
- コンサルティング: セトラスが保有する特許ライセンスを含め、CETRAS事業で培った技術やノウハウを活かし、戦略立案から新規事業立ち上げまでトータルでサポートします。
特許ライセンス戦略の変更と将来性
セトラスは、時空間を指定することで事件発生日時に現場付近で偶然撮影された映像を効率良く抽出する「映像需要側起点」の基本特許を10年以上前に取得し、その後も関連特許を取得してきました。しかし、この映像需要側起点の映像活用技術を他社に許諾していないことが、結果として業界全体のドラレコ映像活用が進まない要因になっていると判断しました。
そのため、これまで非ライセンスとしてきた特許権を安価な料金でライセンスする方針に切り替えました。既に複数の企業と特許権の使用許諾契約を締結しており、自社が保有するドラレコ映像を隠れた資産として活用したい企業に対し、積極的にライセンスおよび支援を行う予定です。
防犯や防災といった公的目的以外にも、自動運転開発素材、他者事故対応、報道素材、フィジカルAI学習素材、観光、土地評価など、ドラレコ映像に対する多様なニーズがあります。これらの新たなサービスを含めると、今後数千億円規模の市場が生まれると予測されています。
この映像流通プラットフォーム事業に参入する企業の中から、最終的に3〜4社が生き残る形で新たなエコシステムが形成されるだろうと見られています。セトラスは、この領域への新規参入を検討する企業に対し、これまでに培った技術やノウハウを提供することで、迅速な事業立ち上げを支援していく方針です。
本支援事業に関心のある企業は、info@cetras.co.jpまで問い合わせが可能です。


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