改正下請法「取適法」の認知度は低く、取引環境改善への期待は慎重
調査によると、2026年1月からの「取適法」への改正について、「内容を深く理解している」と回答した人はわずか14.1%にとどまり、「理解していない」「知らない」と回答した人が合計で85.9%を占めました。この結果から、法改正の周知が十分に進んでいない現状がうかがえます。

この法改正によって取引環境が改善されるかという問いに対しては、「どちらとも言えない」が74.0%と大半を占め、慎重な見方が多いことが示されました。一方で、法改正の内容を深く理解している回答者に限ると、32.7%が「期待している」と回答しており、理解が進めば期待感も高まる可能性を示唆しています。
改正内容について深く理解している層では、「一方的な代金決定の禁止(コスト増に伴う協議の義務化)」が82.0%と最も認知度が高く、次いで「手形払いの事実上の禁止(現金払いの原則化)」が75.4%、「適用対象の拡大(「資本金」だけでなく「従業員数」も基準になったこと)」が68.9%と続きました。

労務費上昇分の価格交渉は困難、業界慣習と取引先依存が背景に
直近1年間で、最低賃金の引き上げや採用難に伴う「労務費(人件費)」の上昇分について、取引先と価格交渉を行ったか尋ねたところ、「コストは上がっているが、交渉はしていない」と回答した人が52.0%に上りました。積極的に交渉を行ったのは12.5%、相手からの提案で交渉したのは7.2%でした。

交渉しなかった理由としては、「業界全体の慣習として、労務費の値上げは言い出しにくいから」が34.2%で最多でした。その他、「次回の発注を減らされる恐れがあったから」(13.5%)、「『代わりの業者は他にいくらでもある』と言われて契約を打ち切られそうだから」(10.3%)といった回答もあり、交渉のハードルや力関係への懸念が浮き彫りになりました。

主要な取引先上位1社への売上依存度については、「90%以上(ほぼ1社との取引)」が23.3%に達しました。この高い依存度が、労務費上昇分の価格交渉を困難にしている要因の一つであると考えられます。
実際に交渉を行った場合でも、その結果は「不十分」と感じる層が61.2%を占め、「労務費の上昇分を、ほぼ100%価格に反映できた」と回答したのは29.4%にとどまりました。
政府の介入に期待する声、良好な関係構築には「信頼関係」が不可欠
日頃、クライアント(親事業者)からの圧力を感じることが「ある」「とてもある」と回答した人は合計12.5%でした。具体的な困りごととしては、「適正な利益が出ないほどの低い価格設定の強要(買いたたき)」(42.6%)、「契約書を交わさない『口約束』によるトラブル」(27.8%)、「仕様変更や追加作業を、見積もり外(無償)でやらされる」(27.8%)などが挙げられました。

政府が民間企業の取引関係に介入(調査や是正勧告)することについて、「良いと思う」層が全体で49.2%を占めました。特に、クライアントからの圧力を感じている層では、68.5%が「良いと思う」「とても良いと思う」と回答しており、第三者による介入への強い期待感が示されています。
法改正に期待する点としては、「第三者(行政等)が介入することで、不当な要求が減ること」(39.0%)、「支払いサイクルが短縮され、キャッシュフローが改善すること」(37.3%)、「労務費(人件費)や材料費の上昇分を価格に転嫁しやすくなること」(35.6%)が上位を占めました。

「発注側」と「中小受託側」が良い関係を築くために最も求めることとして、「対等なパートナーとしての信頼関係の構築」が52.7%と半数以上を占めました。公正な契約書の締結やコストに基づく価格決定だけでなく、根本的な信頼関係の重要性が認識されていることがわかります。

まとめ
今回の調査結果は、改正された「取適法」が中小企業に十分に浸透していない現状と、労務費上昇に伴う価格交渉の難しさ、そして取引における心理的・構造的障壁の存在を明らかにしました。中小企業は、取引の適正化や政府による介入に期待を寄せつつも、根本的には発注側との対等な信頼関係の構築を最も重視していることがうかがえます。これらの課題に対し、今後の法改正の周知徹底や、より公平で健全な取引環境の実現に向けた取り組みが求められるでしょう。
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