導入
現代社会において、企業が持続的に成長するためには、優秀な人材の確保だけでなく、採用した人材が早期に活躍できるようなサポート体制が不可欠です。特にキャリア採用の比率が高まる中、バックグラウンドの異なるキャリア入社者がスムーズに組織に適合し、即戦力として力を発揮できるよう支援する「オンボーディング」の重要性が増しています。
しかし、多くの企業ではオンボーディングが属人的になりがちで、十分な支援が行き届かず、キャリア入社者の立ち上がりが遅れたり、早期離職につながったりするケースも少なくありません。このような課題に対し、株式会社ビズリーチは、生成AIを活用した新サービス「Onboard AI」の提供を開始しました。このサービスは、キャリア入社者の即戦力化を支援し、マネジメントに変革をもたらすことを目指しています。

「Onboard AI」提供の背景にある課題
企業の2025年度採用計画におけるキャリア採用の比率は51.1%に達し、キャリア採用が一般的になっています。人材流動化が進む中で、企業成長のボトルネックは採用だけでなく、採用した人材が「活躍」できるかどうかに移ってきています。
しかし、キャリア入社者一人ひとりに合わせた育成は容易ではありません。ある調査では、年間採用計画人数が5名以上の企業のうち、60.3%が「キャリア入社者が入社半年以内に早期離職したケースがある」と回答しています。また、別の調査では、入社後3カ月以内に離職した経験のあるビジネスパーソンの60%が、離職理由として「トレーニングの不足」や「受けたトレーニングが体系化されていなかったこと」を挙げています。キャリア入社者は「即戦力として早く成果を出さなければ」というプレッシャーを抱える一方で、組織固有の暗黙のルールや業務の進め方を知る機会が不足し、パフォーマンスを発揮しきれないことも少なくないようです。
オンボーディングはマネージャーの裁量に委ねられていることが多く、営業部門の管理職を対象とした調査では、72.8%の企業でオンボーディングの仕組みがない、あるいは実施されていないことが明らかになっています。マネージャーの多忙さも相まって、「育成の限界」が浮き彫りになっているのが現状です。
「Onboard AI」が解決する課題と特長
「Onboard AI」は、マネージャーの負担を軽減しながら、即戦力として活躍できる人材を育成する仕組みを構築します。生成AIが知識伝達や反復練習といった「教える」業務を代替し、一人ひとりに合わせた学習コンテンツを提供します。これにより、メンバーは精神的負担を軽減しつつ、自律的に成長することが可能です。

「Onboard AI」の主な特長は以下の通りです。
-
立教大学 田中聡准教授監修「ACEモデル」による科学的アプローチ
新しいメンバーが組織に適応し活躍するプロセスを「技術学習(Ability)」「文化適応(Culture)」「役割理解(Expectation)」の3つの要素で整理した「ACEモデル」を採用しています。生成AIがこのモデルを学習することで、育成する側のスキルや経験に依存せず、再現性のある人材育成を実現します。 -
メンバーの理解度に合わせた学習コンテンツと自律学習支援
オンボーディングに不可欠な座学・実践・評価・内省のサイクルを生成AIがサポートします。メンバーのレベルや進捗をAIが分析し、その人に必要な学習コンテンツを提供することで、習得内容の定着と思考の深化を促進します。 -
生成AIによるマネージャーへの育成アシスト
メンバーのオンボーディング進捗や理解度をデータで可視化します。生成AIが日報や学習履歴から進捗の遅れや心境の変化を察知し、アラート通知を行うため、マネージャーは的確なタイミングでメンバーをフォローできます。これにより、マネージャーは基礎学習をAIに任せ、メンバーとの対話やキャリア支援といった本質的な業務に注力できるようになります。
「Onboard AI」の各機能

-
生成AIによる学習コンテンツ(クイズ・ロープレ)の生成
営業職向けの資料や研修資料をアップロードするだけで、生成AIがメンバーのスキルに合わせたクイズやロープレ(ロールプレイング)を自動生成します。AIアバターを顧客役とした商談練習も可能で、客観的なフィードバックを受けながら質の高い対話練習ができます。 -
生成AIによるチェック(日報・週報・月報)
生成AIとの対話を通じて、メンバーは自身の行動を客観的に振り返り、自ら次のアクションを決定できます。これにより、マネージャーが毎日振り返りを促す必要がなくなります。 -
マネージャーによる日報確認・個別フォロー
マネージャーはメンバーの日報などを一覧で確認し、学習進捗や状況を効率的に把握できます。生成AIからのアラート通知により、マネージャーは適切なタイミングで個別フォローやネクストアクションを提案できます。
専門家からの期待
立教大学経営学部の田中聡准教授は、「ACEモデル」と生成AIを組み合わせた「Onboard AI」の取り組みについて、「組織社会化」という重要なテーマに科学的アプローチを取り入れている点で非常に興味深いとコメントしています。人材の流動性が高まる現代において、オンボーディングの質を高めることは企業と個人双方にとって重要であり、今回の取り組みが多くの企業のオンボーディング高度化につながることに期待を寄せています。
事業責任者のコメント
株式会社ビズリーチ Onboard AI 事業責任者の茂野明彦氏は、人材流動化が進む中で、キャリア入社者の「入社後の活躍」を仕組み化することの重要性を強調しています。「Onboard AI」は、独自の育成フレームワーク「ACEモデル」に基づき、生成AIがメンバーのスキルに合わせた最適な学習を提供することで、自律的な成長を支援します。また、マネージャーは「教える」業務をAIに任せ、「育てる」対話に注力できるため、マネジメントできる人数を大幅に拡張できると述べています。
サービスサイト
「Onboard AI」の詳細については、以下のサービスサイトをご覧ください。
株式会社ビズリーチについて
株式会社ビズリーチは、「キャリアに、選択肢と可能性を」をミッションに掲げ、2009年4月より、働き方の未来を支えるさまざまなインターネットサービスを運営しています。即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」をはじめ、人財活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)」シリーズなどを展開し、Visionalグループにおいて主にHR TechのプラットフォームやSaaS事業を担っています。


コメント