サッカー界の安心・安全を推進!S.C.P. JapanがJFA・Jリーグ協力のもとセーフガーディングeラーニングと実践ガイドを公開

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サッカー界の安心・安全を推進するセーフガーディングeラーニングと実践ガイドが公開

一般社団法人S.C.P. Japanは、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)および公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の協力のもと、サッカー界におけるセーフガーディングを推進するためのeラーニング教材と実践ガイドを公開しました。

この取り組みは、日本財団の助成を受け、「スポーツにおける子どもの安全保護(セーフガーディング)システムの構築プロジェクト」の一環として進められています。国際オリンピック委員会(IOC)のコンセンサス声明や国際サッカー連盟(FIFA)のセーフガーディングに関する資料を参考に、日本のスポーツ現場で実践可能な仕組みづくりを目指しています。

セーフガーディングとは何か

近年、スポーツ界では「Safe Sport(セーフスポーツ)」や「Safeguarding(セーフガーディング)」という概念が国際的に重視されています。

IOCは、セーフスポーツを「参加者が身体的・心理的に安全で、スポーツ参加の恩恵を最大限に享受できる支援的な環境」と定義しています。また、セーフガーディングは「スポーツにおけるハラスメントや虐待に関する懸念の予防と、それらに適切に対応するためのあらゆる積極的な取り組み」であり、アスリートのウェルビーイングを包括的に促進するアプローチも含むものとされています。

これは、暴力やハラスメント問題への対策を、発生後の処罰にとどめず、ポリシーや行動規範の整備、予防(啓発・教育・適切なスクリーニング)の実施、早期発見の仕組みづくり、人権を軸とした適切な対応と被害者の保護を含む包括的な仕組みとして、スポーツの安心・安全を捉える考え方です。セーフスポーツの実現には、こうした仕組みづくり(セーフガーディングの取り組み)が不可欠であるという考え方が、国際スポーツ界の標準になりつつあります。

IOCコンセンサスに関する詳細はこちらをご覧ください。
スポーツにおける対人暴力(Interpersonal Violence)とセーフガーディング

FIFAのセーフガーディングに関する資料は以下で確認できます。
FIFA Guardians

現場で活用できる実践ガイドを公開

S.C.P. Japanは、国内におけるセーフガーディングの推進を目的として、現場での実践に役立つ2種類の実践ガイドを作成しました。これらのガイドは、子どもの権利とセーフガーディングの専門家である森克己教授(鹿屋体育大学)とジャパンセーフスポーツプロジェクトの監修のもと制作されています。

1. セーフガーディング基本の「き」(セーフガーディング推進ガイド)

この資料は、セーフガーディングの基本概念、子どもへの危害の種類、組織として取り組むべき対策を整理した入門ガイドです。人権や子どもの権利の視点から安全環境を整えるセーフガーディングの考え方を理解し、各組織ができる範囲から仕組みづくりに取り組めるよう作成されています。

セーフガーディング基本の「き」の表紙

セーフガーディング基本の「き」の内容

ガイドはこちらからダウンロードできます。
セーフガーディング基本の「き」ダウンロード

2. セーフガーディング担当者向け 軽微な懸念の対応ガイド

日常のスポーツ活動で生じる小さな違和感や懸念への対応を整理したガイドです。ハラスメントや虐待は突然発生するものではなく、初期段階の兆候が存在するため、早い段階で気づき、対応することで暴力を未然に防止することが重要とされています。現場の担当者の実践を支えることを目指して作成されました。

軽微な懸念の対応ガイドの表紙

軽微な懸念の対応ガイドの内容

ガイドはこちらからダウンロードできます。
軽微な懸念の対応ガイドダウンロード

これらの資料は今後、S.C.P. Japan、JFA、Jリーグの各ウェブサイトにて無料のツールとして公開される予定です。
S.C.P. Japan WEBサイト

eラーニング「子どものセーフガーディング基礎コース<サッカー編>」の開発

実践ガイドに加え、サッカーに関わる幅広い立場の人がセーフガーディングの基礎について学べるeラーニング教材が開発されました。セーフスポーツの実現には、スポーツに関わるすべての人が自分の役割を理解し、行動することが重要です。

eラーニング「子どものセーフガーディング基礎コース<サッカー編>」のイメージ

本eラーニングコースでは、セーフガーディングの基本概念、スポーツにおけるハラスメントや虐待のリスク、子どもの権利を尊重したスポーツ環境の考え方、セーフガーディング実現に向けた組織としての取り組み方などを体系的に学ぶことができます。

