OKIサーキットテクノロジー、AI半導体検査装置向けに180層・板厚15mmの超高多層PCB技術を確立

テクノロジー

AI半導体の進化が求める高密度PCB

最新のAI半導体は、扱う信号数が膨大であり、プロセスの微細化によってウエハーに搭載されるチップの数も増加しています。これに伴い、検査装置用のPCBには、より高い密度(狭いピッチ)と積層数の増加が求められてきました。

しかし、PCBの高板厚化は、ビア(多層PCBの層間を電気的に接続する穴)の特性インピーダンス(交流回路での電流の流れにくさ)制御を難しくするほか、電源層へのビア貫通による電源性能の劣化、細く長いビアを正確に加工するドリル技術の制約といった課題を抱えていました。これにより、これまでの超高多層PCBは、124層・板厚7.6mmが実質的な上限とされていました。今後の高速・高周波・高密度のデータ転送ニーズに対応するためには、従来の構造では限界があったのです。

新技術で超高多層化と性能を両立

OKIサーキットテクノロジーは、これらの課題を解決するために、二つの新技術を開発しました。

  1. 導電ペースト基板間ビア接続技術(Sintering paste for via bonding): 複数の多層PCBを積層接続し、表面のビア同士を接続することで超高多層PCBを構築する技術です。
  2. 超高厚PCB製造技術: 板厚15mmまで対応可能な製造技術です。

これらの技術を組み合わせることで、60層のPCBを3枚積層接続し、合計180層・板厚15mmのPCBを実現する独自の設計・生産技術を確立しました。この方法では、個々の多層PCBごとにビア特性制御、信号品質、電源性能といった課題に対応した上で積層できるため、超高多層化と高い性能・品質の両立が可能となります。この新技術により、将来的なさらなる高速・高周波・高密度データ転送ニーズへの対応が期待されます。

幅広い分野への応用と今後の展開

今回開発された技術は、AI半導体、AIサーバー、宇宙・航空・防衛、次世代通信といった、今後の成長が期待される様々な分野での活用が見込まれています。OKIサーキットテクノロジーは、今後も技術進化に対応し、PCBおよび製造技術のさらなる開発に積極的に取り組んでいく方針です。

なお、この新技術は、2026年4月28日から5月1日まで米国マサチューセッツ州DCU Convention Centerで開催される「PCB East 2026」のOTCブース(No.313)にて紹介される予定です。

関連リンク

コメント