Salesforceが「AIforce」を発表、AIエージェントがあらゆるインターフェースでSalesforceの全機能を活用可能に

テクノロジー

AIforceが解決する課題と提供する価値

これまで、企業の情報の多くはSalesforce内に存在していましたが、そのほとんどはアプリを開き、SalesforceのUIを操作することでしかアクセスできませんでした。そのため、Salesforceを利用できる人や、一度にアクセスできる情報量、そこから得られる価値には限界がありました。

AIforceの導入により、ユーザーは業務を進めるためにSalesforceの画面を開いて操作する必要がなくなります。具体的には、ClaudeSlack、Lightningといった、人々が日常的に使用しているプラットフォームへSalesforceの機能が提供されます。これにより、Salesforceのダッシュボードを一度も開いたことがない従業員でも、実際のSalesforceデータとビジネスロジックに基づいて問いかけを行い、レコードを更新し、ワークフローを起動することが可能になります。

また、AIエージェントは一度に数百件のレコードを読み込み、連携システムを取り込み、事業全体を把握した上で推論・実行できます。これにより、人間には実現できない速度と規模で、これまでに埋もれていた価値を引き出すことが可能になります。

さらに、AIforceは固定されたUIに縛られることなく、言葉で説明するだけでカスタマイズされたリアルタイムのインターフェースを組み立てられるようにします。これにより、誰もが必要な時に必要なインサイトを的確に表示する、自分専用のUIを構築できるようになります。

Salesforce会長兼CEOのマーク・ベニオフ氏は、「AIはインターフェースの革命を起こしています。私たちは、モデルのインテリジェンスと、お客様がSalesforceに築き上げてきたすべてのコンテキストを組み合わせることで、インテリジェントで動的、かつ組み合わせ可能なシステムを生み出しています。」と述べています。

「Agentic Enterprise」アーキテクチャとAIforce

AIforceは、Salesforceの「Agentic Enterprise」アーキテクチャに重要なレイヤーを追加します。このアーキテクチャは以下の要素で構成されています。

  • Data 360による統合された信頼性の高いコンテキスト:統合・連携されたデータ、メタデータ、メモリを結集し、すべてのAIエージェントが顧客と事業を理解できるようにします。

  • Customer 360によるアプリケーションおよびセマンティック インテリジェンス:営業、サービス、マーケティング、コマースなど各領域で仕事を進めるためにAIエージェントが必要とするビジネスロジック、プロセス、権限、アクションを提供します。

  • Agentforce:事業、業務、業界を深く理解したデジタルワークフォースであり、すぐに導入できるAIエージェントと、自分専用のAIエージェントを作成するための構築ツールを備えています。

  • そして、今回発表されたAIforceが、この基盤全体をあらゆるAIインターフェースへと展開させます。

AIforceが実現するAIインターフェースの特性

AIforceは、AIインターフェースを次のようなものにします。

  • インテリジェントかつ動的:AIエージェントはSalesforce内のすべてのデータ、ロジック、会話を同時に推論し、整理すべきレコードの代わりにインサイトを表示します。

  • 安全で行き届いたガバナンス:すべてのリクエストは既存の権限とビジネスルールに基づいて実行されます。依頼した本人が見られる範囲のみ各AIエージェントは情報を閲覧でき、すべてのアクションはSalesforceを経由して処理されます。

  • コンポーザブル(組み合わせ可能):誰でも、信頼できるデータとビジネスロジックに基づいたインターフェース、AIエージェント、ビューを、内容を説明するだけで構築できます。さらに踏み込みたいチームには、MCP、API、プラグイン、スキルも用意されています。

  • Zero Data Retention(ゼロデータ保持ポリシー):業務データはその場の質問に回答するためだけに使用され、モデル提供元に保持されることはありません。

  • 今あるものを活用:新しい権限モデルの設定や移行、カスタムの連携作業は不要です。管理者が一度接続すれば、チームは初日からアクセスできます。

Trailblazerコミュニティへの影響

AIforceは、管理者、開発者、アーキテクト、ビルダー、テクノロジーリーダーからなるSalesforceのグローバルコミュニティ「Trailblazer」にとって新たな時代の始まりを意味します。Trailblazerコミュニティは、これまでに1,200万個のアプリを構築し、毎日96億件のAPIコールを実行し、1億5,600万行のAI生成コードを投入してきました。AIforceは、Trailblazerが構築・達成できることを拡張し、人とAIエージェントの双方にインターフェースを作成する力を与え、これまでにない規模とスピードでアイデアを実現できるようになります。

AIforceとともに提供されるサービス

AIforceは、「Claudeforce」、「Slackforce」、「Agentforce Coworker」とともに提供が開始されます。これにより、AIを活用した仕事で広く使われているプラットフォームにSalesforceの機能が提供されます。

Claudeforce

Claudeforceは、SalesforceとAnthropicのパートナーシップを拡大し、No.1のAIとNo.1のCRMを結びつけ、信頼できるエンタープライズインテリジェンスを生み出します。

  • 「Salesforce in Claude」としてローンチし、Salesforce内に存在するすべてのインテリジェンスを、事前構築済みのMCPサーバーとしてClaudeに直接組み込みます。手作業でのセットアップや複雑な認証、カスタムのスキルマッピングといった手間は一切かかりません。

  • Salesforce in Claudeには、見込み客の開拓からパイプラインの整備までを網羅する37種類の事前に構築されたセールススキルが含まれており、営業担当者は初日からすぐにその価値を享受できます。

