外国人材定着における「生活の立ち上げ」という盲点
外国人材の定着を妨げる要因の一つとして、就労以前から始まる「新生活の立ち上げ」が挙げられます。日本では、ガスの使用開始時に事業者による安全確認のための立会いが法令上求められるなど、日本特有の生活ルールや慣習が存在します。
一方、海外では電気・ガス・水道の契約開始手続きがオンラインや電話で完結する場合も多く、入居時に立会いを必須としない運用も広く見られます。こうした契約形態や手続き慣行の違いから、「入居者自身がライフラインを契約し、指定時間に在宅する」という日本では一般的な仕組みが、外国人にとってなじみのないものとなるケースも少なくありません。実際にガスの開栓予定時間に不在が続き、長期間ガスが使えない状態に陥ったケースもありました。
このような行き違いは、単なる言語や説明不足の問題だけでなく、「時間の感覚」や「責任の捉え方」といった国ごとの価値観の違いに起因するケースが少なくありません。こうした生活上のつまずきが積み重なることで、日本での生活や就労に対する心理的ハードルが高まり、長期的な定着を妨げる要因の一つとなり得ます。
「Lifestyle Advisor Global」による解決策と実績
「Lifestyle Advisor Global」は、新生活を迎える外国人入居者に対し、電気・ガス・水道・インターネット回線などのライフライン利用開始手続きを、生活環境や個々のニーズに寄り添い多言語でサポートするサービスです。単なる翻訳や手続き代行にとどまらず、その背景や理由までを対話を通じて丁寧に伝えることで、生活上の誤解や摩擦を未然に防ぎます。
この2年間で、102ヵ国4万人以上の新生活者をサポートし、約90社の不動産関連会社と連携して、入居時のトラブル未然防止と現場負担軽減に貢献してきました。
サービス利用者のうち、約20%が海外から初めて日本に移住したケース、約80%が日本国内での転居でした。海外からの移住者には制度や生活ルールの説明が重要な役割を果たし、国内転居者には煩雑な手続き負担の軽減が主な支援内容となっています。本サービスが生活フェーズに応じて異なる役割を担っていることが示されています。
多言語対応と事業拡大
本サービスは提供開始以来、多言語対応の拡充と現場での信頼構築を軸に、段階的に事業を拡大してきました。対応言語は見直しを重ね、現在では14言語に対応しています。特に、ベトナム語、中国語、ネパール語、ミャンマー語といった、日本で就労する外国人が多い言語への対応強化が、不動産会社や仲介・管理会社からの評価につながり、利用者数の増加を後押ししてきました。
対応言語需要度順位(利用実績ベース)は以下の通りです。
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1位:ベトナム語(31.0%)
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2位:中国語(23.0%)
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3位:英語(15.0%)
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4位:ネパール語(12.3%)
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5位:ミャンマー語(5.1%)
上位言語で全体の約7割を占めており、現場ニーズに即した言語対応が実務面での信頼獲得につながっています。その結果、事業開始以降の売上成長率は435%を記録しました。また、提携先は開始当初の1〜2社から現在では約90社にまで拡大しています。
利用者満足度と声
サービス利用後に実施した満足度調査では、90%以上の方が最高評価となる★5を選択しました。利用者からは以下のような声が寄せられています。
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「日本での生活に不安がありましたが、日本語が分からない中でもフィリピン語で対応してもらえて安心しました。特に電気・ガス・水道の手続きは全く分からなかったので、丁寧に説明・案内してもらえて本当に助かりました。」(フィリピン出身)
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「初めて日本に住むことになり、新しい部屋のことや生活面で分からないことだらけでした。日本語も難しく不安でしたが、シンハラ語で丁寧に説明と案内があり、安心して新生活を始めることができました。」(スリランカ出身)
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「日本での生活に不安がありましたが、電気、ガス、水道、インターネット回線すべてにおいて、韓国語で対応してもらい、とても安心できました。分からないことも気軽に聞くことができ、不安が解消されました。」(韓国出身)
