うみたまごでショーの解説を多言語字幕で配信開始、外国人観光客や聴覚障害者への情報提供を強化

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大分マリーンパレス水族館「うみたまご」がリアルタイム多言語字幕配信の実証を開始

大分マリーンパレス水族館「うみたまご」は、2026年8月1日より、ショーの解説をリアルタイムで多言語字幕として来場者のスマートフォンに届けるWebサービスの実証を開始しました。この取り組みは、大分県内の3社、株式会社マリーンパレス、JYAKU株式会社、株式会社deserveが共同で開発したものです。

うみたまごのリアルタイム多言語字幕配信システム

サービスの背景と目的

水族館のショーでは、生きものの特徴や飼育員の解説、安全案内など、多くの情報が日本語の音声で伝えられます。しかし、日本語を母語としない訪日外国人や、聴覚に障害がある方にとっては、これらの情報を十分に理解することが難しいという課題がありました。

観光庁の「宿泊旅行統計調査」によると、2025年の大分県における外国人延べ宿泊者数は149万人を超え、九州地方で3位の受け入れ地域となっています。この増加傾向を受け、観光施設における外国人来場者への情報提供の環境整備は継続的な課題です。また、2024年4月には改正障害者差別解消法が施行され、事業者による合理的配慮の提供が法的義務へと変わったことも、このサービスの開発を後押ししました。

本サービスは、音声ではなく文字で情報を届けることで、言語や聞こえ方にかかわらず、誰もがショーの魅力や内容を理解し、楽しめる環境づくりを目指しています。さらに、地震などの災害や緊急時には、安全案内を多言語の文字情報で提供する補助的な手段としての活用も視野に入れています。

実証の概要と主な特徴

実証は2026年8月1日から大分マリーンパレス水族館「うみたまご」で開始されました。対象は館内のショー、解説、館内案内、安全案内で、日本語、英語、簡体字中国語、繁体字中国語、韓国語の5言語に対応しています。

来場者は専用アプリのインストールが不要で、館内掲示やパンフレットのQRコードからWeb画面を開き、言語と見たいショーを選択するだけで利用できます。

このサービスの主な特徴は以下の通りです。

  • 5言語対応: 日本語の音声や文章を、日本語、英語、簡体字中国語、繁体字中国語、韓国語の5言語の字幕としてリアルタイムで配信します。

  • アプリ不要: QRコードからWeb画面を開くだけで利用でき、ショーごとにQRコードを作り直す必要もありません。

  • カレンダー連動: 管理画面で登録されたショーの予定と字幕配信が連動し、来場者画面では現在時刻に応じたショーが表示されます。

  • 見やすい字幕表示: スマートフォン画面では最新の字幕が上部に表示され、過去の字幕とは色を変えて区別されます。

  • 館内案内・災害時対応: よく使う案内文や、災害時の安全案内をあらかじめ登録し、通常のショー字幕とは異なる赤系の表示で緊急情報を届けられます。既存の放送設備とも連携可能です。

  • 専門用語登録: 水族館固有の生きものの名前や専門用語を事前に登録し、音声認識・翻訳の精度を高めます。

  • 履歴・利用状況記録: 字幕の送信履歴や来場者の利用状況を記録し、CSV形式で出力できるため、今後のサービス改善に役立てられます。

大分県内3社による共同開発

本サービスは、大分マリーンパレス水族館「うみたまご」の運営を行う株式会社マリーンパレス、現場のAI・デジタル活用支援のJYAKU株式会社、映像・音響技術を活用したワークフロー設計の株式会社deserveの3社が、現場の運用に合わせて共同で開発しました。

うみたまご、JYAKU、deserveのロゴ

3社はいずれも大分市に拠点を置き、来場者が迷わず使えること、そしてスタッフが日常業務の中で無理なく運用できることを重視して、機能や操作方法を検討してきました。

今後の展開

今後、うみたまごでの実証を通じて得られる意見や利用状況をもとに、字幕の見やすさ、音声認識・翻訳の精度、管理機能、安全案内の運用方法が継続的に改善される予定です。

3社は本サービスに加え、魚名板のデジタル化など、観光施設の情報発信や案内業務を改善する取り組みも進めています。大分県内の観光施設が、現場の負担を抑えながらインバウンド対応とアクセシビリティ向上を進め、防災の観点から安全情報を発信できる選択肢を創出することを目指しています。将来的には、うみたまごで得た知見を大分から日本全国へ展開し、言語や聞こえ方にかかわらず、誰もが水族館を安心して楽しめる環境づくりを目指すとのことです。

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