  • 近い将来、Salesforce in Claudeには、Tableauを用いた分析機能や、サービス、マーケティング、コマース、業界向けのスキルも追加される予定です。

  • 開発者向けには、「Claude Code」用のSalesforce Development plug-inとして40種類以上のスキル、GitHub上にあるSalesforceの広範なスキルライブラリへのアクセス、そして動的に読み込まれ開発タスクを代行してくれる専門的なサブプラグインが提供されます。

  • Salesforce in Claudeは、Deloitte、GitLab、Legoraなどの企業でパイロット導入されており、現在すべての顧客にベータ版として提供されています。

Slackforce

Slackは既に「AIが働く場所」として、人、AIエージェント、アプリ、データがひとつに集まり、業務を前進させるマルチプレイヤー環境を実現しています。Slackforceは、このSlackをさらに強力に進化させ、Salesforceが持つ豊富なコンテキストとインテリジェンスを、あらゆる会話・ワークフロー・業務体験に統合します。

  • Slackforce Surfaces」を使うことで、ユーザーはSalesforce、Slack、その他のツールから関連するリアルタイムのコンテキストとデータを取得し、インタラクティブなインターフェースとして表示できます。チーム全員がリアルタイムで一緒にフィルタリングし、探索し、コメントし、共同でアクションを起こすことが可能になります。

  • Slackforceは「Slackbot」をさらに強化します。Slackbotは、Slack上のすべての会話コンテキストに加え、Salesforceのあらゆるコンテキスト・セマンティックインテリジェンス・ガバナンスされたアクションを横断して推論できる、すぐに使えるパーソナルアシスタントです。

  • Slack CRMは、Slack内のすべての会話、ユーザー、更新情報をSalesforceに連携します。ユーザーは、Slackから簡単なプロンプトを入力するだけで別のCRMツールを開くことなく、Salesforce内に新規取引先を作成したり、直近の商談の内容を記録したり、レコードを更新したりできます。

  • Slack Codeは、AIによる開発をマルチプレイヤーの活動へと変え、チームが特定のコーディングセッションやプロジェクトについてAIエージェントと協業できる専用の場をSlack上に用意します。作業はデフォルトでオープンに行われるため、コンテキストと知識が人から人へ、そして人からAIエージェントへと引き継がれます。

Engine創業者兼CEOのエリア・ウォーレン氏は、「私たちは年間80万件以上の顧客からの問い合わせに対応しているため、社員に迅速かつ的確なコンテキストを届けることが何よりも重要です。Slackforceがそれを可能にしたのです。」とコメントしています。

Agentforce Coworker

Agentforce Coworkerは、「Lightning」インターフェース内にそのまま存在するAIチームメイトです。数百万のSalesforceの顧客が日々作業しているその場所で、取引先、活動、履歴を横断して推論し、インサイトを提示し、アクションを実行します。

  • Agentforce CoworkerはSalesforce内で動作するため、既存の権限とビジネスルールの範囲内で完全に機能し、信頼境界の外に何も保持されません。

  • Agentforce Coworkerは、すでに構築・展開済みの専門的なAgentforceのAIエージェントを呼び出し、顧客のAIエージェントの労働力の成長に合わせて拡大していきます。

  • Agentforce Coworkerは、Salesforceの顧客であればすぐに利用可能で、移行や新しい権限モデルを必要としません。ボタンを押すだけで有効化できます。提供開始から35日間で、10万人のユーザーがCoworkerを有効化しました。

Fulton Bank シニアバイスプレジデント兼セールステクノロジー戦略担当のブランドン・バーナード氏は、「Agentforce Coworkerは、Fulton Bankにとってゲームチェンジャーとなりました。わずか数週間で、ゼロの状態から20件以上のユースケースが本番環境で稼働し、全社で約3,000人のユーザーを支えるまでになりました。」と述べています。

オープンな設計思想とエコシステム

AIforceは、「Headless Toolkit」によって支えられています。これはSalesforceプラットフォームのすべての要素を公開するオープンなアーキテクチャであり、MCP、API、プラグイン、スキル、開発者向けツールを使って、ビルダーとデベロッパーはSalesforceのアーキテクチャの上にカスタマイズされたAI体験を構築することができます。

AgentExchange」エコシステムは、Headless Toolkitを使ってインターフェース、AIエージェント、アプリ、連携機能、ワークフロー、アクションを構築するパートナーのネットワークです。それらを見つけ、購入し、導入できるマーケットプレイスを備えています。これらの連携には、AnthropicAmazon Web ServicesGoogleMicrosoftといった企業によるAIエージェント型インターフェース、Lovable、Vercelといった企業によるAI開発ツール、そしてDocusign、Gamma、Jasper、Ripplingといった企業によるAIエージェントおよびツールが含まれます。

AIforceは、最高のAIが事業を動かすコアシステムと結びつき、信頼できるエンタープライズインテリジェンスを届けます。仕事が行われるあらゆる場所、あらゆるAIインターフェースにおいて、Salesforceの全機能が発揮され、人とAIエージェントが協力し合い、Salesforceのすべての価値を引き出し、新たなレベルの顧客の成功を推進すると考えられます。

Salesforceについて

Salesforceは、あらゆる規模の企業がエージェンティックエンタープライズへと変革することを支援します。人とAIエージェント、アプリケーション、データを信頼性の高い単一のプラットフォームへ統合することで、これまでにない成長とイノベーションを実現します。詳細はsalesforce.com/jpをご覧ください。

Salesforceのコーポレートサイトにある「ニュース&インサイト」では、日本向けの最新情報をご紹介しています。詳細は、salesforce.com/jp/news/をご覧ください。

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