日本観光振興協会が「価値創造型観光大国」を目指す中長期ビジョンを策定
公益社団法人日本観光振興協会は、2026年6月9日に開催された第63回通常総会において、「基幹産業としての観光が目指す姿を描く中長期的なビジョン」を発表しました。このビジョンは、2040年という未来を見据え、観光を日本の持続的な成長の原動力とするための重要な指針となるものです。

2040年を見据えた「価値創造型観光大国」への挑戦
日本は2040年に向けて、高齢者人口のピークや地域における産業基盤の縮小、医療・交通・教育といった生活インフラの維持困難など、社会構造の大きな転換期に直面すると予測されています。このような状況下で、観光が日本を持続的に成長させるための基幹産業となるべく、本ビジョンが策定されました。
ビジョンでは、観光を単なる「余暇・消費活動」としてではなく、「価値を生む活動」として再定義し、社会・経済・文化を横断して価値を創出する「国家資産(ナショナルアセット)」と位置づけています。

「価値密度最適化」と「五方よし」の理念
このビジョンの核となるのが「価値密度最適化」という考え方です。これは、来訪者数を増やす「量」と、単価を上げる「質」という二項対立を超え、地域ごとに最適なバランスを設計することを目指します。来訪者一人ひとりが地域に深く関わり、長く滞在し、再訪し、地域に収益や誇りを残すかを測る「価値密度」を高めることが重要とされています。
また、観光を地域にとって誇りある産業へと進化させるための具体的な設計思想として「五方よし」を提唱しています。これは、観光収益を地域へ再投資する循環を前提とし、以下の5つの「よし」を実現することを目指します。
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住んでよし: 混雑や騒音を抑制し、住民の誇りと活気につなげる。
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訪れてよし: 深い体験や学び、安全を提供し、再訪や関係人口化、移住につなげる。
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働いてよし: 適正賃金と成長機会を確保し、仕事の意味と誇りを共有する。
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事業・投資してよし: 持続可能な収益構造と再投資の仕組みで長期的成長を可能にする。
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自然・文化によし: 観光収益の一部を環境保全や文化継承へ再投資する仕組みを内包する。
未来を担う若い世代へのメッセージ
本ビジョンは、観光関連企業・団体や行政・地方自治体だけでなく、観光に直接関わっていない方々にも、観光が地域や日本の未来に果たす役割について理解を深めてもらうことを目指しています。
特に、2040年に向けて社会の中核を担う若い世代へ向けたメッセージ『2040年、日本の未来をつくるあなたへ「観光で生きる」という選択』も同時に策定されました。このメッセージは、観光の重要性や可能性への理解を促し、観光産業における多様なキャリア形成の可能性を示すことで、多くの若い人々に観光を将来の選択肢の一つとして考えてもらうことを期待しています。
ビジョン実現に向けた取り組み
日本観光振興協会は、本ビジョンの実現に向けて、様々な課題への対応を進めています。具体的には、「オーバーツーリズムへの対応」、「アウトバウンド促進による双方向交流の活性化」、「国内観光の活性化」、「観光人材の確保・育成と生産性向上」などが挙げられます。
協会は、会員をはじめとする関係者との連携を強化し、観光を日本経済と地域社会を支える基幹産業へと発展させるための取り組みを推進していく方針です。
本ビジョンおよび若い世代へのメッセージの全文・概要は、以下のリンクからご覧いただけます。
http://www.nihon-kankou.or.jp/home/activity/1781084028
また、日本観光振興協会のウェブサイトはこちらです。
http://www.nihon-kankou.or.jp/home/


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