パナソニック エレクトリックワークス社、RightTouchのAIソリューションで顧客接点を革新:年間60万件のVoC活用と7000件超の自己解決を実現

テクノロジー

パナソニックにおける「QANT VoC」と「QANT Web」導入の背景

パナソニックは、住宅やオフィス、商業施設など多岐にわたる空間に向けた電気設備事業を展開しており、コンタクトセンターには年間約60万件もの問い合わせが寄せられています。同社のCXイノベーションセンターでは、電話応対からデジタルコミュニケーションへの移行を強化しており、すでに「デジタル相談化率」は95%という高い水準に達しています。

顧客体験のさらなる向上を目指し、パナソニックでは年間約60万件のVoCを全量可視化し、製品改善をはじめとする全社的な経営資源として活用する方法を模索していました。また、顧客情報やWeb上の行動履歴から「誰が」「何に困っているのか」を特定し、一人ひとりに適したFAQを表示する「パーソナライズされた対応」の仕組み構築にも取り組んでいました。

こうした背景から、VoCの全量可視化と活用を支援する「QANT VoC」と、Web行動データに基づき最適なサポートチャネルへの誘導を可能にする「QANT Web」の導入に至りました。

CX向上を起点とした「QANT」シリーズ活用の取り組みと効果

パナソニックでは、CX(顧客体験)視点を起点に「QANT」シリーズを活用した顧客接点改革を進めています。Web上での行動や問い合わせ内容から顧客の状況を先回りして捉え、解決までをシームレスにつなぐこと。そして、その中で蓄積されるVoCを製品改善やサポート品質の向上へと還元する、という一連の取り組みを「QANT Web」と「QANT VoC」を横断して推進しています。

「QANT Web」によるシームレスなチャネル体験

「QANT Web」は、Webサイトを訪れたユーザーの属性や行動履歴をリアルタイムで把握し、それぞれの状況に応じた最適なサポート導線を提示します。たとえば、緊急性が高く専門的な判断が必要な場合は有人窓口へ、自己解決が可能な内容であればFAQへと自然に誘導することで、顧客が迷うことなく問題解決にたどり着ける体験を実現しています。

この結果、Web上での自己解決は月間約800件にのぼり、顧客にとっては「問い合わせなくても解決できる」という体験が広がりました。このCX改善の積み重ねは、パナソニックの推計によると月間約100万円規模のコスト削減にもつながっています。

「QANT VoC」による潜在的な課題の可視化とCX改善

年間約60万件に及ぶ問い合わせデータを対象に、生成AIを用いた独自モデルで解析を行う「QANT VoC」は、顧客の声を網羅的かつ客観的に可視化します。単なる問い合わせ分類にとどまらず、「どのような利用状況で、なぜ困りごとが発生しているのか」といった背景まで捉えることで、顧客体験を阻害する要因を構造的に把握できるようになりました。

このように可視化されたVoCは、製品改善やサポート品質向上に活用されるだけでなく、CX向上を支えるオペレーション基盤としても機能しています。

本取り組みの詳細については、以下のインタビュー記事で確認できます。

今後の展望

今後は「QANT Web」と「QANT VoC」のデータ統合をさらに進め、顧客体験の高度化を図り、一人ひとりに最適化された「完全なパーソナライゼーション」の実現を目指します。具体的には、WebサイトのUI(ユーザーインターフェース)そのものを個人単位で最適化したり、チャットや電話といったコミュニケーション手段における個人の嗜好までも反映した体験の提供を視野に入れています。RightTouchは、パナソニックのこうした構想に寄り添いながら、顧客接点の進化と顧客体験の向上を継続的に支援していくとのことです。

「QANT」シリーズについて

「QANT」は、カスタマーサポートの各業務・顧客接点でのAI実装を多面的に支援しつつ、業務全体をつなぎ、最適化を可能にするプラットフォームです。課題分析や企画案の作成、ナレッジ作成など、工数のかかる業務はAIで自動化し、内容の確認や意思決定、対人コミュニケーションなど人が必要となる領域に集中できる環境を提供します。これにより、業務負荷を軽減し、より良い顧客体験の創出に注力できるようになります。また、この循環型のサイクルによる継続的なカスタマーサポートデータの蓄積をもとに、AIの精度を高める理想的なPDCAサイクルが生まれていきます。

QANTとHuman x AIを中心とした顧客サポートの循環プロセス

「QANT VoC」について

「QANT VoC」は、電話・チャット・メールなどを通じてコンタクトセンターに蓄積される顧客の声を、生成AIを用いた独自モデルで分析します。問い合わせデータの加工・分析から改善提案までをワンストップで自動化するVoC活用プロダクトであり、VoCをあらゆる部門に届け、顧客中心の事業経営を支える基盤となります。

「QANT Web」について

「QANT Web」は、生成AIを活用し、Web上で顧客の困りごとを問い合わせ前に検知します。適切なFAQや問い合わせ窓口など、各サポートチャネルへの導線最適化を可能にするWebサポートプラットフォームです。顧客の自己解決を促進し、CS部門の生産性とCX向上を両立します。

株式会社RightTouchについて

株式会社RightTouchは「あらゆる人を負の体験から解放し、可能性を引き出す」をミッションに掲げ、人とAIの協働でPDCAを持続的に回せる循環型モデル「カスタマーサポートオートメーション」を推進する基盤「QANT(クアント)」を開発・提供しています。VoC分析やWebサポート、コンタクトセンターオペレーション向けなど複数のプロダクトを通じて、工数削減とともにCX/EXの飛躍的な向上を実現し、金融・インフラ・小売などさまざまな業界のエンタープライズ企業のカスタマーサポート(CS)変革を支援しています。同社は株式会社プレイド(東証グロース 4165)からカーブアウトしたスタートアップです。

コメント