「暑さによるスポーツ事故ゼロ」を目指す社会的ムーブメントの第一歩
サミットの冒頭では、ザムスト事業部長の曽川浩一氏が開催の背景を説明しました。近年、暑さによる競技中のリスクが深刻化しており、熱中症対策の知識は広まっているものの、部活動や大会では依然として救急搬送や痛ましい事故が発生している現状が報告されました。
日本スポーツ協会のデータによると、過去49年間の学校管理下における熱中症死亡事例のうち、8割以上が運動部活動によるものであり、特に体が暑さに慣れていない梅雨明けから8月上旬に事故が集中している厳しい実態が示されました。

曽川氏は、身体を直接冷やす冷却商品の市場規模が年間500億円を超え、成長を続けていることに触れ、「こうした市場の拡大は、スポーツ現場が抱く“暑さへの強い危機感”の表れだと受け止めている」と指摘しました。ザムストはこれまで製品を通じて“現場で使える暑熱対策”を提供してきましたが、今後は製品提供だけでなく、スポーツ環境そのものを変えていくことを目指し、本サミットが「暑さによる死亡、暑さによるスポーツ事故ゼロ」を目指す社会的ムーブメントの第一歩となることを強く願うと語りました。
深刻化する熱中症の現状と著名人の体験談
パネルディスカッションでは、フリーアナウンサーの上重聡氏がMCを務め、「近年の熱中症事情」について議論が展開されました。昨年の熱中症救急搬送者数が過去最多の10万人超という結果に、会場からは驚きの声が上がりました。
齊藤雅彦先生は、日本の平均気温が過去100年で約1.44度上昇していること、特にここ数年で猛暑日・酷暑日が急増している現状を解説。体育の授業や部活動といった教育現場でも熱中症が継続的に発生していることを示し、「昔の夏と今の夏は全然違う」と、気候変動がスポーツ環境に与える影響の深刻さを訴えました。


登壇者たちはそれぞれの「過酷な夏の記憶」を語りました。日米で数々のマウンドに立ってきた松坂大輔さんは、甲子園球場のような屋外球場ではグラウンドに熱がこもり、特に応援する側の人々が大変ではないかと危惧しました。
澤穂希さんは、人工芝の練習での照り返しや足の裏の火傷、東南アジアでの大会での気温40度と高い湿度の中で「いかに疲労を残さないか」が重要だったと明かしました。
辻󠄀希美さんは、「昔だったら外で遊んでいらっしゃいと言っていたが、今では簡単に言えなくなっている」と、滑り台や鉄棒が熱くなる公園での子どもの遊びについて保護者のリアルな声を届け、共感を呼びました。

スポーツ現場における暑熱対策とクーリングブレイクの重要性
齊藤先生は「スポーツ現場における暑熱対策」と題した講演で、暑熱順化・身体冷却・クーリングブレイクの3つを中心に解説しました。
子どもは大人に比べて体温調節機能が未発達で汗をかきにくく、身長が低いことから地面の照り返しの影響も受けやすいと指摘。また、喉が渇いてからでは水分補給が遅れがちであり、指導者に遠慮して体調不良を伝えられないケースも多いため、子ども自身がリスクを察知するのは難しいと述べ、保護者や指導者が積極的に子どもの状態を把握しサポートすることの重要性を強調しました。
近年、酷暑の常態化を背景に重要性が高まっている試合中の「クーリングブレイク」についても言及。単なる水分補給にとどまらず、身体を積極的に冷却する時間としての活用が進み、冷感ポンチョのような「着る冷感」といった新たな対策が注目されています。
夏の高校野球で導入が進むクーリングタイムについて、松坂さんは「試合の流れが変わる難しい側面もあるが、選手の身体を守ることを考えると、やはり取り入れて正解ではないか」と語りました。

澤さんは、サッカーではポジションによって水分補給のしやすさに差があり、中央の選手はピッチを離れると数的不利になるリスクがあるため、セットプレーの隙を狙ってゴール裏まで走って水を飲んでいた当時のジレンマを明かしました。しかし、「今はいろんな良い対策があるので、選手も昔よりいいコンディションでプレーができるのではないか」と、環境の変化を前向きに受け止めていました。
辻󠄀さんは、息子が中学の野球部で熱中症で搬送された経験から、毎日心配であり、暑熱対策の設備が整っていない環境だと余計に不安になると、親としての切実な思いを語りました。
齊藤先生は、現場の声を受けて、アイスパックや首元を冷やす方法に加え、最もおすすめなのが「手掌冷却」であると解説。氷水に手をつけることで、手の血管を通じて深部体温を効率よく下げられると説明し、事前準備の手間が少なく手軽に使えるアイテムの活用が現場での暑熱対策の鍵になると締めくくりました。
冷感ポンチョ「ザムスト COOL SHADER」の実証実験
サミットのハイライトとして、冷感ポンチョ「ザムスト COOL SHADER」を用いた身体冷却の実証実験が行われました。

