エターナルホスピタリティグループが目指すもの:外食産業の変革と社会的地位向上
エターナルホスピタリティグループは、インフレ、人手不足、人口減少といった外部環境の課題を踏まえ、成長と収益性向上を実現すること、そして外食産業の社会的地位を自らリードして向上させることを重要な目標としています。
同社は、かつて「鳥貴族」を通じて従来の「焼鳥屋」のイメージを変革した実績があります。女性や若年層にも開かれた明るい店づくり、メニューの見直し、テーブル中心の座席設計などにより、新しい価値を提供してきました。

「鳥貴族」の現状と課題:顧客層の変化とデータ分析
現在の日本では、既存顧客のボリュームゾーンが減少傾向にあることを踏まえ、既存客のリピート率向上と顧客層拡大が重要な課題と認識されています。

実際の注文データからは、顧客によって特定のカテゴリへの嗜好の偏りが見られます。また、「鳥貴族」のXアカウントのフォロワーは、エンタメ、コンビニ、飲食/食品領域のアカウントを併せてフォローする傾向があり、これらの領域との関係構築が重要であると考えられています。


全社DX戦略の全体像:「Global YAKITORI Family」とAI活用
グループビジョンである「Global YAKITORI Family」の実現に向け、エターナルホスピタリティグループはAI活用に関する6つの主要テーマでDX戦略的投資を行い、挑戦を加速する方針です。2027年7月期までにEHGデジタルプラットフォームを構築し、その後も段階的に深化を進める計画が示されました。


この戦略では、顧客体験価値(CX)を起点に、「会話→自動化→自立化」へと段階的に深化させることで、高収益・高付加価値の経営を目指します。

「おもてなし」の再構築:人とデジタルの融合
従来のシステム化が「コスト・効率重視のセルフ化」に偏り、外食本来の価値である「おもてなし」を希薄化させてきた側面があると同社は認識しています。そこで、昔に戻るのではなく、「人とデジタル」の融合を通じて「おもてなし」を取り戻すことを目指します。AIを成熟させ、人だけに依存する形から脱却し、高付加価値な経営を実現するとのことです。


バリューチェーン統合モデルと具体的な取り組み
店舗のQSC(クオリティ、サービス、クレンリネス)ホスピタリティを中核に、「店舗開発→商品開発→マーケティング→調達→店舗運営支援」を一本の鎖として捉え、各プロセスを連動・自動化させる「バリューチェーン統合モデル」を目指します。これには、経理・人事・法務などのバリューチェーン支援活動も含まれ、お客様に対しても一気通貫の価値提供を実現する予定です。

業務プロセスの統合デジタル化
店舗を起点として、取引先・顧客、ならびにフロント/バックの各業務をDX基盤によりリアルタイムに連携させていきます。

経費精算のデジタル化事例
統合デジタル化の具体事例として、経費精算をデジタル化し、年間2,000時間の工数削減を実現しました。これにより、店長がお客様に向き合う時間の確保につながることが期待されています。


顧客体験(CX)の統合デジタル化
SNS・アプリ・店内タブレットといった個別のシステムを顧客起点の水平型に再設計し、IDと行動データの連動により一気通貫の体験価値を創出します。

お客様・店舗対応力の向上
店舗で発生するトラブルや苦情といったインシデント対応をメールからServiceNowへ切り替え、現場マニュアルをシステム化することで、進捗と根本原因の解決プロセスを可視化する予定です。

グローバルコミュニケーション基盤の強化
本部からの一方向的な告知を見直し、社員があらゆる社員・情報・AIへリアルタイムアクセスできる環境を整備し、機能を段階的に拡充してグローバル展開を進める方針です。

サイバーセキュリティ対策
従来のVPN(仮想専用線)を廃止し、最新のゼロトラストネットワークへ段階的に移行します。「セキュリティはお客様や企業を守るだけでなく、利便性を高めるものでなければならない」という考えのもと、入口防御とフィッシング対策の強化に加え、シングルサインオン(SSO)などの認証制御で利便性の向上を図ります。

データ&AIプラットフォームの構築
AIを中核にデータと業務を統合し、会話型/自動化/自律型を段階的に展開します。API/データ連携とプロセス制御により、顧客体験アプリ、店舗運営アプリ、フロントエンド、バックエンド、経営管理を強化し、顧客価値・社員生産性・企業価値を同時に高めることを目指します。

DX投資と目標:売上1%投資で10%アップを目指す
エターナルホスピタリティグループは、「売上1%のDX投資で売上+10%」を掲げ、2025年7月期に年間売上の1%をDX投資として確保し、予約強化やレコメンド最適化などの顧客接点施策を実装することで、2028年7月期までに売上10%増(約40億円)を目指します。


登壇者プロフィール
株式会社エターナルホスピタリティグループ 執行役員CDIO 中林 章氏
1992年にパナソニック株式会社(旧:松下電器産業株式会社)に入社し、大規模開発プロジェクトや全社ITプラットフォーム戦略・クラウド戦略をリードしました。2022年7月よりくら寿司株式会社へ転職し、「くら寿司流DX」を推進。2025年7月からはエターナルホスピタリティグループに入社し、執行役員CDIOとして全社DXプロジェクトを推進しています。

株式会社エターナルホスピタリティグループ 概要
所在地:大阪市中央区淡路町4-2-13 アーバンネット御堂筋ビル 20 階
代表者:代表取締役社長CEO 大倉 忠司
設立:1986年9月19日
事業内容:グループの経営戦略策定、経営管理及びそれに付随する業務
URL:https://eternal-hospitality.co.jp/


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