国際自然環境アウトドア専門学校の学生が妙高から世界へ、インバウンド向けアウトドアツアーに挑戦

旅行

連携の背景と実践型プログラム

妙高エリアでは、2028年に向けてグローバル資本による国際化が進む一方で、地域の自然・歴史・文化を英語で伝えられるアウトドアガイドの不足が課題となっています。この課題は全国的にも指摘されており、特に「自然・アドベンチャー」分野でのローカルガイド不足が顕著です(令和6年国土交通省観光庁「ローカルガイドの現状・課題認識・論点設定」より https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001755315.pdf)。

このような背景を受け、「妙高の魅力を、妙高に暮らすガイドが、英語で世界に伝える地域づくり」をビジョンに、i-nacはMyoko Connectと連携しました。この取り組みは、アウトドアガイド学科(現アウトドアプロインストラクター学科)の学生を対象としたカリキュラムの一環として実施され、インバウンド対応が可能なアウトドアガイド育成に向けた初の実践事例となります。

プログラムでは、学生が以下の内容を一貫して体験しました。

  • ツアー企画(5W2H設計)

  • インバウンドマーケティングの理解

  • 英語でのガイディング実践

  • コスト設計・価格設定の検討

  • 実際の顧客評価の獲得

雪深い森の中で、冬用装備を身につけた人々がスノーシューを履いて散策している様子

戸隠神社奥社周辺でのスノーシューツアー

学生が企画・運営したツアーは、戸隠神社奥社周辺のフィールドで行われたスノーシューハイキングツアーです。自然体験だけでなく「歴史・文化を学ぶツアー」であることを明確にし、神話や杉並木の歴史、山岳信仰など、日本文化への理解を深めるストーリーテリングが軸に構成されました。

実施概要

  • 実施日: 2月12日

  • 参加者: 6名(うちインバウンドゲスト4名)

  • 対象: 4歳以上の英語が話せる方

  • 価格: 税込3,000円

  • 内容: スノーシュー歩行体験、自然解説、歴史文化解説

このツアーは、妙高エリアの観光事業者であるDISCOVER MYOKO (Myoko Connect) が主催し、学生が企画・運営の主体を担いました。

学生が担った役割

学生たちは単なる補助ではなく、実際の“一ガイド”として多岐にわたる役割を担当しました。

  • 旅行会社との企画提案ミーティング

  • 広報・プロモーション連携

  • 複数回の事前フィールドチェック

  • 英語でのガイディング練習

  • 当日のメイン・サブガイド運営

  • ゲスト評価の回収・分析

ツアー当日は教員が安全管理のサポートとして同行しましたが、運営の主体は学生が担いました。

雪深い森の中で、友人たちが集まって冬のピクニックを楽しんでいる様子

実施後の成果と学び

ツアー実施後の参加者アンケートでは、「安全に参加できた」「思い出に残る体験だった」といった高評価を得ることができました。具体的なアンケート結果は以下の通りです。

ツアー参加者6名を対象とした事後アンケートの結果を示す円グラフです。

◎ 成果(参加者に実施した事後アンケート結果より)

  • 「ツアーに満足したか?」という設問で、「期待以上」が83%、「期待通り」が17%という評価でした。

  • 「ツアーの安全管理がされていたか?」という設問で、「強く同意する」が83%、「同意する」が17%という評価でした。

  • 「ツアー中の英語はわかりやすかったか?」という設問で、「とても分かりやすい」が83%、「分かりやすい」が17%という評価でした。

  • 「戸隠の自然や文化についての説明は面白かったか?」という設問で、「とても面白い」が83%、「面白い」が17%という評価でした。

  • 「このツアーを友人や家族に勧めますか?」という設問で、「間違いなく勧める」が83%、「おそらく勧める」が17%という評価でした。

◎ お客さまのコメント

  • 「とてもフレンドリーでスピリチュアルな雰囲気でした。若い学生たちと一緒にいられて本当に嬉しかったです。ペースも良く、情報も豊富で、雪で彫られたテーブルは美しく、おやつも美味しかったです。」

  • 「スノーシューで雪の上を歩くのは初めてだったので楽しかったです。雪の上でお菓子を食べるのも楽しかったです。」

  • 「地元の知識を活かした楽しい地元体験。」

  • 「何度も私たちの様子を尋ね、立ち止まって地元の歴史を説明し、素敵なティーブレイクを提供してくれました。」

  • 「ガイドの皆さんは明るく、明るく、素敵な方々でした。素晴らしい旅で、景色も素晴らしかったです。歴史と文化に関する知識も豊富で、とても思い出に残る一日になりました。ありがとうございました。」

一方で、振り返りでは以下の課題も明確になり、学生たちはガイドとしての今後の伸び代を認識するリアルな学びの機会となりました。

◎ 外部パートナーからのフィードバック

  • 集合時のギア・ヘルスチェックの徹底

  • 神道・自然崇拝・山岳信仰の文脈をさらに掘り下げること

  • 混合ツアー(インバウンド×日本人)のコミュニケーション設計

  • コスト意識。事業としての持続性

◎ 学生の振り返り時のコメント

  • 「事前に準備していた説明や紹介したい内容は、ツアーの中でほぼ実施することができました。説明に対してゲストから質問もあり、会話をしながらツアーを進めることができたのが印象に残っています。」

  • 「ゲストの反応が良く、ツアーを通して楽しんでもらえていることを感じました。アンケートでも『思い出になった』という声があり、ガイドとして体験を提供できたことに手応えを感じました。」

  • 「今回の振り返りで、後方の参加者の確認や装備チェックなど、安全管理の大切さを改めて実感しました。参加者が経験者でも、最終確認はガイドが行う必要があるということを学びました。」

  • 「事前の下見やフィールドチェックを行った上で本番を迎えるという流れを、授業の中で実際に経験できたことが大きな学びでした。」

  • 「外部の方と連携してツアーを作る中で、情報共有が難しい場面もありましたが、そうした状況を想定して準備することの大切さを実感しました。実際の仕事に近い経験だったと思います。」

今後の展望

妙高は、国立公園を抱えながらも地域に自然と共にある暮らしが色濃く残る土地です。同時に、グローバル資本によるマウンテンリゾート開発が進む地域でもあります。i-nacは、このような地域特性の中で、以下のガイド育成を地域連携を通して実装していきます。

  • フィールドの保全と持続的利用を両立するガイド

  • 地域文化を語れるガイド

  • インバウンド市場に対応できるガイド

今回の事例を第一歩とし、産学連携による「着地型コンテンツ対応ガイド育成」を継続して展開していく予定です。

国際自然環境アウトドア専門学校 概要

新潟県妙高市にキャンパスを構える総合アウトドア分野の専門学校です。妙高戸隠連山国立公園をはじめとする豊かな自然環境をフィールドに、実践的な野外教育・ガイド養成を行っています。アウトドアガイド、登山ガイド、環境調査員、野外教育指導者、アウトドアメーカースタッフなどの専門人材教育を展開し、持続可能な観光と地域社会に貢献できる人材の育成を目指しています。

Myoko Connect概要

Myoko Connectは、新潟県妙高エリアを拠点に、自然・文化・地域の暮らしを体験として提供する着地型旅行コンテンツを企画・運営する観光事業者です。妙高戸隠連山国立公園を中心とした豊かな自然環境を舞台に、スノーシューやハイキングなどのアウトドアアクティビティを通して、地域の魅力を国内外の旅行者に伝える体験型ツアーを“Discover Myoko”ブランドで展開しています。

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