バーチャルスポーツフォーラムプラスがローザンヌで開催
2026年3月17日、スイス・ローザンヌのオリンピックミュージアムにおいて、「バーチャルスポーツフォーラムプラス」が開催されました。このフォーラムは、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)とワールドローイングが共催し、スポーツの未来を切り拓く国際的なイノベーションの結節点として注目を集めました。

開催の背景と目的
フォーラムには、国際統括団体、国際競技連盟、ハイパフォーマンス分野のリーダー、政府機関、産業界、学術界、テクノロジー関連分野など、45を超える団体から140名以上の代表者が参加しました。参加者は、急速に進化するバーチャルスポーツおよびeスポーツの現状を共有し、スポーツにおける新たな地平の共創に向けて活発な議論を行いました。
JSCが設置するハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)は、2023年11月にワールドローイングと連携し、バーチャルスポーツに関する国際共同研究を推進するための協定覚書を締結しています。さらに2024年度からは「バーチャルスポーツフォーラム」を開催し、国際オリンピック委員会(IOC)や国際競技連盟、eスポーツ関連団体などとともに、国際的な潮流や将来展望について議論を重ねてきました。

ローザンヌでの開催は、国際スポーツ界においてバーチャルスポーツなどの取り組みが検討段階から具体化フェーズへと進展していることを示しています。IOC主導の取り組みへの期待が高まる一方で、「オリンピックEスポーツゲームズ」をめぐる多様な論点も浮き彫りとなり、国際的な対話の深化と方向性の整理が重要であると認識されています。

開会挨拶と重要なメッセージ
開会挨拶では、オリンピック・キャピタルであるローザンヌの特性と、世界のスポーツ発展を牽引する情報発信拠点としての役割が強調されました。ローザンヌ・オリンピック・キャピタル財団ディレクターのセバスチャン・グリースマー氏に続き、ワールドローイング会長のジャン=クリストフ・ロラン氏は、JSCとの「ハイパフォーマンスからライフパフォーマンスへ」というコンセプトの下での協働に謝意を表明しました。

また、本フォーラムがスポーツとイノベーションを結びつける国際的な結節点へと発展していることに触れ、バーチャルスポーツが世界規模でウェルビーイングとインクルージョンを促進する上で重要な役割を担うことを強調しました。

IOC基調講演:「eスポーツ医・科学の観点から見るeスポーツの可能性」
IOCメディカル&サイエンティフィック・ディレクターのジェーン・ソーントン氏が「eスポーツ医・科学の観点から見るeスポーツの可能性」をテーマに基調講演を行いました。パフォーマンスや参加機会の観点に加えて、アスリートの健康とウェルビーイング、さらには包括的なケアの重要性が、全体を通じた中心的テーマとして強調されました。

IOCが推進するセーフガーディング、傷害予防、メンタルヘルス支援、クリーンスポーツの取り組みは、従来の競技だけでなく、eスポーツやバーチャルスポーツ分野においても、その重要性が一層高まっていることが説明されました。
国際競技連盟の事例紹介
各国際競技連盟からは、バーチャルスポーツやeスポーツに関する具体的な取り組みが紹介されました。
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UCI(国際自転車競技連合)
ケビン・マキューイッシュ氏(オリンピック・メジャーイベント統括)が、サイクリングeスポーツのプラットフォーム革新、競技フォーマット、グローバル展開について説明しました。

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ワールドローイング
フィリップ・リュビチッチ氏(理事、インドアローイング委員会委員長)とジュリエット・デュシュマン氏(インドアローイングマネジャー)が、進化するインドア/バーチャルローイングの新展開と中長期戦略を紹介しました。

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ワールドトライアスロン
ジョン・ワイアット氏(事務総長)とクリス・ジェメル氏(商業・マーケティング責任者)が、実空間と仮想空間の要素を融合した「Eワールドトライアスロン選手権」の公式世界選手権化について発表しました。

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FIBA(国際バスケットボール連盟)
フランク・レンダース氏(メディア&マーケティングサービス事務局長)が、eFIBAの国際展開:NBA2Kを基盤とした競技成長と参加国の拡大について説明しました。


諸外国の事例紹介:ハイパフォーマンスからライフパフォーマンスへ
JSC理事でハイパフォーマンススポーツセンター長の久木留毅氏、シンガポール・スポーツ、ハイパフォーマンススポーツインスティチュート(HPSI)ディレクターのチュン・ウェイ・スー氏、クイーンズランド工科大学(QUT)スポーツディレクターのエミリー・ローズモンド氏(モデレーター)が登壇しました。

オーストラリア、シンガポール、日本の代表は、バーチャルスポーツを各国システムにどのように統合するかについて意見を交わし、スポーツサイエンスやテクノロジーへの投資、さらに分野横断の連携が、エリートスポーツの成果をより広く地域社会のスポーツ参加へとつなげる新たな道筋を生み出していることを共有しました。

