「Thermorphous™ FX25」の革新的な特長
「Thermorphous™ FX25」は、バッテリーの安全性と性能を両立させるユニークな特性を持っています。

通常稼働温度においては高い熱伝導率を発揮し、バッテリーセル間の熱拡散を促進します。これにより、バッテリーの出力性能向上と長寿命化が期待されます。
一方で、セルの熱暴走が発生するような高温域に達すると、熱伝導率が急激に低下し、遮熱機能を発揮します。この機能により、熱暴走が発生したセルの周囲を断熱・遮熱し、隣接するセルへの類焼を防ぐことが可能です。従来は両立が困難であった「安全性と出力性能」を単一材料で実現できるため、バッテリーパックの構造簡素化やトータルコスト低減にも貢献します。

この材料は2液硬化型のポッティング剤として機能し、円筒形、角形、パウチ型といった様々な形状のバッテリー設計に柔軟に対応します。また、金型を利用することで、セルホルダーのような立体形状やシートへの加工も可能になります。1mm以下の微細な間隙にも充填できるため、複雑な立体構造を持つバッテリー内部への適用も大きな特長です。



Thermorphous™ FX25(開発品)の主な特性
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種類: 2液硬化型熱放散・断熱ポッティング剤
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熱伝導率(常温): 1.0W/m・K以上
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熱伝導率(熱暴走時): 0.1W/m・K以下
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粘度: 3.2Pa・s (25℃)
共同開発の背景と今後の展望
サカタインクスは、エネルギーの貯蔵と運用を効率化し、安全かつ安心して利用できる社会の実現を目指しています。このビジョンのもと、2023年にはMatwerkz Technologies社へ出資し、両社は熱マネジメント分野における技術連携を進めてきました。
近年、リチウムイオン電池は出力向上により利便性が増す一方で、電池パックの火災事故も増加傾向にあります。また、AIの普及に伴う膨大な計算処理の増加や高性能デバイスの普及により、熱の制御は避けて通れない重要な課題となっています。こうした熱対策は、持続可能な社会の基盤を築く上で不可欠であり、革新的な技術開発が求められています。
サカタインクスは、この重要なテーマに積極的に取り組み、社会貢献を目指しています。現在、国内大手企業1社との共同評価も進行しており、2027年の量産化を目指しています。
「BATTERY JAPAN 2026」での初公開
「Thermorphous™ FX25(開発品)」は、以下の展示会で初公開されます。
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展示会名: BATTERY JAPAN(国際二次電池展)
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会期: 2026年3月17日(火)~19日(木)
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会場: 東京ビッグサイト
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ブース番号: S33-1
展示会期間中は、Matwerkz Technologies社の創業者兼CEOであるDr. Leong Yew Wei氏も来日し、サカタインクスの技術スタッフと共にブースに常駐します。来場者は、現在の技術課題や開発可能性について直接意見を交わす貴重な機会となります。
出展予定開発品
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Thermorphous™ FX25(開発品)
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フレキシブル温度センサー(開発品)
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遮熱シートCocoon (Matwerkz Technologies社開発品)
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遮熱コーティング材(Matwerkz Technologies社開発品)
「Thermorphous™ FX25」の詳細については、以下の特設サイトをご覧ください。
https://www.inx.co.jp/product/business/new/electronics/thermorphous/
各社について
サカタインクス株式会社
1896年創業のサカタインクスは、世界の20を超える国と地域に展開する印刷インキ販売で世界第3位の化学メーカーです。印刷インキ、産業用インクジェットインキ、カラートナー、液晶ディスプレイ用画像表示材料などの製造・販売を手がけ、「ビジュアル・コミュニケーション・テクノロジーの創造」をビジネステーマに、環境に配慮したサステナブル製品を通じて「人々の暮らしを快適にする情報文化の創造」を目指し、新規分野への挑戦を続けています。
https://www.inx.co.jp/
Matwerkz Technologies Pte. Ltd.
シンガポールに拠点を置く先進材料のスタートアップ企業で、創業者兼CEOはDr. Leong Yew Wei氏です。熱マネジメント、エンジニアリングプラスチック、バイオプラスチックなどの分野で革新的なソリューションを提供しています。材料科学と応用技術の融合により、持続可能で高性能な製品開発を支援し、エネルギー、モビリティ、エレクトロニクスなど多様な産業分野に貢献しています。
https://matwerkz.com


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