40~80代女性のファッション・美容意識調査2026:月額9,343円を維持、「自分のため」のおしゃれへ価値観が変化

ファッション・美容

ファッション・美容の月当たり購入金額は横ばい

調査の結果、ファッションやメイク、シャンプーなどの美容商品にかける月当たりの平均購入金額は9,343円でした。これは2024年、2022年の調査時と比較しても大きな変化はなく、横ばいで推移していることが確認されました。

月当たり購入平均額

物価高騰が続く中でも、メイクへの影響は限定的であることが示されています。「特に変化はない」と回答した人が56.6%と最も多く、購入頻度を減らしたり、シンプルなメイクに簡略化したりする動きも見られますが、全体としては大きな変化には至っていません。

物価高によるメイクの変化

また、猛暑によるメイクの変化についても、「特に変化はない」が62.2%と最多でした。ノーメイクにする頻度が増えた人が16.1%、日焼け止めの塗り直し頻度を上げたり、効果の高いものに替えたりした人が10.2%という結果が出ています。

猛暑によるメイクの変化

おしゃれは「きちんとして見える」から「自分や場に合っているか」へ

おしゃれをする上で大切にしていることの意識に変化が見られました。以前は1位だった「きちんとして見えること」が17.5ポイント減少した一方で、「似合っていること」が増加して1位となり、「場に合っていること」も12.5ポイント上昇しました。この結果は、おしゃれの基準が他者からの評価よりも、自分自身や状況への適合性を重視する方向にシフトしていることを示唆しています。

おしゃれをする上で大切にしていること

おしゃれをする目的としては、「気分を上げる・楽しい」「気持ちの切り替え」「自己満足・自己表現として」といった声が多く聞かれました。例えば、「自分の気分を上げ、楽しくなれて、活気があふれるようにするもの」(83歳)や「テンションを上げたいときにおしゃれする」(42歳)といったコメントがあります。

「おしゃれ着」の定義についても、「自分が気に入っている服」「自分の生き方を表現するもの」「着心地の良さ」など、自分軸での評価が目立ちます。機能性や素材・高級感を重視する声も挙がっており、多様な価値観が反映されています。

「衣」に関する価値観では、「良いものを長く着続けたい」がトップとなりました。これは、単に新しいものを購入するだけでなく、手持ちの服を大切にし、今の自分に合わせて着こなすことへの関心が高まっていることを示しています。

「衣」に関する価値観

専門家による見解

ハルメク 生きかた上手研究所 所長の梅津 順江氏は、今回の調査結果について次のように述べています。

「値上げラッシュが続く中で、40~80代女性のおしゃれ消費は縮小しているかと思われましたが、月あたりの支出は9,343円とほぼ横ばいで推移しています。一方で、おしゃれに対する価値観は静かに変化しています。重視されるのは『きちんとしているか』よりも『自分に合っているか』です。シニアのおしゃれは、『他者に合わせる正解』から『自分や場に合わせる最適解』へと軸足を移しています。

その背景には、『自分のためにおしゃれをする』という意識の広がりがあります。自由記述では『気分を上げる』『楽しい』『気持ちの切り替え』『自己満足』といった声が目立ち、おしゃれが感情を動かす役割を担っていることがうかがえます。おしゃれ着の定義も『自信が持てる服』『自分らしさを表現できる服』『着心地が良い素材』など、自分軸の言葉が中心です。さらに印象的なのは、『お気に入りの服を大事に長く着たい』『汚したくないからあえて普段は着ない』といった声です。新しく買うこと以上に、手持ちの服をどう活かし、今の自分に合わせてどう着こなすかに関心が向いています。

こうした選び方の変化は、おしゃれの質がむしろ高まっていることを示しています。日常では抑えつつも、『旅行』『外食』『文化体験』といった特別な場では、おしゃれがきっかけとなり消費を動かします。これからは、商品単体の提案だけでは不十分です。『どこへ』『どんな気分で』着ていくのかまで含めたシーン提案が重要になります。おしゃれは今、『他人のための身だしなみ』から『自分の気分を整えるスイッチ』へと役割を変えつつあります。」

梅津 順江氏

関連情報

ハルメク 生きかた上手研究所のシニアリサーチデータは、以下のウェブサイトで公開されています。

このサイトでは、ハルメク世代(シニア)を顧客とする企業にとって有益な情報が提供されており、マーケティングデータや調査レポートなどが豊富に掲載されています。

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