パネル:ゲーム技術およびデジタル環境のフィジカルスポーツへの適用
MyWhoosh eスポーツ&ゲーム運営ディレクターのマシュー・スミスソン氏、Concept2 マネージングディレクターのアレックス・ダン氏、Refract Technologies COOのジェラルド・リー氏、ワールドローイング理事でインドアローイング委員会委員長のフィリップ・リュビチッチ氏(モデレーター)が参加しました。

このパネルでは、ゲームやデジタル環境がフィジカルスポーツにどのように応用されているかを検討し、競技ゲーム文化とアスリートのトレーニング・パフォーマンスとの融合、さらにバーチャルな形式を通じて新たな、特に若年層の参加者層にリーチできる機会の拡大について議論が行われました。
事例紹介:オールジャパン体制によるバーチャルスポーツ・eスポーツ推進
日本eスポーツ協会公共委員会委員長の石原靖士氏、東京都スポーツ推進本部国際スポーツ事業部国際連携担当課長の若林健太郎氏、JSC国際情報戦略部主幹でHPSCバーチャルスポーツ研究室長の坂田博史氏(モデレーター)が登壇しました。

日本がバーチャルスポーツおよびeスポーツの発展に向けて進めているマルチステークホルダー型の取り組みが紹介され、これらの新たな分野が日本のスポーツ政策におけるフロンティアであることが強調されました。また、オールジャパンでの統一的な戦略が実質的な価値を生み、前向きな変化を促していることも示されました。これらの取り組みは、バーチャルスポーツやeスポーツが国のスポーツ政策においてますます重要性を増していること、そして東京2020大会のレガシーを拡張する役割を果たしていることを示しています。

パネル:コミュニティ連携によるバーチャルスポーツの社会的インパクト創出
ワールドローイング事務総長のヴァンサン・ガイヤール氏、ワールドテコンドー事務次長のジェイ・リー氏、ダカール2026 YOG組織委員会エンゲージメントディレクターのファンタ・ディアロ氏、JSC国際情報戦略部事業企画推進課主任専門職の山田悦子(モデレーター)が登壇しました。

パリ2024インパクト&レガシー戦略評価監督委員会委員である山田氏より、スポーツを通じてどのように社会的インパクトを創出し得るかについて、具体的な事例や課題の紹介がありました。これを受けて、バーチャルスポーツのエコシステムが、世界中でスポーツへのアクセス拡大、デジタルリテラシーの向上、そしてコミュニティエンゲージメントの強化にどのように貢献できるかが探求されました。さらに、バーチャルスポーツの最大の可能性は、エリート競技にあるのではなく、すべての人にスポーツへの参加機会を広げることにあるのではないか、という見解が重要な論点として示されました。
「ローザンヌ宣言」発表
ワールドローイング会長のジャン=クリストフ・ロラン氏とJSC理事長の芦立訓が、バーチャルスポーツの発展に向けた持続可能かつ国際調和的な行動を掲げる「ローザンヌ宣言」を発表しました。この宣言は、ワールドローイングおよびJSCが、バーチャルスポーツの未来を形づくり、その発展を促進するとともに、その健全性を守っていくことへの強いコミットメントを示すものです。


閉会・今後の展望
IOC委員のン・セル・ミアン氏は、バーチャルスポーツの国際的な重要性が一段と高まっていることに加え、JSCとワールドローイングが推進するハイパフォーマンスからライフパフォーマンスへと視点を広げるコンセプトが果たす社会的役割の大きさを重要な論点として位置づけました。

参加者は、イノベーション、インクルージョン(包摂)、そしてコラボレーション(協働)を推進する重要な領域であることを改めて認識しました。また、JSCとワールドローイングは、今後も両者の協働を一層深化させ、より高い次元へ発展させていくことを確認しました。

別会場では、JSC/HPSCのポスター発表が行われ、東京2020大会のレガシー推進やパートナーショーケースとして、オールジャパンでの取り組みが積極的に発信されました。これらの活動を通じて、新たなネットワークの構築・強化にもつながりました。


国際的な注目
本フォーラムは、IOCやワールドローイングをはじめ、主要な国際スポーツメディアでも積極的に取り上げられ、国際的にも高い関心を集めました。IOCの公式ホームページで紹介されたほか、ワールドローイングの特集記事や、国際的なスポーツ専門メディアInside the Gamesによる報道を通じ、本フォーラムの意義と影響が広く発信されています。
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IOC Olympic Highlights
https://www.olympics.com/ioc/olympic-highlights -
World Rowing and Japan Sport Council Convene Global Leaders at Virtual Sports Forum Plus in Lausanne
https://worldrowing.com/2026/03/18/world-rowing-and-japan-sport-council-convene-global-leaders-at-virtual-sports-forum-plus-in-lausanne/ -
World Rowing and Japan lead virtual sport push
https://www.insidethegames.biz/articles/world-rowing-and-japan-lead-virtual-sport-ush
JSCの関連情報はこちらからもご確認いただけます。
- ハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/


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