半導体製造の課題を解決する「多能性®中間膜」
Gaianixxが開発した「多能性®中間膜」は、半導体製造における長年の課題であった「格子不整合」を緩和し、異なる材料間でも高品質な単結晶膜を形成することを可能にする画期的な技術です。
格子不整合とは
結晶成長の分野において、基板となる結晶とその上に積み重ねる薄膜結晶の間で、原子の間隔(格子定数)が異なっている状態を指します。
多能性®中間膜とは
基板と半導体膜の格子不整合を駆動力として双晶型マルテンサイト変態を生じさせ、格子不整合を緩和することで上部半導体膜を高品質な結晶に成長させる、Gaianixx独自の技術です。
エピタキシャル成長とは
結晶基板の上に結晶成長を行い、下地の基板の結晶面にそろえて単結晶の薄膜を配列する成長機構です。
この技術により、従来はコストと性能が相反するとされてきた構造的なトレードオフを解消し、次世代デバイスの量産実装フェーズへの移行を目指しています。
資金調達の背景と今後の展望
今回の資金調達は、「技術検証」の段階から「社会実装」のステージへと移行するための重要なステップとなります。Gaianixxの技術は研究開発の枠を超え、既に2社において同社材料を用いたデバイス開発への移行(デザインウィン)が完了しており、製品化に向けた強いコミットメントを得ています。また、国内外のデバイスメーカーなど約40社近い企業から、共同開発や評価に関する具体的な引き合いがあるとのことです。これにより、次世代センサー、通信デバイス、パワー半導体といった多岐にわたる産業分野での採用検討が加速しています。
調達資金の使途:量産体制とグローバル展開の強化
今回調達した20億円は、急増する顧客ニーズに対応し、技術をデファクトスタンダードとして確立するための以下の領域に重点的に投資されます。
- 「山梨テクニカルセンター」の本格稼働と独自パイロットラインの運用
開発拠点である山梨テクニカルセンターの整備が完了し、ラボレベルの試作に留まらず、顧客の量産ライン導入を見据えた大規模なサンプル供給およびプロセス検証が可能となります。 - グローバル事業開発と専門人材の採用強化
新たな事業会社との連携やネットワークを活用し、北米・欧州・アジア圏への本格的な進出を進めます。これに伴い、量産プロセスエンジニア、事業開発(BD)、知財戦略のプロフェッショナルなど、専門人材の採用を大幅に拡大する予定です。 - 知財戦略のさらなる盤石化
現在、12件の特許が権利化されており(うち11件は中核技術である多能性®中間膜に関する独自特許)、さらに国内外で87件が継続出願中です。これにより技術的参入障壁をさらに高め、グローバル市場における競争優位性を確固たるものにしていきます。
投資家からのコメント
JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社の林 隼氏は、初回投資時と比較して複数の半導体パイプラインが実用化に向けて進展している点や、自社工場の構築によるサプライチェーン整備を高く評価しています。AIの普及に伴う半導体高性能化の要求やレアアース確保の課題に対し、Gaianixxの技術がレアアース使用量削減と高性能半導体製造を両立させる可能性に期待を寄せています。
Mitsui Kinzoku-SBI Material Innovation Fund Ⅱの蔭井 慎也氏は、Gaianixx社とのニオブ酸リチウム(LN)およびタンタル酸リチウム(LT)の単結晶薄膜の事業化に向けた提携をさらに加速させる意向を示しています。今後は機能性ウェハ市場への水平展開も視野に入れ、次世代通信SAWデバイス用単結晶薄膜、光通信デバイス用単結晶薄膜、半導体を含むその他機能性単結晶薄膜への事業参入を目指すとしています。
Vertex Ventures Japanの黒川 尚徳氏は、Gaianixx社の「多能性中間膜」が化合物半導体業界の長年の課題である単結晶化を実現し、10数兆円を超える化合物半導体市場のプラットフォーム技術となる可能性を秘めていることに大きな期待を表明しています。同氏が有するグローバルエコシステムを融合させ、Gaianixx社の事業拡大と化合物半導体市場の革新に貢献していくとのことです。
東レインターナショナル株式会社の柳瀬 秀夫氏は、革新的な素材技術による次世代半導体産業への貢献に大きく期待しており、Gaianixx社のさらなる飛躍と社会実装の加速に向け、全力で支援する姿勢を示しています。
きらぼしキャピタル株式会社の石原 祐太氏は、化合物半導体分野における結晶欠陥の課題を多能性®中間膜が解決し、成膜工程にブレークスルーをもたらす可能性に注目しています。今回の資金調達に伴う生産能力の増強により、多能性®中間膜の社会実装が着実に前進することから、Gaianixxが半導体材料の領域を牽引する存在となる未来に期待を寄せています。
代表取締役 中尾健人氏からのコメント
代表取締役社長CEOの中尾健人氏は、今回の資金調達を「『多能性®中間膜』が単なる基礎研究の成果ではなく、次世代半導体産業のボトルネックを解消する不可欠なピースであることを証明してきた」結果であると述べています。デザインウィンの完了やグローバル市場からの多数の引き合いは、従来の「Cost-Performance Trade Off」を解消しうるソリューションへの強い期待の表れであると確信しているとのことです。新たな株主やパートナーを迎え、「競争」ではなく「共創」を通じて経済・産業全体の発展と革新をサポートし、成長を加速させる半導体エコシステムへの貢献を目指し、世界中のデバイスメーカーへ革新的な製造ソリューションを提供していく意向を示しています。
株式会社Gaianixxについて
株式会社Gaianixxは、「多能性®中間膜で世界をリノベートする」ことをミッションとして、多能性®中間膜およびエピタキシャル研究開発・製造・販売を行う東京大学発のテクノロジーベンチャー企業です。
Gaianixxでは、ミッション実現に向けて協働してくれる仲間を積極的に募集しています。募集中のポジションは以下のリンクから確認できます。
募集中のポジションに当てはまらない場合でも、Gaianixxで半導体業界にイノベーションを起こすことに興味がある方は、以下の問い合わせ先までご連絡ください。
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