プロスポーツ選手の引退後の不安を解消へ:現役バスケ選手が競技経験をビジネススキルに言語化するワークショップを実施

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プロスポーツ選手の引退後のキャリア不安と新たな取り組み

プロスポーツ選手の90.1%が引退後のキャリアに不安を感じていることが、共同通信PRワイヤーの「アスリートのセカンドキャリアに関する意識調査」(2024年)により明らかになりました。この不安の背景には、競技人生で培った能力が社会で通用するスキルとして十分に言語化されていないという課題があります。

アスリートは、高い目標設定力、継続力と自己管理能力、瞬時の判断力、チームビルディング力といった高度なポータブルスキル(汎用性の高い強み)を日常的に発揮しています。しかし、これらの能力が社会でどのように活かせるのか、整理する機会が不足しているのが現状です。

こうした状況を受け、建物管理運営事業を展開する日本管財株式会社は、アスリートのセカンドキャリア問題解決に協力する社内プロジェクトを開始しました。その取り組みの一環として、複業アカデミーを運営するColor WiTh株式会社は、東京ユナイテッドバスケットボールクラブ(TUBC)の現役選手を対象とした「自分史作成ワークショップ」を2月25日に開催しました。

ワークショップの様子

競技経験を「仕事のスキル」へ言語化する実践型プログラム

本ワークショップは、単なる引退後の準備にとどまらず、競技経験を社会で通用するスキルに変換し、自身の価値をさらに高めることを目的とした実践型プログラムです。選手たちは、競技人生の棚卸しを行い、コート上で培った思考力やチームビルディング力などを「ビジネススキル」として言語化するプロセスに取り組みました。

研修のポイント

  • 仕事だけでなく「人生経験」からキャリアを設計する新しいアプローチ: 職歴だけでなく、人生の転機や競技経験、日常の出来事までを振り返り、ポータブルスキルとして言語化する「人生起点」の設計が特徴です。

  • 自分史からポートフォリオまでを一貫して設計する実践型プログラム: 自己分析で終わらず、「複業洗い出しシート」を通じて強みを構造化し、第三者へ価値を伝えるポートフォリオ設計の考え方までを提示しました。

  • 「経験を価値へ変換する」社会的意義: ビジネス未経験のアスリートであっても、競技人生で培った多くの能力を可視化し、社会で通用する言葉へ再定義する仕組みを提供します。これは個人の不安解消だけでなく、多様な経験を持つ人材が正しく評価される社会づくりにもつながる取り組みです。

自分史作成ワークショップの資料イメージ

ワークショップの具体的な実施内容

ワークショップは主に以下の2つのステップで構成されました。

STEP① 自分史作成「過去の経験をビジネススキルへ変換する」

単なる年表作成に留まらず、過去の成功体験や挫折、私生活での大きな転機(出産、育児、趣味への没頭など)を徹底的に棚卸ししました。一見ビジネスとは無関係に思える経験から「自分にしか出せない価値」を抽出し、育児で培ったマルチタスク能力や、スポーツで得た目標設定能力・判断力などのポータブルスキルを、具体的なビジネススキルへと紐付けて言語化しました。

STEP② ポートフォリオ作成「自身の価値を可視化し第三者へ届ける」

自分史で言語化した経験や価値観をもとに、第三者へ自身の価値を伝えるためのポートフォリオ設計に取り組みました。単なる経歴整理ではなく、ポータブルスキルと職務スキルを整理・構造化し、「何ができる人なのか」「どの領域で価値を発揮できるのか」を明確にしていくプロセスです。

複業洗い出しシートの活用

Color WiTh独自の「複業洗い出しシート」を活用し、自分史で整理した経験や価値観をもとに、ポータブルスキルと職務スキルを掛け合わせて潜在的な強みを可視化し、ポートフォリオの土台を築きました。

<複業洗い出しシートの内容>

  • ご経歴の整理: 年月、所属、職種、役職などを整理し、身につけてきたスキルも言語化します。

  • スキルの棚卸し: スキルをカテゴリごとに整理し、経験年数や実績を可視化することで、自身のスキルレベルや強みの傾向を客観的に把握します。

  • 強み・価値観の言語化: 「自分史」で抽出した強みや価値観と照らし合わせながら、ポータブルスキルやスタンスを整理し、自己PRやキャリアの軸となる要素を言語化します。

  • できることの整理: 経験・スキル・強み・価値観をもとに、自身が提供できる価値を「サービス/事業」という視点で整理し、誰に、何を提供できるのかを具体化します。

  • 複業案件の方向性の整理: 実際の案件獲得を見据え、できることと市場ニーズを照合しながら優先順位を整理します。(今回の研修では時間の都合上行われていませんが、今後も継続的に連携を進めていく予定です。)

選手の実体験から言語化されたポータブルスキルの一例

自己紹介ポートフォリオの作成

「複業洗い出しシート」で整理した経験・スキル・強み・価値観を統合し、第三者へ自身の価値を正確に届けるための「自己紹介ポートフォリオ」へと落とし込みました。ポータブルスキルや職務スキルの中から、自身ならではの強みを抽出。専門性やスタンスを直感的に伝えられる「キーワード(ハッシュタグ)」として整理することで、自分の特徴を一目で伝えられる状態を目指します。このポートフォリオは、今後の複業案件の獲得や新たなプロジェクトへの参画における「自己PR資料」として活用されることが期待されます。

自己紹介ポートフォリオのイメージ

参加選手からの声と今後の展望

ワークショップ終了後のアンケートでは、参加満足度が100%という結果でした。また、参加者の90%が「今後さらに知りたいテーマ」として「セカンドキャリア」を挙げており、現役アスリートのキャリア設計への高い関心が示されました。

東京ユナイテッドバスケットボールクラブの現役選手からは、以下のような感想が寄せられています。

  • 「これまでスポーツに注力してきたため、競技経験がビジネススキルとして活かせるとは考えたことがありませんでした。自分史を作ることで、コミュニケーション力や継続力など、今すぐ社会でも活かせる強みがあると気づくことができました。」

  • 「『コミュニケーションは得意だが説明は苦手』という自分の特性が、営業での推進力やチームリーダーに必要な資質につながると知り、新しい視点で自分を理解できました。」

  • 「チームの一員として活動している今だからこそできることがあると感じました。SNSでの発信やセルフブランディングなど、将来のキャリアにつながる行動を現役のうちから意識していきたいと思います。」

Color WiTh株式会社の代表取締役である若色広大氏は、アスリートのキャリアにおいて、引退後だけでなく現役中から社会との接点を持つことの重要性を強調しています。本研修が、アスリートと企業双方にとって新しいキャリアモデルの一歩となることを期待しています。

Color WiTh株式会社 代表取締役 若色広大氏

実施概要

  • 日時: 2026年2月25日(水)11:00〜12:30

  • 会場: 東京都内

  • 参加者: 東京ユナイテッドバスケットボールクラブ(TUBC)現役選手10名

  • プログラム:

    • バスケットボール選手に合わせたアイスブレイク

    • 人生の振り返りと“強み”の根拠の探索

    • ポートフォリオ(自己紹介資料)作成

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