これらの声から、就労支援や行政支援といった制度的な支援では拾いきれない、生活立ち上げの初期段階での適切な支援が、外国人入居者と受け入れ側双方の負担を軽減し、社会的な摩擦を未然に抑える役割を担っていることが示されています。
導入事例
株式会社エイブル様(不動産賃貸仲介・管理事業)
導入前の課題:
外国人のお客様へのライフライン手続きは、外国人対応ができる営業店や営業社員で行っていました。行き届いた十分な対応が取れているとは言えず、お客様にご不便をおかけすることもありました。複数のコールセンター事業者と対応を協議しましたが、「日本語が理解できる方に限る」や「英語・中国語・韓国語のみ」など数か国語だけの対応なら可能という回答が多く、なかなか解決策が見当たらない状況でした。
導入後の変化:
弊社の悩みを鑑み柔軟に運用フローをカスタマイズしていただいたことにより、営業現場では安心してお取次ぎができています。対応言語数も多く、お客様にとても満足いただけています。
ハウスコム株式会社様(賃貸仲介業)
導入前の課題:
外国人入居者様のライフライン手続きにおいて、言語の壁が大きな課題でした。電気・ガス・水道などの開通手続きや問い合わせの際に、内容が正確に伝わらず、何度もやり取りが発生することが多くありました。その結果、開通までに時間がかかったり、説明不足によるトラブルや誤解が生じることもありました。また、弊社側でも都度通訳や翻訳ツールを使いながら対応する必要があり、業務負担が大きく、スムーズな連携が難しい状況でした。
導入後の変化:
サービス導入後は、外国人入居者様のライフライン手続きがスムーズに進むようになり、弊社の業務負担が大きく軽減されました。言語面の不安が解消されたことで、これまで慎重にならざるを得なかった外国人のお客様にも積極的に物件をご提案できるようになりました。その結果、これまで取り逃がしていた入居機会を獲得できるようになり、集客・契約面において明確な効果を実感しています。
株式会社レオパレス21様(不動産賃貸管理業)
導入前の課題:
外国人のお客様を対象に、集客から契約締結までは多言語での一貫したサポートを実現しておりましたが、入居後の生活インフラ整備(ライフラインの開線業務)に課題を抱えておりました。契約手続きは自社で対応可能なものの、多岐にわたるライフラインの手続き代行まではリソースが割けず、結果として「契約後のフォロー不足」が生じていました。この入居初期のサポート欠如が、顧客満足度を停滞させる要因となっており、解決策を模索しておりました。
導入後の変化:
最大の効果は、外国籍のお客様が最も不安を感じる「入居当日の生活インフラ整備」を完璧にフォローできる体制が整ったことです。言葉の壁や不慣れな手続きというストレスを排除できたことで、お客様の満足度は目に見えて向上しました。この「入居直後の安心感」を提供できるようになったことは、弊社サービス全体の付加価値を大きく引き上げています。また、今回の導入は今後の法人営業において極めて重要な足掛かりになると確信しています。
今後の展望
Renxa株式会社は、2年間の取り組みを通じて、入居時の支援だけでは拾いきれない「生活の初期段階」でのつまずきが、外国人材の定着課題に繋がっているという点が見えてきたと述べています。生活環境の不備を背景とした外国人材の定着課題は、就労支援や行政支援だけでは十分に対応しきれない側面があります。文化や価値観の違いによる行き違いは、AIや自動化だけでは解消が難しく、人が介在し対話によって調整する支援が求められる領域です。
今後、Renxa株式会社は、不動産管理会社や賃貸仲介会社に加え、自治体や生活インフラ事業者、外国人材を受け入れる企業との連携を段階的に広げ、より実効性のある支援体制の構築を進めていく方針です。
会社概要
Renxa株式会社は、生活者一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添い、新生活に必要となる電気・ガス・水道・インターネット等のライフラインや、保険をはじめとした固定費見直しまでをトータルでサポートしています。テレマーケティングやWEBを通じて、「暮らし」に寄り添う多彩なサービスを全国に届けています。
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会社名:Renxa株式会社(Renxa Inc.)
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代表取締役:坂本 幸司
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本社所在地:東京都豊島区東池袋三丁目13番3号
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設立年月:2017年4月
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会社URL:https://renxa.co.jp/


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