ディスカバリーズ、コニカミノルタのMicrosoft 365 Copilot全社展開トライアルに向けたコンセプトワークを支援

ビジネス

支援の背景とコニカミノルタの課題

製造業では、営業、製造、研究開発、管理部門といった事業部ごとに業務の性質や文化、システム環境が異なり、組織がサイロ化しやすいという構造的な課題があります。このような多様な現場に対して、トップダウンで一律のAI活用方針を展開しても、各部門の実態との間にギャップが生じ、形骸化するリスクが指摘されています。

コニカミノルタは、中期経営計画「Turn Around 2025」において、全社員の生産性向上と創造性の発揮を経営の重点方針として掲げています。この方針を実現するため、AIの全社展開にあたっては、各部門の実態を踏まえた戦略設計と、部門ごとに効果を検証できる仕組み作りが不可欠であると考えていました。

2024年4月からは有志社員によるCopilotの先行導入を開始し、参加希望者が大幅に増加したことを受け、202b年10月よりディスカバリーズの伴走支援が開始されました。ディスカバリーズは、増員された参加者への段階的なトレーニング支援と並行して、翌年度に控える全社展開トライアルの成功に向け、「何のために、どこを目指すのか」という本質的な問いと向き合う「コンセプトワーク」を実施。多くのAIプロジェクトで見られがちな、目的や目標が曖昧なまま進行し、後で手戻りが発生するリスクを回避するための戦略的な準備フェーズを支援しました。

全社展開トライアルに向けたコンセプトワーク

ディスカバリーズは、コニカミノルタの推進チームと共に、ビジョンとKGI(重要目標達成指標)/KSF(重要成功要因)を明確化するコンセプトワークを実施しました。これにより、Copilotの導入を単なるツール活用ではなく、経営方針や全社的なデジタル変革の一環として位置づけ、すべての利用者がその目的と方向性を共有することを目指しました。

会議風景

ビジョンとKGI/KSFの策定プロセス

コンセプトワークでは、以下の6つの要素を統合的に整理し、言語化しました。

  • 経営方針:中期経営計画「Turn Around 2025」との整合性

  • チームのミッション:推進チームが果たすべき役割

  • 企業の文化:推進していく上で考慮すべき社風

  • DX戦略:全社的なデジタル変革の狙い

  • 推進チームの価値観:推進メンバーが大切にしたいこと

  • 事業部門側の状況や期待値:現場起点でのCopilotへの現状の取り組みと期待

コンセプトワークを構成する6つの要素

データドリブンな戦略設計

ビジョン達成のため、「全社員の利用経験の創出」→「利用状況の可視化」→「部門ごとの継続判断支援」という段階的なアプローチが設計されました。利用者の行動変容プロセス(認知→興味関心→理解)を重視し、利用継続しない部門の理由も把握し、改善につなげる仕組みを構築しています。

ビジョン達成に向けた戦略的アプローチ

Copilot利用状況レポートによる状況可視化

コンセプトワークで設計された戦略を実行に移すため、ディスカバリーズはMicrosoft Power BIを活用した分析用ダッシュボードを構築し、Copilotの利用状況を継続的にモニタリングできる環境を整備しました。このダッシュボードは社内全体で閲覧可能とされ、各部門の利用状況や効果を透明性高く共有することで、現場の自律的な改善活動を促進し、部門長が客観的なデータに基づいて継続判断を行えるようにしています。

Copilot 利用状況レポート

ダッシュボードで可視化されている主な分析軸は以下の通りです。

  • 利活用状況:アクティブユーザー率や平均アクティブ日数の推移

  • 組織利用の深さ:組織別の利用頻度や操作回数

  • アプリ別・機能別分析:Teams、Outlook、Word、Excel、PowerPointなど、どのアプリで活用が進んでいるか

  • 効果分析:概算での合計削減時間

これにより、利用率が低い部門への優先的な支援、効果的な活用パターンの特定、施策効果の検証、そして経営層への投資対効果の報告といった戦略的な意思決定が可能になります。

コンセプトワークがもたらした価値

コンセプトワークを通じて得られた重要な価値は、策定されたビジョンやKGIといったアウトプットだけでなく、そこに至るまでの推進チーム内の対話プロセスそのものにありました。ディスカバリーズは、チームメンバーが「なぜCopilotを全社展開するのか」「組織として何を実現したいのか」という本質的な問いと向き合える場をファシリテート。この対話を通じてチーム内の認識が深く統一され、その後の施策展開における迷いや手戻りが最小限に抑えられています。全社展開という重要な局面において、あえて時間をかけてコンセプトワークに取り組んだことが、結果的にプロジェクト成功への最短ルートになったと言えます。

先行導入におけるトレーニング支援と成果

コンセプトワークと並行して、ディスカバリーズは2025年10月から、先行導入に参加した社員に対し、Copilot基礎トレーニング、プロンプト基礎トレーニング、ハンズオンワークショップといった段階的なトレーニング支援を実施しました。オンライン形式と対面形式を組み合わせることで、全国の社員が参加しやすく、実践的な学びを得られる環境を提供しました。

これらの支援により、2025年10月1日から11月30日までの部分導入フェーズにおいて、以下の高い利用実績が報告されています。

  • アクティブユーザー率:99.2%

  • Copilot Chat 利用率:87.3%

  • Teams 会議要約利用率:97.6%

アクティブユーザー率、Copilot Chat利用率、Teams会議要約利用率

この結果は、短期間でCopilotが日常業務に定着し、業務効率化と生産性向上に大きく貢献していることを示唆しています。

今後の展望

2026年4月から開始される全社展開トライアルは、「部門ごとに最適な生成AIを選択し、確実に効果を出す」というコンセプトに基づいています。全社員がMicrosoft 365 Copilotを試用し、各部門の業務特性や課題に対してどの程度有効かを1年間かけて検証。この検証結果をもとに、部門ごとに最適な生成AI活用の方向性を見極めていく、現場起点の戦略的アプローチが採用されます。これにより、「使わせる」のではなく「各部門が納得して選択する」AI活用の実現を目指しています。ディスカバリーズは、今後もコニカミノルタの全社展開トライアルを伴走支援し、Copilotが組織のイノベーションと価値創造の原動力となるAX(AI Transformation)戦略を共に推進していく方針です。

コニカミノルタ株式会社様のエンドースメント

コニカミノルタ株式会社 DX推進室 室長の原田英典氏は、先行導入での高い成果を目の当たりにしつつも、「本当にこのまま進めていいのか」という不安があったと述べています。ディスカバリーズからのコンセプトワークの提案を受け、当初は遠回りだと感じたものの、チームでの議論を通じて認識が統一され、推進チームの結束が強まったことを高く評価しています。原田氏は、「あの時間は決して遠回りではなく、むしろ最短ルートだった」と確信しており、今後もディスカバリーズとの伴走を通じて、押し付けではない真のAI活用を実現していくことに期待を寄せています。

コニカミノルタの社員

ディスカバリーズ株式会社について

ディスカバリーズ株式会社は、「働くすべての人たちがイノベーションをもたらす世界を創る」をミッションに掲げ、コミュニケーションやコラボレーションの再設計を通じて、AIで組織のナレッジを人に繋ぎ、新しい価値創造を促すAX(AI Transformation)を支援しています。SaaS型クラウドサービスの開発・販売と、上場企業100社以上の実績を持つコンサルティングサービスを提供しており、マイクロソフト認定ソリューションパートナーとして、2011年にはマイクロソフト パートナー オブ ザ イヤーを受賞しています。

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