ゲスト3名は気温40度を超える「酷暑日」を再現した透明テントへ移動し、水分補給後にテントの中へ。松坂さんは「もわっとして、夏の高校野球を思い出します…」、辻󠄀さんは「息苦しいですね。これが長時間になるとしんどくなってくる感じです」と、過酷な体感を伝えました。テントを出たゲストの体表面温度をステージ上の巨大スクリーンのサーモグラフィで映し出すと、体が真っ赤に染まった様子が一目で確認でき、会場を沸かせました。

そこで、濡らした「ザムスト COOL SHADER」が配布され、ゲスト3名は「めちゃくちゃ、気持ちいい!」と歓声を上げました。澤さんは「首元はスナップボタンでとめられるので、自由に動かしやすい」と着心地をレポート。サーモグラフィでも、真っ赤だった体が瞬時に「青」へと変化し、その冷却効果が目に見えて実証されました。さらに、ポンチョが体温で温まってきたところで端を持って振ると、サーモグラフィが再び青に戻り、「おおっ!またひんやりした!」と驚きの声が上がりました。
齊藤先生は医学的見地から「クーリングは運動中だけでなく、運動前・運動後も含めた全てのタイミングで行うことが重要。アップ前後でも深部体温を冷やすことで、パフォーマンスと体調の両面で大きな差が生まれる」と解説。暑熱対策の設備が整備されていない環境で運動する小中学生でも冷感グッズを活用できると強調し、「熱中症について正しい知識を持ち、自分の体のコンディションを把握して運動すること。そして、水分摂取と身体冷却を組み合わせながら、これからどんどん暑くなる夏のスポーツを乗り切ってほしい」と締めくくりました。
登壇者からのメッセージ
サミットの最後には、暑熱対策の重要性を体感したゲスト3名から、スポーツ指導者および保護者へ向けたメッセージが届けられました。
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辻󠄀希美さん:「今日実際に体験してみて、冷感ポンチョは赤ちゃんを抱っこしている時にも一緒に涼しくなれるかなと思いました。知っていたようで知らなかった知識もたくさんあったので、改めて今日学んだことを自分たちの身は自分で守ることも含めて、子供たちと生活リズムやスタイルについて一度話していきたいです。」
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澤穂希さん:「熱中症に対して、正しい知識をしっかり身につけるのも大事だと実感しました。今本当に冷却対策のグッズがたくさんあるので、それをうまく活用しながら運動する方も楽しんでもらえればいいなと思います。」
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松坂大輔さん:「僕らが過ごしてきた時とはもう暑さの質も違うので、正直今日話を聞いて、僕らの時にもあったらよかったなと…。改めて、熱中症対策というものに対して、しっかり指導者や保護者の皆さんにも知って欲しいですし、情報を広めていきたいです。」
ZAMST(ザムスト)について
ZAMST(ザムスト)は、医療メーカーとして整形外科向け製品を開発・製造する日本シグマックス株式会社が1993年に設立したスポーツ向けサポート・ケア製品ブランドです。医療現場で培った知識と技術をベースに、アスリートのケガのリスクと向き合い、パフォーマンスを最大限に引き出すためのサポートを提供しています。
- ZAMST公式サイト: https://www.zamst-online.jp/

累計出荷枚数11万枚突破の冷感ポンチョ・ベスト「ザムスト COOL SHADER」
「ザムスト COOL SHADER」は、暑熱環境下でも手軽に体を冷やせるアイテムとして2020年に発売されました。水に濡らして、絞って、振って羽織るだけで冷感が得られる手軽さや、UVカット機能で直射日光を避けられる点が評価され、スポーツ大会のハーフタイムや屋外での応援、レジャーシーンなど幅広い場面で活用されています。大人から子どもまで使いやすいサイズ感と、動きながらでも着用できる利便性から人気が高まり、2026年3月末時点で累計出荷枚数は11万枚を突破しています。
- COOL SHADER 商品概要: https://www.zamst-online.jp/SHOP/389502.html

日本シグマックス株式会社について
日本シグマックス株式会社は「身体活動支援業」を事業ドメインとし、人々の身体に関わる製品・サービスを提供しています。創業以来、整形外科分野に特化し、各種関節用装具やギプスなどの外固定材、リハビリ関連製品、冷却療法のためのアイシングシステム、治療・診断のための医療機器などを提供。スポーツ分野ではスポーツ向けケア・サポートブランド「ZAMST」を展開し、日常生活を支える「デイリーケア」、労働者の身体をサポートする「ワーカーズケア」といった分野で「MEDIAID」ブランド製品を拡大展開しています。
- 日本シグマックス株式会社公式サイト: https://www.sigmax.co.jp/

- 暑熱対策サミット2026 公式サイト: https://shonetsu-summit2026.com/


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