「フィルムは記録する」とは
「フィルムは記録する ―国立映画アーカイブ歴史映像ポータル―」は、国立映画アーカイブが所蔵する豊富なコレクションの中から、劇映画ではない実写作品である文化・記録映画やニュース映画を全篇視聴可能な状態で公開しているウェブサイトです。2023年3月31日の開設以来、これまでに314作品が公開され、日本の近現代史における社会の諸相やそこで生きてきた人々の記録を広く共有することを目指しています。
今年は昭和元年から起算して満100年を迎える節目の年であり、本サイトの映像は「昭和100年ポータルサイト」とも連携し、貴重な歴史資料としても活用が期待されます。
新規公開作品とサイトリニューアルのポイント
今回のリニューアルでは、1923年から1943年までの間に撮影・製作されたサイレントの文化・記録映画25作品が追加されました。これらの作品は、国内外の風物・産業・暮らしを紹介する旅の映画、全国的なスポーツ大会や記念式典の記録、さらには防空思想や軍事力をテーマにした教化・宣伝映画など、戦前期の多様な側面を伝える歴史映像で構成されています。
また、サイト自体も連想検索機能の導入など、検索機能を中心に大幅な改善が施され、利用者が目的の映像を見つけやすくなっています。
注目の新規公開作品の一部
今回公開される作品の中から、いくつかをご紹介します。
『滿洲 地方篇』

1932年3月1日に建国宣言された満洲国の風物や産業を紹介する文部省映画の1篇です。日露戦争の戦跡が残る旅順から、北はハルビン、東は吉林、西は内蒙古の通遼まで、各地の様子や旧跡、産業、人々の生活が記録されています。
『第五回明治神宮体育大會 昭和四年秋』

戦前に明治神宮外苑で催されていた国内最大の競技会を記録した作品です。水泳、陸上、球技、相撲など多様な競技が紹介されるほか、昭和天皇がご覧になった様子も収められています。
『北海道の旅』

鉄道省が北海道への観光客誘致のために製作したPR映画です。青函連絡船での乗船から始まり、函館、大沼公園、小樽、札幌、夕張炭山、定山渓温泉、狩勝平原、釧路、阿寒湖、屈斜路湖、旭川、層雲峡といった北海道各地の雄大な自然や観光地を巡る旅程が描かれています。
『野田醤油株式会社 第十七工場 披露祝賀会 大正十五年四月二日…三日』

現在のキッコーマン株式会社である野田醤油株式会社が、需要増加に対応するため1926年3月31日に竣工した第十七工場の披露祝賀会を記録した映画です。
『防空』
爆弾の種類や諸外国との戦力比較、日本の地理的状況と防空体制を示し、空襲に備える準備と心構えの必要性を説いた教化映画です。アニメーションや災害記録映像を交えた詳細な説明からは、当時の日本の防空体制の脆弱性がうかがえます。
『蒙古實情 興安嶺を越えて 昭和四年十月[別版]』
![蒙古實情 興安嶺を越えて 昭和四年十月[別版]](/wp-content/uploads/2026/03/3f3d89399b92a4e9568d1f6e8903c52c.webp)
吉林省の洮南から馬や牛車で興安嶺に向かう旅を記録した既公開作品の別バージョンです。より長尺の本作では、興安嶺を越えた先の場面まで含まれており、当時の中国東北部の実情をより深く知ることができます。
サイト概要

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サイト名: フィルムは記録する ―国立映画アーカイブ歴史映像ポータル―
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URL: https://filmisadocument.jp/
- 公開日までは既存の314作品のみ視聴可能です。
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制作: 国立映画アーカイブ、国立情報学研究所
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公開日: 2026年3月27日(金)16:00
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新規公開作品: 1923年から1943年に撮影・製作された日本の文化・記録映画25作品(すべて無声)
国立映画アーカイブが提供するこの貴重な歴史映像ポータルサイトを通じて、日本の近現代史に触れ、当時の人々の暮らしや社会の動きを映像で体験してみてはいかがでしょうか。


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