国指定名勝「松濤園」の松再生へ、クラウドファンディング開始
福岡県柳川市に位置する「柳川藩主立花邸 御花」は、国指定名勝である日本庭園「松濤園」の松再生を目的としたクラウドファンディングを、2026年3月16日(月)9:00より「READYFOR」にて開始しました。このプロジェクトは、2026年5月31日(日)まで支援を募ります。

松濤園の現状と課題
松濤園は、松と岩のみで景観を構成する全国的にも珍しい鑑賞式庭園です。現在、園内の一部の松に松枯れが確認されており、専門家からは樹齢150〜200年ほどの松が多いと推定されています。松を健全な状態に戻すためには、剪定・施肥・消毒といった日常的な管理を3年から5年にわたり継続的に行う必要があります。
しかし、九州地域では松を専門に扱う職人が減少傾向にあり、140本以上の松を抱える松濤園の維持管理は、地域の力だけでは困難さを増しています。これまでも年間約400万円をかけて維持管理が続けられてきましたが、現状を踏まえ、今年を「松濤園再生の第一歩」と位置づけ、松の専門家による集中的な対応を決断しました。本年度の取り組みには約800万円の費用が見込まれています。

御花と松濤園の歴史
柳川藩主立花邸 御花は、江戸時代に柳川藩主立花家の邸宅として築かれ、約400年の歴史を受け継ぐ料亭旅館です。現在も藩主の末裔によって運営されており、敷地全体が国指定名勝に指定されています。民間が国指定の文化財を維持している稀有な場所として知られています。
松濤園は、明治43年(1910年)に立花家14代の立花寛治公によって整えられた日本庭園です。寛治公は、旧大名家が東京移住を義務付けられた時代に、農業を通じて国を豊かにしたいという志のもと、異例の許可を得て柳川へ戻ることを選びました。私財を投じて民間農事試験場を設立し、三池高菜や宮川早生みかんなど、現代の食卓に並ぶ作物の普及にも尽力しました。


松濤園は、同年代の庭園が四季の彩りを取り入れることが多い中で、「松のみ」で構成された希少な鑑賞式庭園として設計されています。松の常緑がもたらす静かな雰囲気と、岩の造形が織りなす陰影が重なり合い、100年前も今も独創的な景観を保ち続けています。
クラウドファンディングを通じて目指すこと
御花では、これまでも文化財を「活用しながら100年後へつなぐ」ための挑戦を続けてきました。2016年には100畳の大広間の大規模工事を実施し、昨年はクラウドファンディングを通じて松濤園の夜間ライトアップを実現しています。
今回のプロジェクトでは、本年度の集中的な手入れを一過性のものとせず、専門家の知見に基づいた継続的な管理体制を整備し、次世代へ引き継げる状態を目指しています。また、九州で松を扱う職人が減少している現状に対し、「松を守る技術と知識」を御花で育てることも重要な目的です。このプロジェクトを通じて、文化財の中でも“生きている樹木”である松の維持の難しさや、松の職人・庭師の知識や技術の尊さを広く発信し、この美しい景観を100年先の未来へと繋いでいくことを目指します。
クラウドファンディング概要
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プロジェクト名: 柳川・御花|四百年の歴史を枯らさない。 松濤園の松を未来へ
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支援募集期間: 2026年3月16日(月)9:00 〜 5月31日(日)23:00
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目標金額: 第一目標500万円(最終目標1,000万円)
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資金使途: 国指定名勝「松濤園」松再生に向けた取り組み費用(専門家を交えた剪定・施肥・消毒等の管理体制整備、関連費用 など)
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プロジェクトページURL: https://readyfor.jp/projects/ohana1910
柳川藩主立花邸 御花について
柳川藩主立花邸 御花は、柳川藩主だった立花家のお屋敷を、今も立花家の末裔が守り続けている料亭旅館です。約400年の歴史・文化を受け継ぎ、屋敷の全敷地7,000坪が国指定の文化財(国指定名勝)であり、日本で唯一宿泊可能な国指定名勝です。文化財の新たな魅力を創出するため、既存の枠にとらわれない様々な企画を行っており、2025年1月11日には宿泊棟を全面リニューアルしました。
- 公式サイト: https://ohana.co.jp


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