新たな美容の可能性を拓く「グルタリュクス®」
三菱商事ライフサイエンス株式会社は、超硫黄分子に着目した新素材・化粧品原料「グルタリュクス®」を2026年5月1日に全国で発売しました。本製品は、化粧品メーカーなど法人のお客様向けの業務用化粧品原料として提供されます。
同社は1968年からグルタチオンの実生産を行う原料メーカーであり、近年注目を集める超硫黄分子の一つ「ビスグルタチオントリスルフィド」に2017年から着目し、約10年間の研究開発を経て、このたび化粧品原料としての開発に成功しました。
この開発を大きく進展させた要因の一つは、2024年に化粧品原料メーカーであるビタミンC60バイオリサーチ株式会社(VC60社)を統合したことです。長年培ってきたグルタチオン原料メーカーとしての技術に、VC60社が持つ化粧品分野の豊富な知見と独自技術が加わり、グルタチオン誘導体の研究が加速し、「グルタリュクス®」の開発へとつながりました。
「グルタリュクス®」の特長
「グルタリュクス®」は、化粧品の成分表示名称「ビスグルタチオントリスルフィド」と「グリシン」、「アラニン」、「セリン」の共結晶体です。水に溶解しやすい性質を持ち、アミノ酸を配合しているため、高い保湿効果も期待され、幅広い製品への応用が可能です。
超硫黄分子と「硫黄呼吸」が肌に与える影響
ビスグルタチオントリスルフィドは、硫黄原子が複数連結した物質である「超硫黄分子」に分類されます。超硫黄分子は、硫黄を用いたミトコンドリアのエネルギー代謝、通称「硫黄呼吸」に関与することが報告されています。このエネルギー代謝の観点からのアプローチにより、肌の生まれ変わりやハリ感を支える環境を整えることが期待されています。硫黄呼吸は、生命誕生の初期から存在するとされる最も古いエネルギー代謝の一つであり、現代の皮膚科学分野においても改めて注目されています。
グルタチオン誘導体「ビスグルタチオントリスルフィド」とは
ビスグルタチオントリスルフィドは、2分子のグルタチオンを構造に有するグルタチオン誘導体です。従来のグルタチオンは水溶液中で硫黄由来の臭いが課題となることがありましたが、ビスグルタチオントリスルフィドは水溶液中で臭いがほとんど感じられないことが確認されています。

皮膚に対する評価で示された可能性
株式会社SOUKENの試験機関にて、「ビスグルタチオントリスルフィド」1% 配合品の皮膚に対する影響を評価するための臨床試験が実施されました。20名の女性を対象に、28日間、朝晩2回顔全体に塗布する試験が行われた結果、以下の変化が観察されました。
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塗布前と比較してコルネオメーターによる測定では皮膚の水分量が39%増加
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キュートメーターによる測定では皮膚の弾力性が16%増加
なお、この研究は化粧品原料に関する基礎研究であり、ビスグルタチオントリスルフィドを配合する商品の効能効果を検証する目的のものではありません。
1:コルネオメーター:肌の表面に含まれる水分量を測るための機器。
2:キュートメーター:肌を軽く引っ張り、その戻り具合から弾力を測定する機器。
今後の展望
本製品は、肌のうるおい保持および弾力の改善に寄与する可能性が示唆されており、今後の化粧品市場において新たな価値創出が期待されます。この新製品は、2026年4月14日よりフランス・パリで開催された世界最大の化粧品原料見本市「in-cosmetics Global」にて発表されました。


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