公開に先立ち実施されたトライアルでは、モニター受講者約180名のうち98.6%が「理解が深まった」、96.4%が「本研修を他の人に勧めたい」と回答し、スポーツ現場におけるセーフガーディング教育の必要性が確認されました。

本eラーニングは2026年度中に一般公開される予定で、JFAとの連携を通じて、JFA公認指導者に向けた展開も検討されています。
eラーニングサイト

プロジェクト実施の背景と今後の展望

データとエビデンスに基づくセーフガーディング実践の推進

IOCは、スポーツにおけるハラスメントや虐待への対策を進める上で、研究やデータ収集など、エビデンスに基づいた取り組みの重要性を強調しています。今回のeラーニング開発にあたり実施されたモニター調査では、セーフガーディングの重要性は認識されているものの、その理念が現場の実践や組織体制に十分に反映されていない状況が明らかになりました。また、約3分の1のサッカー関係者が、自身の所属するチームや現場で過去に子どもに対する虐待・暴力・暴言などの問題が発生したことがあると回答しており、スポーツ現場における依然として大きな課題であることが示されています。

調査報告書の詳細はこちらからご覧いただけます。
調査報告書

S.C.P. Japanは、実態に基づくエビデンスと向き合いながら、透明性をもってセーフガーディングの取り組みを進めることが重要だと考えています。今後も、学びの機会の提供と合わせて現場の実態やニーズを把握する調査も行い、継続的にセーフガーディングの実践を改善していくことを目指しています。

スポーツ界全体で取り組む文化へ

セーフガーディングは、特定の担当者や指導者だけでなく、スポーツ団体、クラブ、指導者、選手、保護者、スタッフ、ボランティアなど、スポーツに関わるすべての人が、それぞれの役割を理解し協働して取り組むことが求められています。

S.C.P. Japanは、セーフガーディングを個人の問題として捉えるのではなく、スポーツ現場の構造や文化とも関わる課題であると認識しています。選手と指導者、選手同士、スタッフ間、保護者と指導者など、スポーツ現場に存在するさまざまな関係性に目を向けながら、健全な人間関係(Healthy Relationship)と健全な組織文化を育む取り組みとしてセーフガーディングを推進しています。

今後の取り組みと継続的な課題

スポーツにおけるハラスメントや暴力などの加害行為は決して許されるものではありません。セーフガーディングには、このような行為を予防することだけでなく、問題が生じた際に適切な調査や透明性のある処分を行う体制、被害を受けた人の救済やトラウマに配慮した保護対応を整えることも含まれます。

また、スポーツの現場では、子どもだけでなく、障害のある人、女性、LGBTQ+、外国人など、社会の中で差別や不平等な影響を受けやすい人々が、ハラスメントや暴力行為などのリスクにさらされやすいことも指摘されています。セーフガーディングの実践においては、こうしたリスクの高まりやすい状況にも目を向け、すべての人が安心・安全にスポーツに関われるインクルーシブな環境づくりを進めていくことが重要です。

S.C.P. Japanは、今後もこれらの課題に一つひとつ向き合いながら、教育、仕組みづくり、そして現場での実践の積み重ねを通じて、セーフガーディングの取り組みを継続的に推進していく方針です。

関係者からのコメント

公益財団法人日本サッカー協会 リスペクト委員会 今井純子委員長

「JFAは、『リスペクト=大切に思うこと』を掲げ、子どもや弱い立場にある人々が、安心・安全にサッカーを楽しむことができる環境を目指しています。このたび共同開発した二つの教材はセーフガーディングを一歩前進させるものと期待しています。JFAは、S.C.P. Japan、Jリーグ、そしてサッカーファミリーの皆さんとともにセーフガーディングがサッカー界の文化として根づいていくようさらなる取り組みを進めてまいります。」

公益社団法人日本プロサッカーリーグ

「Jリーグでは、Jクラブと共に、2019年よりセーフガーディングに取り組んでいます。安心・安全が全ての活動のベースです。また、この活動に垣根はありません。S.C.P. Japan、JFAと共に、これからもセーフガーディングの取り組みを推進してまいります。」

一般社団法人S.C.P. Japanについて

S.C.P. Japanは「一人ひとりが自分らしく歩んでいける未来をつくる」をビジョンに掲げ、スポーツを通じて共生社会の実現を目指し、2020年に設立されました。運動プログラム、研修・啓発活動、交流プログラムを柱に、障がい、女性、LGBTQ+、国際協力、人権/セーフガーディングの5つのテーマに注力して、多様な団体と連携しながらプロジェクトを実施しています。

公式ホームページ:https://scpjapan.com/

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