ERPC、Solana Geyser gRPC・Shredsの全リージョンでhttp化を完了し、P99レイテンシ120ms以上の改善を達成

テクノロジー

http化の背景と技術的根拠

Solanaブロックチェーンのデータは公開情報であり、gRPCやShredsで配信される情報に秘匿性はありません。従来のTLS(HTTPS)接続では、暗号化のオーバーヘッドが通信全体にわたって発生し、接続時のハンドシェイクだけでなく、ストリーミング中も継続的にレイテンシを増加させていました。

秘匿情報を含まないデータを暗号化し続けることは、レイテンシを増加させるだけで、実質的なセキュリティ上の利点をもたらさないと判断されました。この判断に基づき、ERPCはhttp化に移行しました。

IPベースの接続管理への移行

http化にあたり、ERPCはトークンやAPIキーに依存しない、IPアドレスによる接続認証・制御の仕組みを構築しました。これにより、認証処理に伴うオーバーヘッドも排除され、通信経路上の不要な処理を極限まで取り除いています。この移行は、セキュリティチェック、接続管理、不正アクセス対策を維持しながら通信オーバーヘッドを最小化するための研究開発の成果です。

パフォーマンス改善実績

一連のアップデート(AMD EPYC 第5世代アップグレード、研究開発成果を反映したチューニング改善、http化)の累積効果として、以下のパフォーマンス改善が報告されています。

  • Geyser gRPC エンドポイント: P99で120ms以上のレイテンシ改善を達成。

  • Direct Shreds(Shredstream)エンドポイント: ノード増強、設定の最適化、ハードウェアのフルスロットル解放、パス最適化、http化を含む包括的な改善により、P99で120ms以上のレイテンシ改善を達成。

本アップデートは、ERPCが提供するフランクフルト、アムステルダム、ロンドン、ニューヨーク、東京、シンガポールを含む全リージョンのエンドポイントに適用されています。

エンドポイントの移行方法

以前のhttpsエンドポイントを利用している方は、URLのhttpshttpに変更するだけで、新しいエンドポイントを利用できます。

通信オーバーヘッド削減がもたらす構造的優位性

gRPCストリーミングにおけるTLSの影響

一般的なHTTPリクエストでは、TLSのオーバーヘッドは接続時のハンドシェイクに集中します。しかし、gRPCのようなストリーミング通信では接続が長時間維持され、すべてのデータフレームが暗号化・復号化の対象となります。つまり、TLSのコストは接続時だけでなく、ストリーム全体にわたって蓄積される特性があります。

高頻度でデータが流れるGeyser gRPCやShredstreamのような環境では、この継続的な暗号化処理がテールレイテンシ(P95/P99)に顕著な影響を与えます。http化によりこの構造的なボトルネックを排除したことで、特に負荷が集中する時間帯において、安定性とレイテンシの両面で大幅な改善を実現しました。

ゼロ距離アーキテクチャとの相乗効果

ERPCは、Solanaのステーク集積が高いデータセンター内にエンドポイントを設置し、主要バリデータとのゼロ距離通信を実現しています。http化による通信オーバーヘッドの排除は、このゼロ距離アーキテクチャの利点を最大限に引き出すものであり、物理的な近接性と通信効率の両面から、レイテンシを極限まで削減する設計思想を体現しています。

ERPCのインフラ品質基準

ERPCでは、スタンダード構成を含むすべてのラインナップにおいて、高品質なリソースのみを選定しています。最新世代のAMD EPYCプロセッサ、常時フルターボ運用、ステーク集積データセンターへの配置、そして今回の通信オーバーヘッドの徹底排除といった取り組みは、パフォーマンスが直接的な価値に繋がるユーザーのために設計されています。

今後の展望

ERPCは今後も研究開発を継続し、SolanaのトップティアRPCプロバイダとして、さらなる低レイテンシ化と品質向上に取り組んでいく方針です。負荷状況の継続的な観測と、それに基づくネットワーク増強および構成の最適化を通じて、安定した高性能プラットフォームの運用を維持することを使命としています。

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