日経BPコンサルティング「ブランド・ジャパン2026」発表:サントリーが初の総合力首位、チキンラーメンやパナソニックが大幅上昇

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一般生活者編:「総合力」ランキングでサントリーが初の首位獲得

一般生活者編の「総合力」ランキングでは、サントリーが前回25位から大きく順位を上げ、初の首位を獲得しました。サントリーは、ブランドを構成する要素の中でも、イノベーティブ(革新性)とコンビニエント(利便性)の評価が急上昇しています。コンビニエントランキングでは7位(前回91位)、イノベーティブランキングでは20位(前回82位)となりました。これに加えて、フレンドリー(親和性)ランキングでも1位(前回21位)と評価が高まったことが、首位獲得に繋がったと考えられます。

サントリーは、2025年大阪・関西万博でのウォータープラザにおける水上スペクタクルショーが話題を呼び、「水と生きる SUNTORY」という企業メッセージを体現したエンターテインメントとして高く評価されました。また、「ザ・プレミアム・モルツ」のCMシリーズが幅広い層に支持され、「サントリー生ビール」の定番化や「金麦」のブランド刷新など、多様化する家飲み需要への迅速な対応が、日々の生活における利便性への評価を飛躍的に向上させました。さらに、製造工程での「脱炭素」への挑戦として「グリーン水素」製造設備の導入計画を発表するなど、環境配慮と技術革新を両立させる姿勢も評価を支える一因となっています。これらの取り組みが奏功し、全ブランドの中で最も親しみのあるブランドへと躍進しました。

表1 ブランド・ジャパン2026「総合力」ランキング 上位100ブランド

トップ5にはYouTube、ダイソー、パナソニック、無印良品がランクイン

「総合力」ランキングの2位にはYouTube(前回首位)がランクインしました。AI技術の統合や購買体験の拡張により「イノベーティブ」は高水準を維持しています。動画生成AIモデル「Veo」の統合や「YouTubeショッピング」の本格普及が進み、プラットフォームとしての機能を進化させた点が評価されました。サービス開始20周年を迎え、生活空間に溶け込むことで「フレンドリー」の評価も高まっています。

3位はダイソーでした。長引く物価高の中で、生活者の家計防衛意識に寄り添う施策が評価されています。若年層が財布代わりに使う百均ポーチをはじめとした「透明グッズ」や、公式アプリへの「在庫検索機能」追加など、企業努力とデジタル活用による顧客体験の改善が進み、順位を上げました。

4位はパナソニックで、特に「コンビニエント」では全ブランド中1位を獲得しています。ドラム式洗濯乾燥機や自動調理鍋など、家事負担を減らす「タイパ家電」のヒットが支持されました。また、大阪・関西万博でのパビリオン展開など、未来志向の発信がブランド全体の信頼感を醸成し、大きく順位を上げています。

5位には無印良品が続きました。独自の滞在型宿泊施設「MUJI BASE」の拡大など、顧客への体験価値を提供することで「アウトスタンディング(卓越性)」を高めています。価格改定の影響はあったものの、サステナビリティと社会課題解決への姿勢が共感を呼び、総合力は高水準を維持しています。

「総合力」上昇ランキング:チキンラーメン、パナソニック、ロピアが上位に

「総合力」上昇ランキング(表2)を見ると、チキンラーメンが15.8pt上昇し首位となりました。湖池屋とコラボした「0秒チキンラーメン」の展開や、モスバーガーとの協同企画が話題を集め、「アウトスタンディング」で高く評価されています。

ロピアは12.4pt上昇し、上位にランクインしました。大容量で高品質な精肉や惣菜、独自の売り場づくりが「エンターテインメント性のある節約」ができる店として「イノベーティブ」、「アウトスタンディング」で高く評価されています。

今回から新たに取得しているサステナブル活動評価7項目では、一般生活者編で「取り組み認知」・「情報開示の姿勢評価」でサントリー、「取り組みへの共感」・「取り組み応援」でユニクロ、「良いインパクトへの期待」でトヨタ自動車がそれぞれ首位を獲得しています。

表2 ブランド・ジャパン2026 一般生活者編「総合力」上昇ランキング 上位50ブランド

ビジネス・パーソン編:トヨタ自動車が首位を継続

ビジネス・パーソン編の「総合力」ランキング(表3)では、トヨタ自動車が19度目の首位を維持しました。ソニーが2位、ソフトバンクが3位、任天堂が4位、JR東日本が5位となっています。ソフトバンク、JR東日本、日清食品、パナソニック、日本マクドナルドの5ブランドが新たにトップ10入りを果たしました。

表3 ブランド・ジャパン2026 ビジネス・パーソン編「総合力」ランキング上位100ブランド

調査結果の総括

今回の一般生活者編トップ10には、「飲食・食品飲料」から2ブランド、「流通・小売・アパレル」から4ブランド、「IT・Webサービス・プラットフォーム」から2ブランド、「電機・総合エンターテインメント」から2ブランドがランクインしました。物価高と万博という対照的な社会背景が今回のブランド評価に影響を与えているようです。消費者は日々の生活において、「家計を助けるお得さ」や「時間を生みだす利便性」を厳しく見極めています。一方で、万博や新技術を通じて「夢のある未来」を提示した企業が、総合的なブランド力を飛躍させる結果となったと分析されています。

「ブランド・ジャパン」調査概要

「ブランド・ジャパン」は、国内で使用されているブランドを一般生活者とビジネス・パーソンが評価する、日本最大規模のブランド価値評価調査プロジェクトです。2001年に第1回調査が実施され、今回で26回目となります。

一般生活者編では、企業ブランドと製品・サービスブランド合わせて1,000ブランドを対象に調査が行われ、ブランド価値の「総合力」は「フレンドリー(親和性)」「コンビニエント(利便性)」「アウトスタンディング(卓越性)」「イノベーティブ(革新性)」の4指標から算出されます。ビジネス・パーソン編では500の企業ブランドを対象に、「先見力」「人材力」「信用力」「親和力」「活力」の5指標と5つの「企業評価項目」から総合力が算出されます。

調査の構成と概要に関する詳細は、以下の画像をご参照ください。

調査の構成と概要

本調査は、ブランド理論、マーケティング、統計学の第一線で活躍する専門家による「ブランド・ジャパン企画委員会」が設置され、公正で高度な調査結果を目指しています。

特別顧問およびブランド・ジャパン企画委員会のメンバーは以下の画像でご確認いただけます。

特別顧問およびブランド・ジャパン企画委員会

より詳細な情報については、ブランド・ジャパン公式サイトをご覧ください。

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